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四季物語2 韓中出身俳優100人以上の国際的劇団
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韓国ソウルのシャルロッテ劇場で昨年10月からロングランを続けていた劇団四季の「ライオンキング」が10月28日に千秋楽を迎えた。韓国出身の俳優たちによって上演され、当初は韓国ミュージカル界の一部から「日本の文化侵略」と反発を受けながらも、韓国では初の1年間ロングランを達成し22万人を動員した。興行としては赤字だったが、浅利慶太は「今後も公演を行いたい」と韓国での公演に意欲をみせた。

実は四季は韓国出身の俳優が約70人以上、中国出身は30人以上も所属する国際的な劇団でもある。毎年、北京、ソウルでオーディションを行い、その度に数を増やしている。現在、京都・京都劇場「ジーザス・クライスト=スーパースター」でマリア役に出演している高木美果も韓国生まれの俳優だ。

高木美果は芸名で、四季では韓国、中国出身の俳優には芸名として日本名を付けている。韓国では5つの姓が人口の約半分を占め、四季でも「李=イ」姓の人が15人いる。顔と名前が一致しない不利を解消し、観客に国籍による先入観を与えないための措置でもある。

高木は韓国の大学で声楽を学んでいた。小さいころに「ウエストサイド物語」を見て、ミュージカルのあこがれた。大学を卒業後、韓国内でオーディションを受けたが、回ってくる役はアンサンブルばかりだった。「韓国では主役には有名な人しか使わない。同じ力があっても、私たちにはチャンスがないんです」。

そこにはスターによる観客動員を図るスターシステムの弊害があった。そんな時、四季オーデイションを知った。03年「チャンスがほしかった」と初めて日本に渡り、合格した。

レッスンに入って間もなく、日本デビューの舞台が待っていた。「ジーザス・クライスト=スーパースター」でアンサンブルだったが、うれしかった。「韓国では自分のお金でレッスンを受けていたけれど、ここではただできちんとレッスンを受けられる。厳しくやってくれるし、私にはぴったりと思った」。

その後、「オペラ座の怪人」のアンサンブルに出演したが、いつかは「オペラー座−」のヒロイン、クリスティーヌを演じたいとの思いが募ってきた。アンサンブルとして出演した後、劇場のある汐留からあざみ野のけいこ場に1時間かけて戻り、深夜までレッスンに励んだ。「全然苦にはならなかった。レッスン場のドアを開けて、クリスティーヌの歌を歌っているときに幸せを感じました」。翌05年に念願のクリスティーヌに抜てきされた。

浅利慶太は言う。「韓国の子は素晴らしい声を持っていて、歌がいいですね。そして中国の子は身体能力がずば抜けている。レッスンでも海外から来た子が一番まじめにやっている」。

高木は「みんな私の日本語がおかしいときは優しく教えてくれる。もっと頑張るという気持ちになれるんです。韓国には四季のような劇団がないから、これからも四季でやっていたい。でも、いつかは韓国でもやれたらうれしいですね」。ソウル、北京、上海のミュージカルの舞台で四季出身の俳優が中心になる日も近いかもしれない。
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