BackupStreet >> 各種ツール >> 「DVDFab HD Decrypter」の使い方

2012年10月1日以降、日本国内で「DVDFab HD Decrypter」を用いて「技術的保護手段」が施されたDVD・Blu-rayのコンテンツをHDD等の記憶媒体へコピーする行為は違法となります。日本国に在住の方は法令違反を避けるため、後述する運用方法を参考に「技術的保護手段」が施されていないディスクを対象に使用するようにしてください。

■ フリーの高性能DVD/BDリッパー「DVDFab HD Decrypter」

DVDFab Decrypter 9.x.x.xDVDFab HD Decrypter」は2013年4月現在も開発が続くフリーのDVD・Blu-rayリッパーです。

DVDだけでなくBlu-rayのリッピングにも対応している点が「DVD Decrypter」と異なっており、後でメディアに書き込む際に便利なISOイメージ形式での読み込みにも対応しています。

「DVDFab HD Decrypter」は「技術的保護手段」の施されていないDVD・Blu-rayだけでなく、「DVD Decrypter」の開発終了後に登場した「RipGuard」、「ARccOS」、「Fake VTS」といったプロテクトのかけられたDVD、「AACS」や「BD+」といったプロテクトのかけられたBlu-rayのリッピングにも対応しています。(原則、日本国外向けの機能です)

Blu-ray のプロテクトは常にバージョンアップ(2012年10月現在、市販のタイトルで確認されている 「AACS MKB」の最新版はv31、「BD+」の最新版はgeneration 13)されていく特徴があり、フリーの 「DVDFab HD Decrypter」 が最新バージョンのプロテクトに対応するのは、有料の「DVDFab Blu-ray Copy」が対応した1〜2ヶ月後 とされています。

裏を返せばフリーの 「DVDFab HD Decrypter」 は、最新バージョン以外のプロテクトのかけられた Blu-ray ならたいていリッピングできるわけで、実際、ほとんどすべてのBlu-rayは、フリーの 「DVDFab HD Decrypter」 でリッピング可能な状況となっています。

また、「DVDFab HD Decrypter」 は v8.1.7.3 より、地デジを録画した BD-R / BD-R DL のリッピングにも対応しました。(v8.1.7.8 まではBD-REに録画した地デジ番組の読み込みができない問題がありましたが、v8.1.8.5 よりBD-REの読み込みもできるようになっています。また、v8.2.1.5 まではMain Movieモードでしか読み込めない問題がありましたが、v8.2.1.8 よりFull Discモードでの読み込みにも対応しました。)

「DVDFab HD Decrypter」 は、バージョン 5.x.x.x から 「DVDFab」 というツールに統合された形で配布されていますが、すべてのDVD・Blu-ray(Blu-rayに関しては最新バージョンのプロテクトがかけられたものを除く)のリッピング機能は無料で使うことができます。

冒頭で述べた通り、2012年10月1日以降、日本国内では私的複製の過程でDVDやBDの技術的保護手段を回避することが禁止されているため、日本国在住の方はDVDやBlu-rayをコピーする際に次のような運用をする必要があります。

» 上述したようなプロテクト・アクセスコントロールがかけられたDVD・BDのリッピングは日本国内では違法となりますのでご注意ください。

» この記事では、2013年4月29日現在の最新版 「DVDFab HD Decrypter 9.0.3.8」 をもとに説明しています。

» v8.1.3.6 より Mac OS X に対応 (DVDFab HD Decrypter for Mac) しています。使用方法は Windows 版とまったく一緒です。この記事では、Windows 版をもとに説明していきます。

» 「DVDFab HD Decrypter」 は、バージョン 9.x.x.x からユーザーインターフェースが大きく変更されました。2013年4月23日まではv8とv9の両方が開発され、v8がメインのバージョンとして提供されていましたが、v9.0.3.6のリリースをもってv9がメインのバージョンとなりました。この記事ではv9をもとに説明をしていきます。

» シェアウェアながら3週間無料で使える「AnyDVD HD」は、「DVDFab HD Decrypter」にはない再生支援機能を備えたDVD・BDリッパーで、こちらもおすすめです!



