MMOは仮想現実であり、MMO作品によっては、経済がよく出来ている作品があります。巨商伝、君主onlineなどは経済を題材にしたMMOといってもいいでしょうし、MMOは多くのプレイヤーが自分の意思で経済活動を行うだけに、ゲームシステム的な土台(マーケット、市場など)さえあれば、自然とMMOの世界の中には経済ができていきます。
MMOの経済と、MMOの世界の通貨流通量は関係があり、これを知ることでMMOの経済がもっと楽しめるようになると思います。
MMOの世界の通貨流通量と予備知識
通貨流通量とは、世界に存在する通貨(お金)の量のことです。
通貨の供給元は、MMOのプレイヤーが敵を倒すことによってお金を得たり、NPCにアイテムを売ることで通貨流通量は増えます。
ただし、プレイヤー間の取引の場合、全体の通貨流通量は変わらないため、通貨は供給されません。
逆に、全体の通貨の量が減る要因としては、NPCからのアイテム購入が大きいと思われ、ほかにも死亡ペナルティなどによるお金の消失などが考えられます。
通貨流通量が増えると、インフレ(インフレーション)になるといわれています。これは通貨(お金)の価値が単純に下がるためで、物(アイテム)を購入するのにたくさんのお金が必要になるわけです。
敵がお金を落とすかどうかで、通貨流通量が大きく違う
敵を倒したときに、敵がお金を落とすMMOでは、通貨流通量が増えやすくなります。敵を倒すという行為が、通貨の供給元になっているからです。
巨商伝、君主onlineでは、敵を倒してもお金を落としません。これは敵が落とした素材(アイテム)をマーケット(市場)に流すことにより、通貨を得るというシステムにすることにすることで、市場を活性化させ、経済というものを作りやすくしているのだと考えられます。
CABALONLINEのように敵がお金をドロップするMMOでは、通貨流通量は増えやすくなります。プレイヤーの戦闘力を資本にして、通貨を稼ぎ続けられるわけですから、そのままでは通貨流通量は増加し続けてしまいます。
ですが、CABALONLINEの場合は、NPCから回復アイテムなどを購入することになるため、そこで通貨が消え、通貨流通量が増大し続けるようにはなっていないようです。
CABALのように、敵がお金を落とすMMOでは、通貨を消滅させる何らかのシステム(NPCなど)がなければ、通貨流通量が増大し、常時インフレ状態になってしまう危険性があるわけです。
もちろん、運営側としては、それを考慮に入れたゲームシステムを考えなければいけないわけです。
敵がお金を落とすかどうか、というのはMMOの経済に大きな影響を与えているということなのです。
通貨が生み出される仕組みと、通貨が消える仕組み
MMOの世界において、インフレが必ずしも悪いことだとは思いませんが、過剰なインフレはプレイに悪影響を与えます。そのためインフレが過剰にならないような、ゲームシステムにしなければいけないわけです。
通貨が生み出される仕組みの代表としては、敵のお金ドロップとNPCへのアイテム売却があります。
通貨が消える仕組みとしては、NPCからのアイテムの購入があります。
MMO作品のゲームシステムによって、ほかにも通貨流通量に影響してくる要素はあると思いますが、MMOでは「通貨の供給」と「通貨の消失」のバランスがある程度取れていないといけないわけです。
このバランスが崩れると、インフレが起きやすくなり、安定した経済がなくなるため、アイテムの価格高騰などで、MMOのプレイにも影響が及びます。
MMO内での経済は、経済に関与しないプレイヤーにも影響があるわけです。
次回では、もう少しMMOの通貨流通量と経済について考えてみたいと思います。(→MMOの経済と通貨流通量・後編)
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