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速読なんてウンコです—イケダハヤト流・速読術と、ぼくが速読を続ける理由

2013/05/06


オンライン書店の店長という仕事柄もあり、人より多く本は読んでいます。月間でいうと100冊は読んでいます。多い日だと一日10冊読んでしまう日も。なぜこんなに読めるかというと、速読をしているからです。軽い本だと、5分もあれば読み終えることができます。


速読=飛ばし読み

速読っていうとすごい感じがしますが、要するに「飛ばし読み」です。なので全然偉くもすごくもありません。むしろ、読み手としては不誠実かつ、恥ずべき態度だとすら思います(なぜそれでも速読=飛ばし読みを続けるのかは、後述します)。

とはいえ、たくさんの本に触れることは、それはそれで価値があります。ぼくと同じように、何らかの事情で大量の本に触れたい方向けに、速読=飛ばし読みのコツを書いてみたいと思います。


「知っている部分」は飛ばす

特定分野の本を集中的に読んでいると、「すでに知っている部分」が当然ながら出てきます。速読のコツは、いかにこの「すでに知っている部分」を増やし、飛ばして読むかという点にあります。

たとえば行動経済学関連の入門的な本を読んでいると、実験の事例が他の本をかぶっていることはよくあります。企業研究を扱った本の場合にも、個別の事例やエピソードは重複しがちです。ぼくの場合は、自分の専門領域である「ソーシャルメディア」関連の本だと、本の大半が「すでに知っていること」だったりもします。

大量の本を読めば読むだけ、同じジャンルの本を集中的に読めば読むだけ、「あぁ、これは知っているぞ」という瞬間が増えていきます。そんなときは、思い切って飛ばしてしまいましょう。


「わからない部分」は飛ばす

本を読んでいると「うーん…この本むずかしいぞ…意味が全然わからん」ということがあります。ぼくはこうした「わからない部分」は意識的に飛ばすようにしています。

たとえば、名著「なめらかな社会とその敵」は、論考のかなりの部分が、数理的な証明に費やされています。

正直、ぼくにはあの数式の意味や妥当性はわかりません。本気で理解しようとしたら、1,000時間以上、数学に関する勉強を追加で行わないといけない香りがします。その余裕も、必要性もないので、ぼくは勇気をもって数式に関する箇所は飛ばし読みしました。

「わからない」のは自分の未熟さの証です。その瞬間に理解しようと努力することもすばらしいですが、得てしてその努力は実らないものです。「なんかこの本むずかしいなぁ…」と思った時は、ひとまず読み飛ばしましょう。そして、経験を積み、知識を磨き、再挑戦しましょう。


小説は速読できない

以上、大きくわければ「あぁ、これは知っているぞ」「うーん、わからない…」という瞬間は、速読=読み飛ばしのチャンスです。これを意識すれば、月間100冊は全然不可能ではありません。

また、この手法を取る以上、小説は速読できません。

オリジナルなストーリーを紡ぐ小説には「あぁ、これは知っているぞ」という瞬間はほとんど訪れません。また、小説には形式上、比較的わかりやすいものが多いので「言ってる意味がぜんぜんわからん…」ということも滅多にありません。ゆえに、小説は飛ばし読みするタイミングがほとんどなく、結果的に速読はむずかしくなります。

小説は速読ではなく、むしろスローリーディングをするべきです。ストーリーに没入するのは、とっても贅沢な時間です。ぼくの目下の悩みは、小説をゆっくり読む時間が確保できないことです…。


それでもぼくが速読を続ける理由

速読は不誠実で傲慢で、恥ずべき読書法です。ぼく自身も本を書いていますが、読者にこんな読まれ方をしたらちょっと嫌だなぁ、と思ったりもします笑

が、ぼくはそれでも速読を続けます。

その理由は2つありまして、ひとつは「隠れた名作を掘り当てるため」。優れた本というものは、一般に「これは名作だ!」と呼ばれているベストセラー作品だけでなく、世間一般では有名ではないけれど、今の自分にとって間違いなく役に立つ「隠れた名作」が存在します。

ぼくにとってその一冊は、たとえば「途上国の人々との話し方―国際協力メタファシリテーションの手法」。国際協力分野のマニアックな本ですが、コミュニケーションスタイルについて、非常に重要な示唆をいただけました(目から鱗の対話術!「事実」を訊けば、真実は明らかになる)。

こうした「隠れた名作」に出会うためには、やはり大量の本に触れる必要が出てきます。「隠れ」ている以上、人に聞いても的確なレコメンドが得られるとはかぎりませんので。


もうひとつは、ちょっと大げさですが「世界と自分を理解するため」

本に触れることは、世界を知ることそのものです。本は、「あぁ、世の中にはこんな考え方があるのか!」「こんな世界が広がってるのか!」という知的興奮をもたらします。

そうした知識は、ぼくのような創作活動を行う人間にとっては、自分の作品の幅を広げるために必須のものです。たくさんの本を読めば、それだけたくさんの世界を知ることができます。


読書は同時に、自分と向き合うことでもあります。知らないこと、知っていること、感動すること、違和感を覚えること…読書を通してさまざまな知的刺激を得ることで、自分の「現在地」「成長度合い」を知ることができます。これもまた、読書がもたらす大きな効用です。


★この記事を読んだ人にはこの本がおすすめ。

関連本は佐藤優さんの速読術本。月間500冊というから驚き…。生活のタイムスケジュールも掲載されているのですが、これがハンパなくて笑えます。3時間睡眠!

5時 起床
5時〜5時半 入浴、朝食
5時半〜13時 原稿執筆
13時〜13時半 昼食
13時半〜19時 読書、原稿執筆(途中、約1時間散歩)
19時〜21時 食事と休憩
21時〜24時 原稿執筆、ノート作り、語学学習
24〜26時 読書


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