松井氏「いいもの見せたい」野球界への恩返し約束「使命」胸にＮＹへ

コマツ本社を訪問して、社員から歓迎を受ける松井氏

　巨人、ヤンキースなどで活躍し、５日に国民栄誉賞を受賞した松井秀喜氏（３８）が８日、０３年からイメージキャラクターを務める重機メーカーのコマツを表敬訪問した。都内で社員向けのセレモニーに出席。「プレーする姿は見せられないですが、違った形で“いいもの”をお見せできるように頑張っていきたい」と、将来的な野球界への恩返しを誓った。夜は首相公邸での夕食会に出席。９日に渡米し、自宅のあるニューヨークへ戻る。

　メジャー時代の１０年間、所属した３チームの本拠地の広告看板には、いつもコマツのロゴがあった。スーツ姿の松井氏は父・昌雄さん（７１）と並び、約３５０人の社員の前でまずは感謝の思いを伝えた。

　「僕は常にコマツの看板に見守られてプレーしてきました。僕もコマツも故郷は同じ石川県。故郷から力をもらっているような気持ちでした。長い間、本当にありがとうございました」

　続けて、将来的な目標を口にした。

　「もう、プレーする姿は見せられないのは残念ですが、違った形で“いいもの”をお見せできるように頑張っていきたいと思います。これからも力を合わせていきましょう」

　野球界の発展のために尽力することを誓うと、大きな拍手が湧き起こった。

　古巣の巨人は渡辺会長はじめ、将来の指導者として期待している。松井氏は５日の本紙のインタビューで監督についてこう語っていた。

　「大変光栄で、感謝しなくてはいけない話ですけど、現時点では現実的には考えていません。いろんな意味で、勉強が必要です。ただ、使命という意味で（監督をやると）そういうふうに考えなくてはいけない。指導者もそうだが、大きな意味で次の世代に伝えなくてはいけない。その使命は持っているつもりだし、持たなくてはいけない」

　今の自分では時期尚早だと考えているが、いつかは指導者としての「巨人復帰」を視野に入れている。「そこを目指して頑張りたい」とも語っていた。

安倍首相との夕食会を終えて、車に乗り込む松井氏（中央）

　午後６時半過ぎからは、首相公邸での国民栄誉賞受賞の夕食会に出席。約２時間、ともに栄誉賞を受賞した長嶋茂雄さん、安倍首相、巨人・渡辺会長、白石オーナーらと歓談した。公邸周辺には、約４０人近くの報道陣が集まったが、対応はなかった。３日に帰国してからすべてのスケジュールを終えた。感動と興奮という名の大きな足跡を残し、ゴジラはきょう９日、ニューヨークへ戻る。