雑居ビルやマンションの一室にひっそりと「店舗」を設けているレンタル携帯業者。扱う回線はNTTドコモが多く、ドコモだけという店もある。「何台でも融通してくれる」「他の電話会社は厳しい」。契約できる回線数に制限がなく、使い勝手が良いという。
東京・上野のオートロック式マンションの一室にあるレンタル店。外に看板や旗はなく、事前にインターネットで調べないと存在は分からない。部屋番号を押すと、インターホン越しに「はい」と男性の声。店名は口にしなかった。
鍵を開けて出迎えた男性にどんな機種があるかを聞くと、ソフトバンクはなく、KDDIの「au」もごく一部だという。ドコモは全機種があり、「何百台でも融通してくれるから他は必要ない」と続けた。
大阪の繁華街にある店もauとソフトバンクは扱っておらず、「ドコモはお金さえ払えば回線を増やしてくれるけど、他は厳しい」と話した。
「4月だけでキャンペーンが2回あり、計250台以上契約した」。東京の別の店によると、ドコモの法人担当から時々、キャンペーンの連絡が入り、売れない機種は0円で入手できる。
店は、識別情報が記録され通話に必要なSIMカードを抜き取り、端末を1台3000円ほどで転売。差額として計数十万円を得た。SIMカードだけのレンタル需要は多く、電話会社も契約が増えるため、双方にうまみがあるという。
[時事通信社]
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