放射能をめぐる異常な誹謗
不愉快なひどい話を知ったので報告したい。
ほとんどの読者は知らないだろうが群馬県吉岡町立吉岡中学校の教師で高橋裕行氏という人がいる。この人は反原発の立場を公言し、大量のネットの書き込みを行っている。その中で福島県の行った放射能計測活動を「でたらめ」と繰り返し、計測事情を解説した郡山市民を昨年春「嘘つき」と執拗に誹謗した。
その中傷した人に民事裁判を起こされて、今年4月に自分の発言の誤りを認めたという。そしてこの事件は福島で報道され、多くの人々の批判を集めた。
不愉快なひどい話を知ったので報告したい。
ほとんどの読者は知らないだろうが群馬県吉岡町立吉岡中学校の教師で高橋裕行氏という人がいる。この人は反原発の立場を公言し、大量のネットの書き込みを行っている。その中で福島県の行った放射能計測活動を「でたらめ」と繰り返し、計測事情を解説した郡山市民を昨年春「嘘つき」と執拗に誹謗した。
その中傷した人に民事裁判を起こされて、今年4月に自分の発言の誤りを認めたという。そしてこの事件は福島で報道され、多くの人々の批判を集めた。
読者の皆様におかれては、公的な場であるアゴラのコラムで、無名のおかしな人の小さな行為を取り上げ、ご不快の念を抱かせたら謝罪したい。しかし被害を受けた方にとっては深刻な問題である。そして日本の教育、放射能デマの異様さを、この人物の行動が示すと思うために紹介する。
「嘘つきだ」--郡山市民への突如の罵声
私は福島県郡山市で塾を経営する佐藤順一氏という方とネット上で意見交換をしている。そこで佐藤氏が高橋教諭によって、迷惑を受けたことを最近知った。
佐藤氏は理学系の大学院で修士号を得た。放射線の工業利用が専攻だ。福島原発事故の後で市民に不安が広がった。佐藤氏は、塾の生徒、そして一般市民向けに講演活動や解説パンフレットの作成を続けた。また佐藤さんの妻は、福島県災害対策本部の臨時職員になり、線量計測を担当した。
以下は、佐藤氏が、市内の講演、塾の生徒向けにつくった自作パンフレット「放射能について学ぼう」だ。よくできているので、拡散を希望したい。
佐藤氏をはじめ福島県民の放射能を理解しようと言う努力に私は敬意を持つ。ところが福島県民の努力を踏みにじる人がいる。福島県は2012年始めから自動測定器による空間放射線量の数値の公表を始めた。福島原発事故後から誤った情報を拡散し続けている自称ジャーナリストの上杉隆氏が昨春、「福島県は線量計測ポストの周りを水洗いして数値を低くしている」と、この取り組みについてデマを流した。(まとめ記事)佐藤氏がネット上でこの話が間違いと説明すると、上杉氏の誤報に踊らされたのか、話したことも、会ったこともない高橋教諭の罵倒が始まった。
「この人は嘘をついている」「なぜ簡単にばれる嘘を平気で嘘をつくのだろうか」「福島の放射線量は危険だ」と、高橋氏は繰り返した。自分が福島に行って、簡易測定器で放射線量を計ったことを、根拠にしていた。「私は上杉隆氏を信じる」とも付け加え、「子供を守れ」と騒いだ。
放射線の測定は自然からの放射線を遮蔽し、精度の高い機械で行わないと正確な数値が出ない。そうして測定した数値では、福島の大半で健康に危険と示すものがない。高橋教諭の発言はおかしい。そして多くの人にデマを流す人として軽蔑されている上杉隆氏を賛美している。また迷惑な部外者に言われなくても福島の人々は子供を守る努力を重ねている。高橋教諭の発言は大人として滑稽(こっけい)だ。
高橋教諭は自分のツイッターを消している。上記の騒ぎを福島中央テレビが今年3月20日の報道番組「ゴジてれChu!」が報道した。画像はそのテレビ画面を撮影したものとして、まとめサイトTogetterに書かれた記事からものだ。福島で高橋教諭は「有名人」になった。
