カーズ


「残るはこのカーズ独りか…だが、頂点に立つ者は常にひとり!」

荒木飛呂彦の漫画『ジョジョの奇妙な冒険』第二部「戦闘潮流」の登場人物で、同編のラスボス
吸血鬼を超える究極の生命体「柱の男」達のリーダー格に当たる。アニメでの担当声優は 井上カーズ彦 井上和彦

人類が生まれる遥か以前から地球上に存在した「闇の一族」の一人で、太陽の光に弱い自分達の弱点を克服するために石仮面を創りだした天才。
しかし元々、地球の生態系を破壊しないようにひっそりと暮らしてきた闇の一族にとって
カーズの求める究極生命体は地球の生命を喰い尽しかねない危険な存在だと判断されてしまい
一族から排除されかかるも、逆に一族を(生みの親まで)皆殺しにする。
その後ただ一人カーズの味方についたエシディシと何も知らない赤子の頃のワムウとサンタナを連れ、
石仮面を完全に作動させるための「エイジャの赤石」その中でも一点の曇りもない「スーパーエイジャ」を求め世界を渡り歩く。
2千年前に「スーパーエイジャ」がローマにあることを突き止め、ローマに向かうも波紋の戦士達の妨害にあい
波紋の戦士を全滅させるも休眠期に差し掛かった為にスーパーエイジャを手にすること叶わずそのままローマの地下で眠りに就いた。
この休眠期は柱のような石の状態に成って眠りにつかなければならないようで、そのことから柱の男と呼ばれている。
20世紀初頭、眠っている所をナチスに発掘されるも、柱の男の一人ワムウがナチスを殺害、長い眠りから呼び起こされる。
そしてリサリサの持つ赤石を巡りジョセフシーザー、ナチスドイツとの争奪戦を繰り広げることになる。

前述の通り、石仮面は柱の男の潜在能力を完全に引き出すにはパワーが足りない失敗作であったが、人間に用いる事で人間をより強力な生命である吸血鬼に変貌させる事ができる。
この吸血鬼となった生命は普通の生命よりもエネルギーが多く、カーズ達は石仮面で人間を吸血鬼に変えてそれを喰う事を好んでいる。
つまり、第一部のラスボスであったDIOも柱の男達にとってはただの食料、人間にとってのパンの類にしかすぎないという事実が読者に与えた衝撃は計り知れない。


性格は敵対者には全く容赦が無い。前述のとおり、先に向こうから殺しにかかってきたとは言え
生みの親を含む一族全てを殺害して全く後悔の様子が無く、別種族である人類の命は当然それ以上になんとも思っていない。
しかし真意は不明だが、車に轢かれそうになった犬を助ける、落下地点にあった花を踏まないため崖を殴り
わざわざピンボールのように跳ねまわって着地するなどの行為も時に見せる。
正々堂々を謳いながら勝てばよかろうなのだァァァァッ!」 とリサリサを騙し討ちしたり人質にしたリサリサをウィンウィンしたり
等々、目的のためならば手段を選ばないが、ワムウが目の前で死闘を繰り広げているのを物凄くハラハラしながら見守っていたり、
ワムウとエシディシの仇とジョセフを狙う等意外と仲間思いの面もあるようだ*1 ハブられたサンタナは泣いていい*2

能力は体組織を硬質化し刃とした「輝彩滑刀」と呼ばれる「光の流法(モード)」を使う。
この光は刃の表面を無数の突起がチェーンソーのごとく動くことで光が乱反射することで発せられる光で、
その切れ味はあらゆるものを両断する。基本的には両腕から出すが、足から出したこともある。
また重機関銃の乱射すら切り裂くほど素早い動きもできる*3
が、風の流法の応用力が高い事もあり、純粋な戦闘力で言えばワムウの方が上である(ワムウは決してそれを主張しないだろうが)。
事実カーズ自身がそれを認めており、「戦士」としてのワムウの実力をこれ以上なく評価し信頼している。
では柱の男達のリーダーとして力不足かと言えばそうではなく、ジョセフの数倍の波紋の実力者であるリサリサを
騙し討ちによりあっさりと戦闘不能にせしめ、返す刀でジョセフを後一歩の所まで追いつめている。
カーズの真の恐ろしさは能力よりもその知能と油断の無さ、狡猾さと言えよう。
とはいえ上記の通り、方法は不明だが少なくともサンタナ級に不死身の生物をたった一人(もしくは二人)で絶滅させているあたり、
素の戦闘能力も決して低くないと思われる。

