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４回、降板する宮国（左）
＜阪神5-2巨人（6日）＞巨人にとって歴史的な日となった５・５から一夜明け、感動の余韻が残るなか始まった阪神戦。この試合もまた、連覇を目指すチームにとっては“特別の一戦”だった。
相手先発はかつて８連敗を喫した天敵・能見。打線はその左腕から初回に暴投で難なく先制点を奪うと、２回には７番に降格された長野のバックスクリーンへの６号ソロでリードを広げた。
だが先発の宮国が４回途中で同点に追いつかれＫＯされると、リリーフも打ち込まれて逆転負け。打線も２回以降は能見にたった１安打に封じ込まれてしまった。
能見に対しては「低めのフォーク、チェンジアップを振らないためにゾーンを上げて対応を」というのがベンチ指示だったが、試合後の川相ヘッドコーチは「中盤から配球がガラリと変わって、打者がそれについていけなかった」と語った。
Ｇキラーと呼ばれる投手の中でも能見は“特Ａ級”だ。ある主力野手も「能見さんの調子に関係なく、カードの初戦に来るというだけでこっちは嫌なんですよ」と話す。
それだけに巨人が能見攻略にかける熱の入れようは他のどの投手より特別だ。昨季は新加入の橋上戦略コーチが先導役を務め「見逃し三振の許可」という“禁じ手破り”を敢行し、対戦成績で３勝２敗と勝ち越した。
さらに昨季は、能見を攻略したことが別の効果も生んだ。あるコーチは「去年は早い段階で攻略できたことで、その後はウチとの対戦を避けたでしょ。あれで『阪神が降りた』となって他球団もエース級をぶつけなくなった。中盤以降が楽になったんだよ」と明かす。
つまりはこういう流れだ。シーズン序盤で能見を攻略→阪神は巨人戦に能見を登板させなくなる→他球団もＣＳ狙いに切り替えて巨人戦はエース級回避→Ｇ包囲網解除で独走モード突入、というわけだ。
しかしもくろみは外れ、今季の対能見は巨人の１勝２敗となった。これで阪神は次回も天敵左腕をぶつけてくるに違いない。“能見降ろし”の失敗は大きな痛手。巨人のＶロードは昨季以上に険しくなりそうだ。
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