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近隣諸国条項

2013年5月8日

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見直しが必要な状況か

 政府は日本によるアジア諸国への侵略を、なかったことにしようとしているのだろうか。「あれは『侵略』ではなかった」として。

 それは戦後、裸一貫から汗を流し、近隣諸国との融和を図りながら、この国を経済大国にまで育てた先人の努力を否定することにはならないか。なぜ今、戦後の歴史教育を否定するのか、理解に苦しむ。

 自民党は教科書検定基準に関する提言案を6月にまとめる。アジア諸国への配慮を求める「近隣諸国条項」の見直しや、領土の教育強化を盛り込むことが主眼である。

 同党の教育再生実行本部特別部会の論点整理では、歴史教育について「いまだに多くの教科書に、自虐史観に立った問題となる記述が存在する」とした。つまり、これまでの公教育を真っ向から否定することが狙いだと、率直に述べている。

 特に問題とされているのは、太平洋戦争を中心にした近現代史の部分であろう。「八紘一宇(はっこういちう)」(世界を一つの家とすること)を旗印に、アジア各国に進出した大日本帝国の行為が侵略に当たるということは、国際的にも常識とされている。

 だが安倍晋三首相は4月23日の参院予算委員会で、過去の植民地支配と侵略を認めた「村山富市首相談話」について、こう述べた。

 「『侵略』という定義は国際的にも定まっていない。国と国との関係で、どちらから見るかということにおいて(評価が)違う」「政治の場で論じると直ちに外交問題になることから、実は違うと分かっていながら口をつぐみ、タブー視してきたのも事実ではないか」

 素直に解釈すれば、従来は侵略とされてきたが、「実はそうではない」という意味か。そして、こうした考えに沿って教科書も変えようということなのだろう。

 疑問なのは、この見解はどこから出てきたのか、ということだ。

 教育内容を一新するに値する、新しい学説や資料が出てきたわけではない。多くの学者が学問的成果を基に、「侵略」ではないと声を上げているのでもない。今回の動きを主導するのは、歴史の専門家ではないのだ。

 政治家が一個人の思想信条で歴史教育を変えようとする。極めて危険な行為であるのは言をまたない。

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