最終的に赤石を手にし、ナチスに紫外線照射装置の光を浴びせられたところで
赤石を嵌めた石仮面を被ってそれを受け、ついに「究極の生命体(アルティメットシーイング)カーズ」となる。
+  究極の生命体、ネタバレ注意


MUGENにおけるカーズ

有始以来最強の変態氏によるヴァニラ・アイスを改変した究極生命体カーズが公開されている。
常時ハイパーアーマーで、輝彩滑刀を使ったコマンド技は原作通り全てガード不能。
さらにはカーズ版 思い出パンチ までも実装されており、原作どおりジョセフには及びも付かない超威力を誇る。
ランクとしては凶上位から狂下位くらいとのこと。
ただ大ダメージ等でスイッチが入り性能が変わる。神キャラ御用達の技を使われると論外化も。
究極の生物は死なないということで即死耐性は神キャラ級となっている。

また、JJJ氏による改変版が語るスレロダに上げられている。
こちらは本家と比べ性能がかなり抑え目に調整されている他
各種演出や技の面でも本家との差別化が図られている模様。

出場大会

  • 「[大会] [カーズ]」をタグに含むページは1つもありません。


*1
エシディシの死後、リサリサの島から発送された赤石を奪取に向かった雪山では
「エシディシが死を賭して郵送してくれたのだ!」「断じてエシディシの意思を無駄にするわけにはいかぬ!!」と
ジョセフとシュトロハイムの前で言っている。
またワムウが死んだ時も、かつてワムウに若い波紋戦士の子を殺すよう命じたが
「し…しかしカーズ様 お言葉ですが相手は少年でございまする」と手を下せないワムウに
「だからなおさら殺さねばならぬ」「人間はあっという間に成長する」と自らの手で殺害して見せた出来事の追憶にふける描写がある。
ついに目的を遂げ究極生命体となった後にも、他の者はもうどうでもいいとしながら
「だが貴様だけは『けじめ』だ!ワムウやエシディシの復讐でありこのカーズの新しい誕生祝いッ!」とジョセフだけは殺そうとした。

ただし、リサリサとの決闘前の「彼ら(エシディシ、ワムウ)の『死』と『誇り高き戦い』への思いはつらぬきとおす必要がある!」という言葉は
完全に騙まし討ちの為の嘘であった。
一応、前述のワムウの追憶の場面でカーズは「戦闘者としてあまりにも純粋すぎ」とワムウを評しており、戦いへの考え方の違いがあるのは
分かっていたが、ここまでの完全に卑怯と言えるレベルの行動に出たことは読者にとってかなり意外かつ唐突で、
後に「仲間意識まで全て芝居だったんじゃないのか」「いや卑怯な奴だが仲間意識はあっただろう」などといった読者間の議論の種になった。

*2
サンタナに対しては「番犬や奴隷のような存在」としか見ておらず、ワムウから敗北したらしいと聞いても「ほうっておいてよい」とはっきり言い放った。
また理由は不明だがサンタナだけローマから遠く離れたメキシコで眠っており、三人の様には行動を共にしていなかったらしい。
そもそもカーズ達はサンタナのことを「ヤツ」としか呼んでおらず、固有名詞ではなく代名詞でしか呼ばれない程度の扱いだったようだ。
(原作の吹き出し中の表記がカタカナで「ヤツ」なので、人称代名詞の「奴」という意味ではなく本名が「ヤツ」なのかもしれないが。
 本来「サンタナ」という名前はシュトロハイムが勝手に付けただけだし)

*3
ちなみにその時の動きを科学的に考察するとこうなる。

……まあほら、アニメだからね。

*4
この記述だけ抜き出すと余計ネタっぽく見えるが、作中では
「下等な生命ほど個体の出産数が多いのは死の危険が高いからであり、究極の生物は死なないので繁殖の必要など全くないから」
と、ちゃんとした理由が述べられている。 断じてヤりたいけどできないって話ではないぞ!
まあそもそも同族はカーズが滅ぼしてしまったのだし、繁殖のしようはないと思われるが。
仮にDIOのように人間(あるいは吸血鬼)と通じて子孫を残すことができるとしても、自分の子供殺される可能性があることを考えると
結局は「必要ない」という結論になるだろう。

このやたら細かい図説だが、アニメ版でもしっかり再現されている。さすがにナレーションは解説せず、文字だけの説明だったが。
余談だが、アニメ放映中に担当声優の井上和彦氏が離婚していた(離婚自体はアニメ放映開始より前)というニュースが報じられており、
各所で中の人についてもこの記述がネタにされたのは言うまでもない。