前半、先制ゴールを許し悔しがる名古屋・GK楢崎(今泉慶太撮影)=豊田スタジアムで
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名古屋は仙台に0−2で敗れ2連敗。首位大宮が昨季王者の広島を2−1で下して7連勝、勝ち点を26に伸ばした。昨季から続くJ1無敗記録は21に伸びた。2位横浜Mは柏に1−2で敗れて勝ち点20で変わらず。鹿島が湘南を破って同19で3位、4位浦和はC大阪と引き分けた。鳥栖は大分に4−2で快勝し、大分は10戦未勝利。川崎は清水を破った。新潟と甲府、FC東京と磐田は引き分けた。
◆仙台2−0名古屋
タイムアップの笛とともに、豊田スタジアムに今年最大のブーイングが充満する。楢崎は敗軍の先頭に立って観客席に頭を下げ、足取り重くロッカールームへと歩を進めた。「ブーイング? あんな試合ですから。残念です」。ホームで完敗した責任を背負い込んだ。
歴代トップの512試合出場を記録するメモリアル・ゲームが、屈辱にまみれた。前半に元グランパス角田のヘディングであっさり先制を許すと、カウンター主体の仙台の術中にはまった。
「時間が経つにつれてチームがバラバラになった。何とかしようという気持ちはみんな持っているけど…」。後半13分には日本代表時代の戦友・柳沢に手痛い“お祝いゴール”を食らう始末。最近4試合で3敗目(1分)。順位は11位にまで沈んだ。
グランパスでは最古参の“終身主将”。37歳の守護神は、徹底した自己管理と意識の高い練習でJ屈指のGKであり続けている。遠征帰りには休日返上でクラブハウスに顔を出して体をケア。「足元の技術は以前よりうまくなっている」と驚くのは伊藤GKコーチ。今も成長し続けている。
衰え知らずの楢崎にとって、記録はあくまでも「通過点」と言う。「ただ試合に出るだけじゃなく、出て決定的な仕事をしなければならない」。2失点で敗れたこの夜、新記録を喜ぶ心境には程遠かった。
「立て直さないといけない。まとまりのある戦いをしたい」。前人未到の領域へ踏み込んだ鉄人GKは、強い口調で反攻を誓った。 (木村尚公)
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