専門家 「大陸の一部の可能性」5月7日 20時8分
ブラジルの沖合にある大西洋の海底に、かつて大陸のような大きな陸地があった痕跡が見つかったと、海洋研究開発機構が発表したことについて、大陸の成り立ちに詳しい専門家は、「主に陸地にある花こう岩や石英の砂が見つかったことは、大陸の一部であったことが考えられる。岩石の年代や成分が、周辺の大陸と一致するのかなど、詳細な調査が必要だ」と話しています。
地球上にあるユーラシア大陸やアフリカ大陸など6つの大陸は、境界線を合わせるとほぼ一致することから、地形学的にはかつて一つの大陸だったと考えられています。この考え方では、地球の表面を覆うプレートと呼ばれる岩盤がゆっくりと動くことによって、今から2億年前に大陸が分かれたとされています。
大陸の成り立ちに詳しい東京大学大学院の木村学教授は、プレートは、海底では主に玄武岩という密度が高くて重い岩石でできている一方、陸地では主に花こう岩という密度が低く軽い岩石でできているということです。
このため、「海底で花こう岩や、花こう岩が陸地で風化してできる、石英を含む砂が見つかったことは非常に珍しく、陸地であった可能性があることを示している」と述べました。
また、南米大陸とアフリカ大陸は、もともと一つの大陸で、その後に2つに分かれたとされていることから、木村教授は、「今回、花こう岩が見つかった海底の台地は、かつての巨大な大陸が分裂した際に、一部が島のように残ったものが沈んだ可能性が十分にある。
岩石の年代や成分が周辺の大陸と一致するのかなど、詳細な調査が必要だ」と指摘しています。
一方、伝説のアトランティスではないかといった指摘に対しては、「プレートの運動の速度から推定すると、仮に陸地が存在していたとしても1億年以上前になる。夢のある話ではあるが、文明が存在した可能性は残念ながらないと思う」と話しています。
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