佐藤氏は当初、高橋教諭を無視した。ところが誹謗は執拗で実名を出し続けた。すると佐藤氏の塾の周りに不審者が徘徊し、塾の写真をネットに掲載することが起こった。佐藤氏は警察に通報した。
つきまといと中傷をやめるように、佐藤氏は勤務先の吉岡中学校校長に電話した。校長は「じゃましないでくれ」と不快さを表明して、直接高橋氏に電話を回した。高橋教諭は電話口で「訴えるなら勝手にしろ」と述べたそうだ。
佐藤氏は謝罪を求めて民事の損害賠償請求訴訟を提起した。弁護士を使わない本人訴訟だ。「放射線のことで軽はずみな発言はしてほしくないし、福島で実際の損害が起きかねないと思ったためです」という理由だ。この裁判は裁判所の薦めに従って和解した。和解条件の詳細を佐藤さんは明かしていないが、高橋教諭側が誹謗を認め、訂正したという。しかし損害賠償請求であったため、謝罪はしていないそうだ。
「クズ」と連呼する公立中学校教師
私は行政取材の経験が長いが、高橋教諭のように他の自治体や一般市民への中傷を、名前を公表して繰り返す公務員など見たことがない。
高橋教諭のツイッターを見てほしい。(@herobridge)つぶやき数は約3年で10万6000回、平均1日100回程度だ。このような大量の書き込みが可能であるほど、群馬県の公立中学校教師という仕事は暇なのであろうか。勤務時間中にやっていないのだろうか。
また高橋教諭は反原発の主張を繰り返し、デモや政治集会に参加を続けることを公言している。そして原発肯定と彼が認定した特定政党、政治家への批判を繰り返す。個人の思想信条は尊重されるべきだが、公立中学校の教師は中立性が要請され、行動には自省と制限が求められるはずだ。(文部科学省通達「教職員等の選挙運動の禁止等について」)
高橋教諭のハンドルネーム「英雄橋」や、高橋裕行の名前で、ツイッターや、まとめサイト「togetter」を検索すると、異様さが分かる。毎日、有名人に話しかけ、気に入らない人を攻撃してののしり合いを続けている。私も彼に話しかけたことはないのに、原発推進派として絡まれた。以下の書き込みは一例だが、「クズ」「ネトウヨ」などとは、教師が使う言葉とは思えない。こんな調子の発言が延々と続くのだ。
石井孝明 経済ジャーナリスト ishii.takaaki1@gmail.com
(生徒への悪影響を考え高橋教諭の勤務先を明かすつもりはなかったが、ネット上で知れ渡っていること、行動を改めないことから、公開に踏み切る)
その2に続く
「嘘つきだ」--郡山市民への突如の罵声
私は福島県郡山市で塾を経営する佐藤順一氏という方とネット上で意見交換をしている。そこで佐藤氏が高橋教諭によって、迷惑を受けたことを最近知った。
佐藤氏は理学系の大学院で修士号を得た。放射線の工業利用が専攻だ。福島原発事故の後で市民に不安が広がった。佐藤氏は、塾の生徒、そして一般市民向けに講演活動や解説パンフレットの作成を続けた。また佐藤さんの妻は、福島県災害対策本部の臨時職員になり、線量計測を担当した。
以下は、佐藤氏が、市内の講演、塾の生徒向けにつくった自作パンフレット「放射能について学ぼう」だ。よくできているので、拡散を希望したい。
佐藤氏をはじめ福島県民の放射能を理解しようと言う努力に私は敬意を持つ。ところが福島県民の努力を踏みにじる人がいる。福島県は2012年始めから自動測定器による空間放射線量の数値の公表を始めた。福島原発事故後から誤った情報を拡散し続けている自称ジャーナリストの上杉隆氏が昨春、「福島県は線量計測ポストの周りを水洗いして数値を低くしている」と、この取り組みについてデマを流した。(まとめ記事)佐藤氏がネット上でこの話が間違いと説明すると、上杉氏の誤報に踊らされたのか、話したことも、会ったこともない高橋教諭の罵倒が始まった。