▼ 「DVDFab HD Decrypter」 のダウンロード&インストール

DVDFab HD Decrypter 本体のダウンロード 「DVDFab HD Decryptrer」の最新版 を、右の公式サイトからダウンロードしましょう。

ダウンロード」と書かれたリンクをクリックして、ファイルを適当なフォルダに保存してください。

公式サイトの掲示板では 「ベータ版」 のダウンロードも可能です。最新の機能をいち早く試せるメリットがありますが、まだ動作が不安定なので予期せぬ不具合が発生する可能性があり、使用の際は注意が必要です。(DVDFab HD Decrypter(ベータ版)のダウンロードはこちら

「Internet Explorer」 の場合、ファイルのダウンロードがブロックされてしまうことがありますが、そのような場合は、画面上部のエラーメッセージをクリックし、 「ファイルのダウンロード」 を選択してやることで、ダウンロードを再開することができます。

ダウンロードした 「DVDFab9xxxQt.exe」 なるファイルを開くと、インストーラーが立ち上がるので、指示に従ってインストール作業を進めていきましょう。


▼ 「DVDFab HD Decrypter」 の初期設定の方法

設定画面を開くDVDFab HD Decrypter」 を使う前に、初期設定を済ませておきましょう!

上のように、画面右上のアイコンをクリックすると、下のような設定画面が開きます。

言語を英語に変更する
まずは言語を英語に変更します。
通常」 → 「言語」 → 「English (United States)」 と選択していってください。

「DVDFab HD Decrypter」 の日本語訳はバージョン 6.0.1.0 以前はひどくて使いものにならなかったのですが、現在はかなり改善されてきています。

もちろん日本語のままお使いいただいて問題ないのですが、バージョンが変わるたびに日本語のテキストが大きく変更される傾向がありますので、この記事では英語版をもとに説明をさせていただきます。。。

言語が英語に変わったら上端に注目してください。

General」、「Drives」、「DVD」、「Blu-ray」、「Streams」、「Conversion」 なる項目の下にそれぞれ設定項目があるのが確認できると思います。

それではまず、「General」の項目を選択してみてください。

General の設定
ここでは上の図のように、ファイルの出力先と、作業用フォルダを指定します。

Output Directory」 ではファイルの出力先を、「Temporary Directory」 では、「DVDFab HD Decrypter」 が作業中に一時的にファイルを整理するのに使用する作業用フォルダを、それぞれ設定してやりましょう!

Add AutoPlay handler(Optionally, start DVDFab when DVD inserted)」 はチェックを入れておくと、DVDやBDをドライブにマウントした瞬間にいきなり 「DVDFab HD Decrypter」 が立ち上がるようになる設定項目です。(この時、DVD再生ソフトなど、他のソフトを選択することはできません。)これは非常に煩わしいため、チェックを外しておいてください。

Allow running multiple instances of DVDFab(DVDFab を複数起動できるようにする) はチェックを入れておくことで 「DVDFab HD Decrypter」 のウィンドウを複数立ち上げることができるようになります。DVD(または Blu-ray)ドライブを複数お持ちで、同時に複数枚のDVDのリッピングをすることがあるならばチェックを入れておいてください!


Output Directory の設定
次に、「Output Directory」の行の「Settings」ボタンをクリックし、新しく出現したウィンドウ内にある「Create files in subfolders of output directory」 についているチェックを外してください。

General」 の設定には、「Output Directory」・「Temporary Directory」それぞれの行の「Settings」ボタンで開くウィンドウも含めると、全部で12のチェックボックスと1つのボタン、3つのドロップダウンリストがあり、いまチェックを外した 「Add AutoPlay handler(Optionally, start DVDFab when DVD inserted)」、「Create files in subfolders of output directory」、「Allow upgrading to Beta version」、「Show the option selection window」、「Move program icon to systray when minimizing the main interface」 以外の項目については、基本的にすべてチェックを入れておくことをおすすめします。

個々の設定項目の意味合いはだいたい以下の通りです。。。

---- 「Allow upgrading to Beta version」 ----
チェックを入れておくと、新しくベータ版がリリースされた際にもアップグレードが実施されるようになります。ベータ版は新しい機能が試せるメリットがある反面、動作が不安定な恐れもあるため、通常はチェックを外しておくことをおすすめします。

