６回、プロ初ホームランを放つ能見

＜阪神5-2巨人（6日）＞阪神の能見が６日の巨人戦（東京ドーム）で投打にわたって大暴れした。

　不運に見舞われた舞台で結果を残した。４月１６日の巨人戦。先発した能見は試合中に左手中指の爪が割れて、６回４失点で今季初黒星を喫した。その影響が長引き、２３日の中日戦（ナゴヤドーム）でも４回４失点でＫＯされた揚げ句に二軍に降格。この日はそれ以来のマウンドで、いわばリベンジの舞台でもあった。

　初回、いきなり１番矢野に右中間二塁打、２番寺内の左前打で一、三塁の大ピンチを招くと、フォークの制球が乱れ２つの暴投で１点を献上。さらに２回にも長野の中越えソロで追加点を与えた。

　それでも猛虎のエースは簡単にマウンドを譲らない。３回から緩急をつけて巨人打線を翻弄し、スコアボードに「０」を並べていく。味方打線も３回から毎回得点と気を吐き、５回を終えて３ー２とあっさり逆転した。

　奮闘するエースは打席でも結果を残した。１点リードで迎えた６回の第３打席。巨人２番手笠原の１４０キロの高めの直球をフルスイングすると、打球はそのまま右翼席へ一直線。「振ったら当たりました」と本人も驚きのプロ初本塁打で、チームをさらに勢いづけた。

　一軍復帰後の初登板となっただけに、和田監督は「打たれていい時と、そうでない時がある。１点や２点取られても、仕方がないぐらいの気持ちで行ってほしい」と送り出したが、投球内容はまさしく首脳陣の計算通りだった。もはや不運のアクシデントなど過去の話。猛虎不動のエースが宿敵との一戦で好投し、これから復活ロードを歩む。