「この人は嘘をついている」「なぜ簡単にばれる嘘を平気で嘘をつくのだろうか」「福島の放射線量は危険だ」と、高橋氏は繰り返した。自分が福島に行って、簡易測定器で放射線量を計ったことを、根拠にしていた。「私は上杉隆氏を信じる」とも付け加え、「子供を守れ」と騒いだ。
放射線の測定は自然からの放射線を遮蔽し、精度の高い機械で行わないと正確な数値が出ない。そうして測定した数値では、福島の大半で健康に危険と示すものがない。高橋教諭の発言はおかしい。そして多くの人にデマを流す人として軽蔑されている上杉隆氏を賛美している。また迷惑な部外者に言われなくても福島の人々は子供を守る努力を重ねている。高橋教諭の発言は大人として滑稽(こっけい)だ。
高橋教諭は自分のツイッターを消している。上記の騒ぎを福島中央テレビが今年3月20日の報道番組「ゴジてれChu!」が報道した。画像はそのテレビ画面を撮影したものとして、まとめサイトTogetterに書かれた記事からものだ。福島で高橋教諭は「有名人」になった。
佐藤氏は当初、高橋教諭を無視した。ところが誹謗は執拗で実名を出し続けた。すると佐藤氏の塾の周りに不審者が徘徊し、塾の写真をネットに掲載することが起こった。佐藤氏は警察に通報した。
つきまといと中傷をやめるように、佐藤氏は勤務先の吉岡中学校校長に電話した。校長は「じゃましないでくれ」と不快さを表明して、直接高橋氏に電話を回した。高橋教諭は電話口で「訴えるなら勝手にしろ」と述べたそうだ。
佐藤氏は謝罪を求めて民事の損害賠償請求訴訟を提起した。弁護士を使わない本人訴訟だ。「放射線のことで軽はずみな発言はしてほしくないし、福島で実際の損害が起きかねないと思ったためです」という理由だ。この裁判は裁判所の薦めに従って和解した。和解条件の詳細を佐藤さんは明かしていないが、高橋教諭側が誹謗を認め、訂正したという。しかし損害賠償請求であったため、謝罪はしていないそうだ。
「クズ」と連呼する公立中学校教師
私は行政取材の経験が長いが、高橋教諭のように他の自治体や一般市民への中傷を、名前を公表して繰り返す公務員など見たことがない。
高橋教諭のツイッターを見てほしい。(@herobridge)つぶやき数は約3年で10万6000回、平均1日100回程度だ。このような大量の書き込みが可能であるほど、群馬県の公立中学校教師という仕事は暇なのであろうか。勤務時間中にやっていないのだろうか。
また高橋教諭は反原発の主張を繰り返し、デモや政治集会に参加を続けることを公言している。そして原発肯定と彼が認定した特定政党、政治家への批判を繰り返す。個人の思想信条は尊重されるべきだが、公立中学校の教師は中立性が要請され、行動には自省と制限が求められるはずだ。(文部科学省通達「教職員等の選挙運動の禁止等について」)
高橋教諭のハンドルネーム「英雄橋」や、高橋裕行の名前で、ツイッターや、まとめサイト「togetter」を検索すると、異様さが分かる。毎日、有名人に話しかけ、気に入らない人を攻撃してののしり合いを続けている。私も彼に話しかけたことはないのに、原発推進派として絡まれた。以下の書き込みは一例だが、「クズ」「ネトウヨ」などとは、教師が使う言葉とは思えない。こんな調子の発言が延々と続くのだ。
石井孝明 経済ジャーナリスト ishii.takaaki1@gmail.com
(生徒への悪影響を考え高橋教諭の勤務先を明かすつもりはなかったが、ネット上で知れ渡っていること、行動を改めないことから、公開に踏み切る)
その2に続く