---- 「Shut down the main interface」 ----
「DVDFab HD Decrypter」のメインウィンドウを閉じた際に、プログラムを終了する (= Exit program) のか、終了せずにシステムトレイ内に最小化する (= Minimize to systray) のかを選択できます。ここはあなたのお好みで設定してください。

---- 「CPU cores running for DVDFab」 ----
大きな値を選択するほど処理が高速化します。選択できる値は、あなたがお使いのCPUのコア数 (intel製ならHyper-Threadingに対応しているか否かも関係) によります。

---- 「Show the option selection window」 ----
Option Selection Window
チェックを入れておくと、「DVDFab HD Decrypter」を起動した際に上のようなウィンドウが表示され、使用したい機能をダイレクトに呼び出すことができるようになります。ここはあなたのお好みで設定するようにしてください。

-- 「Move program icon to systray when minimizing the main interface」--
チェックを入れておくと、ウィンドウを最小化した際に画面右下のシステムトレイ内に収納されるようになります。この設定はあなたのお好みで。。。

--「Add AutoPlay handler(Optionally, start DVDFab when DVD inserted)」--
チェックを入れておくと、DVDやBDを挿入した直後にこちらの許可なく「DVDFab HD Decrypter」が起動するようになります。

---- 「Allow running multiple instances of DVDFab」 ----
多重起動の例
チェックを入れておくと、上のように「DVDFab HD Decrypter」のプロセスを複数同時に起動することができるようになります。複数台のDVD/BDドライブを使って、同時に複数のDVDやBlu-ray Discのリッピングができるようになるので大変便利です。

---- 「Prevent standby/hibernation/screensaver when processing」 ----
チェックを入れておくと、作業中にスクリーンセーバーが起動したり、スリープ状態(XPだとスタンバイ状態)になるのを防いでくれます。

---- 「Check for on-the-fly decrypter automatically」 ----

チェックを入れておくと、AnyDVD HD や DVD43 といった競合するDVDリッパーが起動している場合に警告を発してくれるオプションです。「DVDFab HD Decrypter」を使用する場合は、他の種類のDVDリッパーを起動しないようにすることをおすすめします。

---- 「Check for DMA automatically」 ----
メモリー・DVDドライブ間のデータ転送を高速化する Direct Memory Access が有効になっているかを起動時にチェックしてくれるオプションです。当然ONにセット!

---- 「Reset DMA」ボタン ----

DVDドライブの読み込み速度が、本来出るはずのスピードと比較して圧倒的に遅い場合、DMAが無効になっている可能性が考えられます。DMAを有効にすると、CPUを介さずにメモリーとDVDドライブ間で直接データの転送を行うことができるようになります。これによって作業のスピードはUPしますし、CPUの負荷も小さくすることができて一石二鳥です。

Reset DMA」ボタンをクリックすると、簡単にDMAを有効にすることができるので一度は実行しておいた方が良いでしょう。。。

その際、上のように 「DMAを有効にするために再起動する必要があります。今すぐ再起動しますか?」 というウィンドウが立ち上がりますので、再起動の準備を整えてから 「Yes」 をクリックしてください。

---- 「Create files in subfolders of output directory」 ----
(「Output Directory」の「Settings」ボタンから呼び出し)
チェックを外しておくと、先程ファイルの出力先に指定したフォルダ内に自動的に新しいフォルダが作成されて(フォルダ名はリッピングするDVDのボリュームラベル)リッピングしたファイルを保存できるので便利です。

---- 「Ask before overwritting the same file」 ----
(「Output Directory」の「Settings」ボタンから呼び出し)
これからリッピングするファイルの名前が、すでにフォルダ内に存在するファイル名と重複するような場合に、ほんとうに上書きしてもいいのか警告を発してくれるオプションです。

---- 「Open output directory when done」 ----
(「Output Directory」の「Settings」ボタンから呼び出し)
チェックを入れておくと、作業完了時にファイルの出力先フォルダが自動的に開くようになります。

