北朝鮮の朝鮮中央通信は今月5日、国防委員会政策局報道官の発言を引用し、米海軍の空母「ニミッツ」を中心とする空母打撃群が、今月10日ごろに釜山港(韓国海軍基地)に入港するとの論評を出した。この論評の内容は、韓米両軍当局の公式発表や韓国国内のメディアによる報道がされていないものだということが分かった。このため韓国軍当局は、北朝鮮がどのようにして空母「ニミッツ」打撃群の釜山入港計画を知ったのか、経緯を把握中だという。
■北朝鮮はどのようにして知ったのか
韓国軍消息筋は6日「北朝鮮はこれまで、韓米合同演習や主要な兵器・装備の移動については、韓米両軍当局の公式発表もしくは韓国内外のメディアの報道内容を基にして、各種の声明を発表したり主張を展開したりしていた。しかし北朝鮮国防委員会政策局が5日に発表した内容は、こうした前例とは異なる極めて異例なもので、経緯を確認中」と語った。
韓国軍の関係者は「北朝鮮を刺激しないよう、空母ニミッツ打撃群の韓米合同演習参加および釜山寄港などについては、メディアに公開しない方向で話を進めていたのに、北朝鮮はどのようにして先に情報を入手し、発表したのか、当惑している」と語った。韓米両国は、今月3日から2週間の日程で大規模な合同空軍演習「マックスサンダー」を開始したが、内容は公開していない。また6日には、西海(黄海)で米軍の攻撃型原子力潜水艦などが参加する合同対潜演習を開始したが、こちらについても発表を行わないなど、メディア公開しない形で合同演習を進めている。
今月5日午後、北朝鮮メディアの報道を受けて韓国国内のメディアが、韓国軍の合同参謀本部(合参)や韓国海軍、韓米連合司令部の広報関係者などに対し確認に乗り出すと、関係者らは「われわれも知らなかったことで、確認中」と当惑している様子を見せた。