五回無死一塁で笠原のバントした打球を処理して二塁封殺【拡大】
帰ってきた大黒柱に、和田監督も「きょうは能見に尽きる。投げて打ってよし。エースらしい投球をしてくれた。もともと打撃がいい選手。まさかの当たりでした」と最敬礼だ。
本塁打は「高校2年以来」だが、鳥取城北高時を知る石川晴久元監督(45)は「打撃もですが、何をやらせても身のこなしが違った」と述懐する。体育の授業のバレーボールでも、バスケでも大暴れ。打撃も当時から大好きだったが、それが原因で4月16日の巨人戦(東京D)でアクシデントに襲われた。
投ゴロを打ったときに左手中指の爪が割れた。抹消直前の4月23日の中日戦(ナゴヤD)では、普段はマウンドに上がった際に、まったく使わないロージンバッグを何度も触った。中西投手コーチは「ロージンで、浮いてきた爪と指の隙間を埋めようとしていた。今年は投げ込みも少なかった。爪も、肩ひじと同じでキャンプからの積み上げで作っていくものだから」と思いやっていた。そんなピンチを2週間でクリアし、恐れぬ強振ですべてを吹き飛ばした。
「爪が割れてチームに迷惑をかけているので、その分しっかり頑張りたいと思います!」
最後はマイクに向かい高らかに宣言。これで4・5差。宿敵を直接叩き、さらに接近する-。完全復活したGキラーが模範を示した夜となった。(長友 孝輔)
(紙面から)