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  • 連続ツイート932回をお届けします。文章は、その場で即興で書いています。本日は、日本で生きている中で、ふと思ったある発想の種!
  • めお(1)ぼくは名刺というものがどうも苦手である。渡すのも受け取るのも苦手である。講演会の時でも、取材の時でも、相手が「初めまして」と言って、がさごそと探り始めると、あううと思う。それで、名刺を渡してくださって、「あの、すみません、ぼくは持っていないので」と言う時間が苦しい。
  • めお(2)正確に言うと、名刺をつくって、お渡ししていた時期もあったのだけれども、「品切れ」になって、そのあと、もう2年くらいかな、一切持たなくなってしまった。それで、その度に、自分は社会人として失格じゃないか、みたいな自責の念にかられるのである。かられても、名刺を持つ気がない。
  • めお(3)もらった名刺をどうするか、というのも苦手で、ある一定の半減期をもって、どこかに消滅していくことになる。なんとはなしに、つながる方とは自然につながると思っているところがあって、いただいた名刺を整理したり、それで名簿をつくったりといったことは一切しないのである。
  • めお(4)これは、決して日本の習慣を批判しようとして書くのではないが、言うまでもなく、初対面の時にまずは名刺を渡す、というのは世界的な習慣ではない。グーグルの本社(マウンテンビュー)で会議をやった時、名刺交換などは一切なかった。ただ、ハイ、アイムケンと言って、しゃべり始めた。
  • めお(5)それで、いろいろしゃべったあとで、最後の最後になって、「お前面白いから連絡とりたい!」というような時に名刺を渡す(こともある)。だいたい、アメリカでもどこでもそんなやり方だと思うが、日本の、初対面の人がいきなりごそごそ名刺を取り出す流儀は、かなり特異点だと思う。
  • めお(6)まずは名刺を渡して、どこの所属でどんな肩書きかわからないと安心できない、みたいな心理は、私が『新しい日本の愛し方』(新潮新書)で批判した「偶有性忌避症候群」だとも言える。それ以外にも、名刺から入るのは実にもったいない遺憾な習慣であることに、実は最近になって気づいた。
  • めお(7)神経細胞は、新しい刺激を受けたときに一番活動する。oddball effectと言って、初見のものに触れると、その時間が長く感じられるほどである。誰かに初めて会う時も、同じことで、何しろ生まれて初めて顔を合わせるのだから、その時形成される印象は、強烈だ。
  • めお(8)本当に生まれて初めてこんにちは。その最初の数秒間、数分間は、印象形成や記憶形成における黄金時間。五感をフル動員して、直感にゆだね、生きものとして裸で接するのが正しい。美しい友情が始まるかもしれないし、ひょっとしたら一目惚れだって、あるかもしれない。
  • めお(9)日本において見られる「あっ、名刺渡さなくちゃ」と、名刺を取り出し、お互いに交換する習慣は、印象形成の最初の黄金時間を逃すことを意味する。その逸失機会は、もう二度と巡ってこない。私は、初対面で名刺交換する習慣の全廃を主張する。もっと相手を生きものとして、裸で見ようよ。
  • 以上、連続ツイート932回「名刺交換で、黄金時間を逃しているんだよ」でした。
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  • 社会人になって以来(というか生まれてから)名刺を持ったどころか作った事すら無い当局に隙は無かった(実話
  • (⁰︻⁰) ☝ の二氏に同意。
  • ご自分が名刺交換嫌いなものだから、それを脳科学的なもので無理に理由づけをはかってるようにしかみえない。誤った還元主義じゃないかな。脳科学に還元する必要性を全く感じない。茂木氏が圧倒的に「名刺を差し出される立場」である事がこのような印象の根元ではないか。
  • つまりそのアメリカみたいに「お前面白いやつだな」と思った後に名刺を渡せばいいってことですか?
  • 日本だと相手方がずらずらと列を成してやってきたりするので、名刺もらって席順に並べとかないといろいろ滞るんだよね。俺の記憶力の場合。
  • 会議だと話すタイミングがまちまちだし、最初に名刺交換で黄金時間フル回転リミットブレイクした方がベターとも言える。一番近くで挨拶するわけだし。
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