元裁判員ストレス障害:福島地検、遺体写真提示「必要」
毎日新聞 2013年04月19日 東京朝刊
強盗殺人罪などに問われた被告に死刑を言い渡した今年3月の福島地裁郡山支部の裁判員裁判の裁判員だった60歳代の女性が、「急性ストレス障害(ASD)」と診断された問題で、福島地検の渡辺ゆり次席検事は18日、報道各社の取材に応じ、裁判員らに遺体のカラー写真などを提示したことについて「検察官は(被告に)適正な刑罰を与えるのが職責。事実を伝えるために必要だった」と語り、証拠開示に問題はなかったとの見解を示した。
渡辺次席検事は「裁判員の負担を考え、必要最低限の証拠を出し、事前に告知していた」と強調。今回の裁判の進め方を内部検証するかについては「答えられない」と述べるにとどめた。
検察は初公判で、裁判員らに対し、被害者2人が頭や首に受けた刺し傷計24カ所すべてのカラー写真をモニターに映し出すなどした。【三村泰揮】