ストレス障害:元裁判員、食欲失い幻覚も 福島・死刑判決
毎日新聞 2013年04月18日 02時30分(最終更新 04月18日 02時42分)
自力で何とかするしかないと女性は3月22日、自宅近くの総合病院を受診。心療内科の医師は「ASDで1カ月の休養が必要だ」と診断。心的外傷後ストレス障害(PTSD)への進行を懸念し、薬物療法を決めた。職場は常に人手不足で「休めない」。薬物の副作用が出たら責任ある仕事ができないと、服用をためらう時がある。
夫は「過料を払っても裁判員を拒否させるべきだった」と悔やむ。「死刑しかないと思っても『思う』のと『決める』のとは別。一般人の裁判員は、たった一度の裁判で一生苦しみ続ける」
女性は自らを責めるように問う。「私は特別に弱い人間なのでしょうか。心を病んでしまった裁判員は他にいないのでしょうか」
【ことば】裁判員裁判の対象事件
(1)最高刑が死刑や無期懲役・禁錮にあたる罪(2)故意の犯罪行為で被害者を死亡させた罪−−が対象で、殺人、強盗致死傷、傷害致死、危険運転致死などの重大事件が該当する。裁判員裁判では3月末までに17被告に死刑判決が言い渡された。