'13/5/7
性同一性障害者に共通番号 年金機構、一時ネット閲覧可
日本年金機構が、性同一性障害で性別変更した人を判別するため、昨年10月から基礎年金番号10桁のうち前半4桁に共通する固定番号の割り当てを始めていたことが7日、分かった。4桁の番号が一時インターネットで確認できる状態だった。支援団体は勤務先などに性別変更を知られる恐れがあり、プライバシーの侵害に当たると批判している。
性同一性障害学会によると、性別変更者は国内に約3千〜4千人とされる。機構は昨年10月以降に性別を変更した人に対し新番号を割り当て、元の基礎年金番号と併せて二つの番号を持つ制度へと変更した。変更前は性別変更してもそれ以前と同じ番号を利用できた。
機構は制度変更の理由について、年金支給開始時点の性別に基づいて支給額を算定していたのを改め、性別変更前後の加入状況を正確に把握することになったと説明。共通番号を割り振るのは、性別変更した人が持つ二つの年金記録を誤って一本化しないためだとしている。
一方、4桁の共通固定番号は、ネットに公開された年金相談マニュアルの注意書きに記載されていた。このマニュアルは第三者が情報公開制度に基づき入手した。
機構はことし1月、外部の指摘でネット上に固定番号が掲載されていることに気付き、ことし4月までに全国の200人弱に新番号を割り当てた。
担当者は取材に対し「情報公開請求への開示が適切でなかった面もあると反省している」と話した。新番号でも性別変更は判別できるが、詳細は明らかにしていない。