マイクロソフト セキュリティ アドバイザリ (2847140)
Internet Explorer の脆弱性により、リモートでコードが実行される
公開日:
バージョン: 1.0
概説
概要
Internet Explorer 8 に存在する脆弱性が報告され、マイクロソフトはその報告を現在調査中です。マイクロソフトはこの脆弱性を悪用しようと試みる攻撃を確認しています。
Internet Explorer 6、Internet Explorer 7、Internet Explorer 9、および Internet Explorer 10 はこの脆弱性による影響を受けません。
これはリモートでコードが実行される脆弱性です。削除されたメモリ内、または適切に割り当てられていないメモリ内のオブジェクトに Internet Explorer がアクセスする方法にこの脆弱性が存在します。この脆弱性により、メモリが破損し、攻撃者が Internet Explorer の現在のユーザーのコンテキストで任意のコードを実行する可能性があります。攻撃者は、Internet Explorer を介してこの脆弱性の悪用を意図して特別に細工した Web サイトをホストし、ユーザーを誘導してその Web サイトを表示させる可能性があります。
この調査が完了次第、マイクロソフトは、お客様を保護するための適切な措置を講じる予定です。これには、マイクロソフトの月例のセキュリティ更新プログラムのリリース プロセス、またはお客様のニーズにより、定例外のセキュリティ更新プログラムを提供する場合があります。
マイクロソフトは、パートナーがお客様にさらに幅広い保護を提供するために使用できる情報を提供すべく、Microsoft Active Protections Program (MAPP) (英語情報) で積極的にパートナーと連携しています。さらに、積極的にパートナーと連携しながら、脅威の全体像を監視して、この脆弱性を悪用しようと試みる悪質なサイトに対して措置を講じます。
マイクロソフトは引き続き、Microsoft セーフティとセキュリティ センターのガイダンスに従い、ファイアウォールを有効にし、すべてのソフトウェアの更新プログラムを適用し、マルウェア対策ソフトウェアをインストールすることを推奨しています。
問題を緩和する要素:
- 既定で、Windows Server 2003、Windows Server 2008 および Windows Server 2008 R2 上の Internet Explorer は、「セキュリティ強化の構成」と呼ばれる制限されたモードで実行されます。このモードは、この脆弱性の影響を緩和します。
- 既定で、すべてのサポートされているバージョンの Microsoft Outlook、Microsoft Outlook Express および Windows メールは、HTML 形式の電子メール メッセージを制限付きサイト ゾーンで開きます。制限付きサイト ゾーンはスクリプトおよび ActiveX コントロールを無効にし、この脆弱性を悪用して悪意のあるコードを実行しようとする攻撃のリスクを排除するのに役立ちます。しかし、ユーザーが電子メール メッセージのリンクをクリックすると、Web ベースの攻撃のシナリオで悪用された脆弱性の影響を受ける可能性があります。
- この脆弱性が悪用された場合、攻撃者が現在のユーザーと同じユーザー権限を取得する可能性があります。コンピューターでのユーザー権限が低い設定のアカウントを持つユーザーは、管理者特権で実行しているユーザーよりもこの脆弱性による影響が少ないと考えられます。
- Web ベースの攻撃のシナリオで、攻撃者はこの脆弱性の悪用を意図した Web ページを含む Web サイトをホストする可能性があります。さらに、影響を受けた Web サイトおよびユーザー提供のコンテンツまたは広告を受け入れる、またはホストする Web サイトには、この脆弱性を悪用する可能性のある特別に細工されたコンテンツが含まれる可能性があります。しかし、すべての場合、攻撃者がこのような Web サイトにユーザーを強制的に訪問させる方法はないと考えられます。そのかわり、通常、ユーザーに攻撃者の Web サイトに接続させる電子メール メッセージまたはインスタント メッセンジャーのメッセージ内のリンクをクリックさせることにより、ユーザーを攻撃者の Web サイトに訪問させることが攻撃者にとっての必要条件となります。
推奨する対応策: 詳細情報は、このセキュリティ アドバイザリの「推奨するアクション」の欄を参照してください。
アドバイザリの詳細
問題に関する参照情報
この問題に関する詳細情報は、次の参照情報をご確認ください。
参照情報 | ID |
---|---|
CVE 参照情報 | CVE-2013-1347 |
影響を受けるソフトウェア
このアドバイザリは次のソフトウェアについて説明しています。
影響を受けるソフトウェア
オペレーティング システム | コンポーネント |
---|---|
Internet Explorer 8 | |
Windows XP Service Pack 3 | Internet Explorer 8 |
Windows XP Professional x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 8 |
Windows Server 2003 Service Pack 2 | Internet Explorer 8 |
Windows Server 2003 x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 8 |
Windows Vista Service Pack 2 | Internet Explorer 8 |
Windows Vista x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 8 |
Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2 | Internet Explorer 8 |
Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2 | Internet Explorer 8 |
Windows 7 for 32-bit Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 8 |
Windows 7 for x64-based Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 8 |
Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 8 |
Windows Server 2008 R2 for Itanium-based Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 8 |
影響を受けないソフトウェア
オペレーティング システム | コンポーネント |
---|---|
Internet Explorer 6 | |
Windows XP Service Pack 3 | Internet Explorer 6 |
Windows XP Professional x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 6 |
Windows Server 2003 Service Pack 2 | Internet Explorer 6 |
Windows Server 2003 x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 6 |
Windows Server 2003 with SP2 for Itanium-based Systems | Internet Explorer 6 |
