おめでとうミスター、ありがとうゴジラ――。元巨人監督の長嶋茂雄氏(77=現巨人軍終身名誉監督)と巨人、米大リーグ、ヤンキースなどで活躍した松井秀喜氏(38)の国民栄誉賞授与式と昨季限りで現役を退いた松井氏の引退セレモニーが5日、東京ドームで行われた。戦後日本の国民的スーパースター・長嶋氏と、ミスタープロ野球が手塩にかけて育てた松井氏の球史に残る“晴れ舞台”を日本中が祝福したに違いない。そんな2人の生き様をつづってきた松下茂典氏の緊急連載「師弟愛 長嶋茂雄と松井秀喜」も今回が最終回。これまで長嶋が松井を決してほめようとしなかった真意、そして松井が流した涙の裏にあった長嶋への思いとは――。
長嶋氏がマイクの前に立った瞬間、東京ドームに詰めかけた今季最多となる4万6707人のファンから万雷の拍手と歓声がわきあがった。球場でファンに肉声を披露するのは2004年3月に脳梗塞で倒れて以降、初めてのこと。それだけに球場内はちょっとした緊張感に包まれた。「国民栄誉賞をいただきまして、本当にありがとうございます。松井君も一緒にもらったとあって、非常にうれしく、ありがたく御礼申し上げます。ファンの皆さん、本当にありがとうございます。よろしくお願いします」。ミスターが頭を下げた瞬間、しんと静まり返ったスタンドから安堵感にも似た拍手と再び大きな歓声が上がった。
そして待望の始球式。「バッター長嶋茂雄、背番号3」の場内アナウンスと共にGのユニホームを着た姿で現れると、スタンド全体が震えるようにどよめいた。続いて背番号55、上下ユニホーム姿の松井が登場し、この日のボルテージは最高潮。原監督がミットを構え、背番号「96」の安倍晋三首相が球審を務めるなか、松井氏のボールはなんとミスターの顔付近へ。これを敢然と追いかけスイングすると場内からは笑いとともに温かい拍手に包まれた。
感動に満ちたセレモニー。その内幕が語られたのは、場所を移して行われた記者会見だった。まず2人が着用したスーツ、ネクタイ、シャツは松井氏のたっての希望で、長嶋氏に選んでもらったというお揃いのものだった。そして始球式。長嶋氏が「あの時は気持ちが高ぶりまして『さあ打ってやるぞ』という気持ちもありました。ボールが顔の辺りに来たので打てなかったですが、久しぶりにスイングしてうれしかったですね」と語ると、松井氏は恥ずかしそうに「すいません」。しかし「(長嶋氏が)打つ気を感じたので。入団以来、インハイを打たなくちゃいけないということで、常にあそこを練習させられていたので今日、同じとこに行きました」とすかさず返すと会場が爆笑に包まれた。
愛弟子・松井氏の今後について長嶋氏は「松井君の場合、野球一筋だと思います。これからの仕事ももちろん、野球道に対して精一杯やると思いますけど、まだアメリカ10年、日本は10年。まだまだ、日本人としてやるからには、やっぱり国民に対して応援するような形でやるべきだと思う。また松井君にしかできないと思うので、そういうような気持ちで野球道に集中してほしい」と語った。もちろんミスターが“その先”に期待するのは指導者への道に他ならない。ステージは変わったが、固く、そして熱い2人の師弟関係はこれからも続いていく。
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