英ネイチャー誌:生命科学論文の掲載審査強化へ
毎日新聞 2013年04月27日 19時52分(最終更新 04月27日 20時08分)
英科学誌ネイチャーは27日までに、生命科学の論文掲載の審査体制を5月から強化することを明らかにした。信頼性に疑問がある論文が世界的に増えているため、対策が必要と判断した。チェックリストを作り、図やグラフの元データについても著者に詳しい説明を求めるなど、厳しく審査するという。
同誌によると、昨年1〜5月に、ある生命科学に関する論文のデータベースから取り下げられた論文2047件を調べたところ、約4割に不正行為かその疑いがあった。
今後は、研究に使われた試薬の特性など、実験方法について著者に詳細な説明を求めるほか、実験データの統計的な処理や手法などについても確かめる。
論文の信頼性を巡っては、国内でも京都府立医大の松原弘明元教授(56)が関与した01〜11年の14論文で、計52カ所の不正があり、うち5本の不正論文を臨床試験申請時の研究実績として示していたことなどが判明している。【斎藤有香】