Internet Explorer 7 | |
Windows XP Service Pack 3 | Internet Explorer 7 |
Windows XP Professional x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 7 |
Windows Server 2003 Service Pack 2 | Internet Explorer 7 |
Windows Server 2003 x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 7 |
Windows Server 2003 with SP2 for Itanium-based Systems | Internet Explorer 7 |
Windows Vista Service Pack 2 | Internet Explorer 7 |
Windows Vista x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 7 |
Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2 | Internet Explorer 7 |
Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2 | Internet Explorer 7 |
Windows Server 2008 for Itanium-based Systems Service Pack 2 | Internet Explorer 7 |
Internet Explorer 9 | |
Windows Vista Service Pack 2 | Internet Explorer 9 |
Windows Vista x64 Edition Service Pack 2 | Internet Explorer 9 |
Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2 | Internet Explorer 9 |
Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2 | Internet Explorer 9 |
Windows 7 for 32-bit Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 9 |
Windows 7 for x64-based Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 9 |
Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 9 |
Internet Explorer 10 | |
Windows 7 for 32-bit Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 10 |
Windows 7 for x64-based Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 10 |
Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems Service Pack 1 | Internet Explorer 10 |
Windows 8 for 64-bit Systems | Internet Explorer 10 |
Windows Server 2012 | Internet Explorer 10 |
Windows RT | Internet Explorer 10 |
Server Core インストール | |
Windows Server 2008 for 32-bit Systems Service Pack 2 (Server Core インストール) | 対象外 |
Windows Server 2008 for x64-based Systems Service Pack 2 (Server Core インストール) | 対象外 |
Windows Server 2008 R2 for x64-based Systems Service Pack 1 (Server Core インストール) | 対象外 |
Windows Server 2012 (Server Core インストール) | 対象外 |
アドバイザリの「よく寄せられる質問」
推奨するアクション
関連情報
謝辞
この問題を連絡し、顧客の保護に協力してくださった下記の方に対し、マイクロソフトは深い謝意を表します。
- Internet Explorer の解放後使用の脆弱性 (CVE-2013-1347) を報告してくださった FireEye の Daniel Caselden 氏
- Internet Explorer の解放後使用の脆弱性 (CVE-2013-1347) についてマイクロソフトに協力してくださった iSIGHT Partners
Microsoft Active Protections Program (MAPP)
お客様のセキュリティ保護をより向上させるために、マイクロソフトは、月例のセキュリティ更新プログラムの公開に先立ち、脆弱性情報を主要なセキュリティ ソフトウェア プロバイダーに提供しています。セキュリティ ソフトウェア プロバイダーは、この脆弱性の情報を使用し、ウイルス対策、ネットワーク ベースの侵入検出システムまたはホスト ベースの侵入防止システムを介して、お客様に最新の保護環境を提供します。このような保護環境を提供するセキュリティ ソフトウェア ベンダーの情報については、Microsoft Active Protections Program (MAPP) パートナーに記載されている各社の Web サイトを参照してください。
フィードバック
- フィードバックをご提供いただく際は、マイクロソフト サポート オンラインのマイクロソフトへのご意見・ご要望のフォームへ入力をお願いします。
サポート
- セキュリティ関連、およびセキュリティ更新プログラムに関するご質問や、ご不明な点などありましたら、マイクロソフト セキュリティ情報センターまでご連絡ください。詳細については、Microsoft サポートを参照してください。
- その他、製品に関するご質問は、マイクロソフト プロダクト サポートまでご連絡ください。詳細については、Microsoft サポートを参照してください。
- Microsoft TechNet セキュリティ センターでは、マイクロソフト製品に関するセキュリティ情報を提供しています。
免責
この文書に含まれている情報は、いかなる保証もない現状ベースで提供されるものです。Microsoft Corporation 及びその関連会社は、市場性および特定の目的への適合性を含めて、明示的にも黙示的にも、一切の保証をいたしません。さらに、Microsoft Corporation 及びその関連会社は、本文書に含まれている情報の使用及び使用結果につき、正確性、真実性等、いかなる表明・保証も行いません。Microsoft Corporation、その関連会社及びこれらの権限ある代理人による口頭または書面による一切の情報提供またはアドバイスは、保証を意味するものではなく、かつ上記免責条項の範囲を狭めるものではありません。Microsoft Corporation、その関連会社及びこれらの者の供給者は、直接的、間接的、偶発的、結果的損害、逸失利益、懲罰的損害、または特別損害を含む全ての損害に対して、状況のいかんを問わず一切責任を負いません。結果的損害または偶発的損害に対する責任の免除または制限を認めていない地域においては、上記制限が適用されない場合があります。
更新履歴
- V1.0 (2013/05/07):アドバイザリを公開しました。