昨日オープンしたハフィントンポストこと、「ハフポ」日本版。メディア運営者としては大変興味深い点が多いです。
ハフィントンポスト – ニュース速報まとめと、有識者と個人をつなぐソーシャルニュース
編集長いわく「コメントはすべて目を通し、編集していく」
昨日書いた通り、ハフポには「コメント欄の健全な議論」の実現を期待しています(ハフィントンポスト日本版に期待する、たったひとつのこと)。日本のウェブメディアは、ほとんどコメント欄放置状態ですからね…うちももちろん。
本来、コメントはメディアの価値を高める重要な要素になります。数字だけ見ても、コメントが多ければ、その分検索流入も、滞在時間も、再訪も伸びるはずです。
そんなことを思っていたら、津田マガのインタビューにドンピシャで編集長が語っていますね。ちょっと長いですが引用。全文興味深い内容ですので、ぜひ関心がある方は津田マガのご購読を。最新号は堀潤さんとの対談まで掲載されています。
松浦:やっぱりコメント欄――ユーザーコミュニティは重視しているんですよ。ハフィントンポストではすべての記事にコメント欄がついていて、ユーザーさんが議論できるようになっています。できるだけ建設的に意見を交わせるよう、ユーザーさんが寄せてくれたコメントにはすべて目を通し、編集していく予定です。
メディアの場合、そのページがどれくらい閲覧されたかという「PV」や何人のユーザーが訪れたかという「UU」が、業績の達成度合いを測るKPIになっています。しかし私は今回、コメント数をKPIのひとつに設定しようと考えています。そこが右肩上がりになっていけばいいですね。
(中略)
松浦:日本のニュースサイトも、コメント欄をまったく耕していないわけじゃないんですよね。ただ、ユーザーの声を過剰に尊重する傾向があって、匿名による罵詈雑言にも手を入れず、そのまま載せてしまったりします。
けれど場が荒れていたら、やっぱり見てもらえません。たとえ小さなコミュニティでも、コメントが編集されていて、コンテンツとしての魅力を伝える努力をしていれば、人は集まってくるのではないかと。そこは恐れをなさず積極的に手を入れていきたいと思っています。
すばらしい方針ですね。いつも引き合いに出して恐縮ですが、BLOGOSは書き手に対する誹謗中傷が普通に残ってたりしますし、方針の違いが見て取れます。
コメントガイドラインが面白い
で、ハフポ内に掲載されている「コメントガイドライン」も見てみたら、こちらもよくできています。抜粋してご紹介。
・このコミュニティは、直接であれ間接であれ他人を攻撃、中傷または侮辱することは容認しません。また議論の脱線、乗っ取りまたは相手が感情的に反応するよう仕掛けることも容認しません。この種のコメントは、コミュニティから削除されます。
・多くのコメントは、事前にチェックされます。
・ユーザは、すべてのコメントについて、素晴らしいコメントを投稿したユーザの「ファン&お気に入り」(F&F)になることも、またはコメントにフラグを付けてモデレータによるレビューを依頼することもできます。
・個人・団体の安全性を脅かす行為が行われたことが判明した場合、そのコメントが削除されるだけでなく、行為者は当局に通報されることがあります。
松浦編集長も語っていますが、コメントは基本的に人力チェックされるようです。今はまだ余裕でチェックできる件数でしょうけれど、1日数万件単位になってきても、変わらずチェックを続けるのでしょうかね。
現状、コメント欄はかなり健全に盛り上がっているように見えます。「「限定正社員」 働きやすさのモデルか、安易な解雇の誘発か」なんて、かなり読み応えあります。これは今までのニュースサイトにはなかった感じ。
想像するに、まだまだアクセス数では先行プレーヤーに負けていると思われます。今後、どのように追随していくのかが楽しみですね。鍵はやはり「コメント」にあるような気がします。
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