１９７７年に７５６本塁打の世界記録を達成し初の国民栄誉賞を受賞した王貞治氏（現ソフトバンク球団会長）も、盟友・長嶋氏と松井氏の同賞Ｗ受賞に喜びを隠せない様子だった。

　過去に同賞を受賞した衣笠祥雄氏と共に授与式に出席した王氏は、超満員のファンが見守る中で行われたセレモニーに「とにかく盛り上がるだろうとは思っていたけど、ここまでとは」と驚き、「天覧試合以来の野球界の盛り上がり。野球界に生きる者としても良かったな」と感慨深げに話した。

　ＯＮコンビとして巨人、日本プロ野球を支えた盟友の国民栄誉賞受賞には「一緒にやっていた者として感無量でした」という王氏。授与式の中で長嶋氏に「とにかく、おめでとうございます」と声をかけたことを明かし「（長嶋氏は）何をしでかすか分からない人、ファンにとってはグラウンドに足を運ぶ価値のある選手だった」と懐かしそうに共に現役時代を振り返った。

　松井氏が長嶋氏と並んで立つ姿を見て、王氏は「我々の知っているのはほんの一部だったんだなと。本当に必死で野球界で生きてきたということを改めて感じた」という。巨人の可愛い後輩でもある松井氏の今後について「彼の立場になれば、次の王、松井、そういう後を追っていくような選手を何とかして育てたいというのが共通する思いだろう」といい、近い将来の〝指導者ゴジラ〟の誕生と活躍に期待した。

　巨人のＯＢ会会長も務める王氏は、同会として松井氏をバックアップしていくことを約束。そして野球人口拡大のために「お互いに心を通わせあいながら（野球の面白さなどを）子供さんに伝えていければ」と〝共闘プラン〟を提案した。