---- 「Delete temporary files when done」 ----
(「Temporary Directory」の「Settings」ボタンから呼び出し)
一時的に作成したファイルを、作業終了時に自動的に削除してくれます。


A/V Codec の設定
A/V Codec」 では、Main Movie モード でプレビュー画面を確認する際にビデオカードの再生支援機能を有効にして、パソコンの動作が重くなるのを防ぐ設定ができます。

また、「DVDFab HD Decrypter」 とは直接関係ありませんが、「DVDFab DVD Ripper」、「DVDFab Blu-ray Ripper」 などで、DVDやBlu-ray Discから直接AVIファイル、iPhone・iPod・PSP用動画を作成する際、ビデオカードのハードウェアエンコードを有効にして作業を高速化する設定もできます。

画面下部の「Codec Information」 欄を確認して、あなたのビデオカードが 「CUDA」・「AMD APP」 のどちらかに対応しているか確認してください。

「CUDA」・「AMD APP」 どちらかに対応しているようなら、「Disable all GPU codecs for decoding and encoding」 についているチェックを外し、「Video Decoder」欄・「Video Encoder」欄をそれぞれ対応している方に設定してください。

ここで、ビデオカードが「CUDA」・「AMD APP」 どちらにも対応していなくても、intel製のCPU(2011年以降に発売された、Sandy Bridge 以降のアーキテクチャのもの)をお使いの場合、「Quick Sync Video」に対応していることがあります。その場合は、「Disable all GPU codecs for decoding and encoding」 についているチェックを外し、「Video Decoder」欄・「Video Encoder」欄をそれぞれ「Intel Quick Sync」に設定してください。

上記のいずれにも対応していない場合は、「Disable all GPU codecs for decoding and encoding」 にチェックを入れ、すべての項目を 「Software」 に設定してください。

最後に、「Enable Lightning-Recording when applicable」 にチェックを入れます。

チェックを入れることで、Blu-ray Discのトランスコーディング(片面2層式のBlu-ray Disc(50GB)を片面1層式のBlu-ray Disc(25GB)に収まるサイズに圧縮する作業)の際の処理速度を20〜30%程度高速化することができます。(このBlu-ray Disc圧縮機能は有料の機能ですが、30日間は無料でお試しができます。)

ちなみにこのBlu-ray Discのトランスコーディングは無料でやることもできます!
DVDに 「DVD Shrink」 があるように、Blu-ray Discには 「BD Rebuilder」 というツールがあり、片面2層式のBlu-ray Discを片面1層式のサイズに収まるようサイズダウンさせることができます。
「BD Rebuilder」 の詳しい使い方はこちら


Preview の設定
Preview」 で 「DirectShow」 オプションを選択し、「Enable DXVA Acceleration」 にチェックを入れておくと、お使いのビデオカードの動画再生支援機能が有効になります。

これにより、Main Movie モード でプレビュー画面をチェックする際にCPUの負荷を低く抑えることができるようになります。(チェックを入れる際は、お使いのビデオカードが 「DirectX Video Acceleration」 というものをサポートしているかどうか確認するようにしてください。)


Diagnosis の設定
Diagnosis」 の設定では、上のように 「Run report program when DVDFab crashes」 についているチェックを外します。

また、「DVDFab HD Decrypter」 動作時のログを保存するフォルダを必要に応じて変更するようにしてください。


続いて、「Read」の設定です。

Read の設定
ここは特に変更する必要はありませんが、「Enable read-ahead cache」 にチェックが入っているかどうかを確認してください。

この項目は、先読みキャッシュという機能を有効にするオプションです。DVDドライブから、データをあらかじめハードディスクやメモリー上に読み込んでおき、これを作業に使用することで、DVDドライブにアクセスする回数を減らし、ドライブの寿命を長くすることができるようです。。。

また上の方には、「Reading Error Control」と書かれた項目がありますが、通常は、「Ask retry/ignore/abort when reading error(リードエラーがあった際に、再試行・無視・中断のどれを実行するか尋ねる)を選択しておきましょう。

あまりにリードエラーの多いDVDにあたってしまって、ダメもとでリッピングにチャレンジするような場合に、下にある「Ignore all reading errors automatically」を選んでやると良いでしょう。

