2失点で収まったのが不思議なくらいの試合内容だった。グランパスの守備の課題は、あまりにも簡単にシュートを打たせ過ぎているところにある。
仙台に浴びたシュートは19本。遠いところからシュートを打たせるのは構わないというスタイルは、鉄壁を誇るGK楢崎と、高くて力強いDFラインを前提としているが、最近は、苦戦の要因となっている。3日の川崎戦は、ミドルシュートで決勝点を奪われ、この日も、絶対の自信を誇る空中戦で勝てず、クロスボールのヘディングから2点を奪われた。
相手も研究してくる。ゴール前で防ぐのではなく、もっと前でボールを奪う守備をしないと安定感が出ない。グランパスは人をマークするのではなく、ゾーンで守る戦術。気になるのはDFラインと中盤の間のスペースを簡単に使われてしまうことだ。ここを使われて素早い攻撃をされると、対応のしようがない。スペースを空けないようにするか、DFラインをもっと高くするように徹底しないと、同じ失敗を繰り返すだろう。 (愛知東邦大監督、元グランパスDF・藤川久孝)
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