クルド労働者党(PKK)の戦闘員らは8日、山道を歩いてトルコからイラク国境に向かった。クルド系通信社が配信した=AFP時事 |
【テヘラン=北川学】トルコの少数民族クルド人の武装組織「クルド労働者党」(PKK)が8日、トルコ国内からの戦闘員の撤退を開始した。3月に政府側との停戦を表明していた。今後、PKKは政府との対話を通じて要求実現を図る。トルコで30年近く続いた武装闘争は終息する見通しだ。
トルコからの報道によると、南東部の山岳地帯に潜伏する数千人の戦闘員は、8日から段階的にPKKの本拠がある北イラクに移動。撤退は3〜4カ月で完了するという。
PKKが武装闘争からの転換を表明したのは今年3月。服役中の指導者アブドラ・オジャラン氏が代理人を通じたメッセージで「武器を置こう。政治主導による新時代の幕が開けた」と即時停戦を表明。トルコのエルドアン首相も「歓迎する」と述べた。それ以降、PKKと軍・治安部隊の戦闘や爆弾テロの発生は伝えられていない。
PKKの停戦表明は、エルドアン政権との間で成立した「取引」との見方が支配的だ。
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朝日新聞国際報道部