２回、宮本慎也の打球に身をすくめる藤浪

　阪神のルーキー、藤浪が５日のヤクルト戦（甲子園）に先発し、７回４安打３失点で降板した。

　序盤から凡打の山を築いていた藤浪が、５回に捕まってしまった。先頭の畠山に左翼線二塁打を浴び、一死から７番森岡に右前適時打で先制を許す。続く中村には１３２キロのスライダーを左翼席に運ばれ、さらに２点を献上。チームは７回に新井貴の３ランで３―３と追いついき、この回に代打を送られお役ご免となった。

　ルーキーは「森岡さんを打ち取れなかったことに尽きる。中村さんも球種を張って、ドンピシャでいってしまったと思うけど、それよりも森岡さんを打ち取れなかったことが、本塁打につながったと思う」。１４９キロの直球を痛打された森岡との勝負で、プロの怖さを再認識した。

　春夏連覇した大阪桐蔭時代を通じ、自身が登板した甲子園で初めてチームが敗れた。自身は２敗目を免れ高校時代から１１連勝中という聖地での〝不敗神話〟はかろうじて継続したが、もちろん満足はしていない。「自分に黒星はつかなかったけど、自分がしっかり投げていれば勝っている試合。自分が負けたも同然なので、そこはしっかり反省したい」と表情を引き締めた。

　悔しさが残るマウンドにも前向きな姿勢も忘れない。「球威は後半になっても、落ちないようになって来た。球数が増えても同じボールを投げられるようにしたい」と誓った黄金右腕。次こそ完璧な投球内容で４勝目を飾ってみせる。