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難民鎖国に逆戻りするのか

2013/5/8付
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 世界の難民問題の恒久的な解決と難民の保護の質的向上に向けて、アジアそして世界で主導的な役割を担う――。衆参両院がともに全会一致の決議でこう表明したのは、2011年11月だった。

 あれから1年半。決議とは裏腹に、日本の難民問題への取り組みは後退しているようにみえる。

 12年に難民と認めて受けいれを決めた人は18人にとどまり、5年前に比べ39人少なかった。難民として認めるかどうかを審査した総数のうち難民として認めた割合は0.56%で、5年前の4.49%から大きく低下した。

 主な先進国と比べてみる。国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)がまとめた11年の実績では、米国とカナダはそろって1万人以上、英独仏や豪州はそれぞれ数千人を難民と認めた。難民認定率は米国やカナダ、豪州で40%を超え、英独では20%を超えた。

 先進国の中で日本が難民の受け入れに際立って後ろ向きなことは、誰の目にも明らかだろう。

 「難民鎖国」とさえ呼ばれてきた状況を改めようとする努力がなかったわけではない。たとえば10年、アジアの国では初めて「第三国定住」という枠組みによる受け入れを始めた。05年から08年にかけては難民認定率と認定数が上向く傾向もみられた。

 いまや再び「難民鎖国」に逆戻りしつつあるとの印象を受ける。なぜなのか。審査を担当する法務省入国管理局はじめ政府から明快な説明はない。

 圧政や紛争などのために母国を離れざるを得なくなった人たちを保護する努力は、豊かで安定した社会を築いた先進国の責務だ。

 認定率が極端に低い状態を改めるため、政府は審査の基準や手続きを国際的に比較し、改善していかなくてはならない。

 これまでの取り組みがさほど成果を生まなかったことを踏まえると、この問題を専門に担当する組織の設立といった方策も考える必要がある。1年半前の決議を採択した政治の仕事のはずだ。

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