参院環境委:野党が川口氏の解任決議案 可決の公算大
毎日新聞 2013年05月07日 21時27分
◇川口氏、首相と会談 自発的辞任を否定
民主党など野党7党は7日、川口順子参院環境委員長(自民)が国会の許可のないまま中国出張の日程を延長し、委員会が中止になったとして、川口氏の解任決議案を参院に共同提出した。野党は参院で多数を占めており、決議案が可決され解任される公算が大きい。今国会の会期末(6月26日)まで残り約50日となり、夏の参院選をにらんだ与野党の対立が強まっている。【仙石恭、高橋恵子】
決議案は民主、日本維新の会、みんななど野党7党が共同で提出した。10日にも開かれる参院本会議で、野党の賛成多数で可決される見通し。可決されれば、衆参両院を通じ、初の常任委員長解任となる。
外相経験者でもある川口氏は参院から4月23、24両日の渡航許可を得て中国を訪問。前外相の楊潔篪(よう・けつち)国務委員と25日に会談する日程が決まり、自民党が滞在延長を各党に申し入れた。しかし、野党側が応じず、川口氏は理解を得ないまま滞在を1日延ばしたため、25日に予定されていた環境委は中止となった。
野党側の解任決議案は、川口氏の行動について「委員長の職責を自ら放棄したも同然であり、断じて容認できない」と批判した。民主党の海江田万里代表も7日の記者会見で「委員会開催を放擲(ほうてき)して、中国に滞在したのは瑕疵がある」と追及した。
一方、参院自民党の脇雅史国対委員長は「渡航目的からして1日延長はありうる。許可せず解任とは乱暴だ」と強く反発した。川口氏は7日夜、首相官邸で安倍晋三首相と会談。会談後、記者団に対し「楊氏は外交方針を決める立場にある。直接の会談で国益に貢献した」と自発的な辞任を否定した。