川口氏、９日解任へ　与党は異例の参院予算委欠席

　自民、民主両党の参院国対委員長は８日、国会内で断続的に会談し、中国要人らとの会合を理由に帰国を延期した川口順子環境委員長（自民）に対する野党７党提出の解任決議案について、９日の参院本会議で採決することに大筋合意した。川口氏は自発的な辞任を拒否しており、野党の賛成多数で可決される見通し。常任委員長の解任決議可決は衆参両院を通じて初めてとなる。

　国対委員長会談に先立ち、参院予算委員会は８日午前、外交、防衛などについて集中審議を行った。与党は、野党が当初、川口氏の解任決議案の本会議採決日程に応じないとして審議を拒否。閣僚と野党議員のみが出席する異例の展開になった。

　民主党の川上義博氏は「一番重要な予算を与党が審議拒否するのは憲政史上初めてではないか。許されるのか」と非難。安倍晋三首相は「できる限り円満な形で委員会が開催されるのが望ましい」と答えた。

　首相は川口氏の帰国延期について「川口氏が出席した会議には楊潔チ国務委員（外交担当）も出席し、尖閣諸島の問題も議論された。日本の立場を主張するのは有意義だった」と野党側に理解を求めた。

　元外相の川口氏は４月２３、２４両日に訪中。楊氏との会合が２５日に入り、自民党を通じて帰国延期を申請したが、野党が反対したため認められなかった。川口氏は帰国せず会合に出席し、２５日の環境委が取りやめとなった。