七回、2打席連発となるソロ本塁打を放つ阪神・新井貴=東京ドーム(撮影・岡田亮二)【拡大】
昨季から杉内が先発した試合で虎は6連敗(1分けを挟む)していたが、力で食い止めた。和田監督は「新井は本来のものにかなり近づいている」とうなずいた。
5月に入り、新井は6試合で打率・429、4本塁打、12打点と絶好調だが、ここまでの道のりは平坦(へいたん)ではなかった。思いだすリハビリの日々。今春のキャンプでは、背中を痛め途中から2軍の安芸行きを命じられた。
完治して開幕1軍に間に合わせたがベンチスタート。「今年の俺は補欠だから」と、つぶやくこともあった。だが、心は折れずに休日返上で練習を重ね、水谷チーフ打撃コーチと新しい打撃フォームを作り上げた。同コーチから「打席の中でもっと(本塁ベースに)近づけ。5センチでも全然違う。それじゃ外角に手が届かん」というアドバイスに耳を傾けた。「逆方向に質のいい力強い打球が打てるようになってきた」。自信を取り戻した。