一番下の 「Do not eject source disc when finished copying」 にチェックを入れておくと、リッピング終了時にディスクが勝手にアンマウントされる(トレイから排出される)のを防ぐことができます。


次に、DVD およびBlu-ray Discのプロテクト周りの設定です。

Protection の設定 (DVD)
DVD」 → 「DVD Protection」 と選択していき、
上のように 「Remove layer break」 以外のすべての項目にチェックをつけます。

レイヤーブレイクは、2層式DVDの1層目と2層目の境を表すものなので、
リッピングの過程で安直に除去してしまうのは好ましくありません。
特に理由がない場合は、「Remove layer break」のチェックは外しておきましょう。

また、DVDのリージョンコードの部分は、リッピングするDVDにあわせるようにしてください。たとえば日本市場向けに生産されているDVDの場合は、「2 - Western Europe, Japan, and South Africa」を選んでおけばOKです!

上記の設定は原則として日本国外在住の方向けとなります。日本国内に在住の方は「技術的保護手段の回避」につながる次の3項目のチェックを外すようにしてください。(チェックを外すことで、違法なリッピングが物理的に実施不可能となります)

  • Remove CSS (Content Scramble System)
  • Remove APS (Analog Protection System)
  • Remove structure protection, like ARccOS, RipGuard, etc.

Protection の設定 (Blu-ray)
あなたがお持ちのドライブがBlu-ray Discのリッピングに対応している場合は、上のように 「Blu-ray」 → 「Bluray Protection」 と選択していき、すべてのチェックボックスにチェックをつけてください!
(最後の 「Hide PS3 update files」 はチェックを入れておくことで、PS3上で再生した際にファームウェアのアップデート催促が出ないようにすることができます)

DVDの時と同様、Blu-ray Discのリージョンコードも設定するようにしてください。日本国内向けに生産されたBlu-ray Discの場合は、「A - North America, Central America, South America, Korea, Japan, Southeast Asia」 を選択しておけばOKです!

» 最新バージョンのプロテクトがかけられたBlu-ray Discのリッピングは、有料の 「DVDFab Blu-ray Copy」 にアップグレードするか、「AnyDVD HD」 でないとできないことがあります。

上記の設定は原則として日本国外在住の方向けとなります。日本国内に在住の方は「技術的保護手段の回避」につながる次の4項目のチェックを外すようにしてください。(チェックを外すことで、違法なリッピングが物理的に実施不可能となります)

  • Remove AACS (Advanced Access Content System)
  • Remove BD+
  • Remove Java protection with Stealth Clone anti-protection
  • Remove CCI (Copy Control Information)

PathPlayer の設定
次に、「PathPlayer」の設定についてです。
通常ここの設定はデフォルトのままで構わないのですが、「PathPlayer」とはどのような機能なのかについて気になる方もいらっしゃると思いますので、簡単に各設定について触れておきたいと思います。

「PathPlayer」 は バージョン3.2.0.0 から追加された機能で、DVDに収録されたデータの内、実際にDVDプレイヤーが再生の対象とする部分のみをリッピングできるようにするためのものです。

DVDにかけられたプロテクト部分はDVDプレイヤーが再生する際には無視されるのだから、DVDプレイヤーが再生の際にどのデータにアクセスするのかを1つ1つチェックしていけば、プロテクトのかけられた部分はすべて無視してコピーができるじゃんという発想です。

ただ、「PathPlayer」 を有効にした場合上述した通り、リッピングの直前に再生対象となるデータをチェックする作業が入るようになるため、データの吸出しに余分な時間がかかるようになってしまいます。

ですので初期設定では、「Enable PathPlayer when necessary(必要な時だけ PathPlayer を有効にする) にチェックが入れられています。

「PathPlayer」 は、現段階ではリッピングができないような強力なプロテクトのかけられたDVDに対する最後の切り札として用意されている機能なので、「Enable PathPlayer when necessary」 にチェックをいれておくことで、普段はいつも通りの方法(PathPlayer を使わない)でリッピングを行い、何らかの理由で作業に失敗した場合に限って「PathPlayer」 を有効にした方法に切り換えることができるようになります!

ちなみに、「Always enable PathPlayer」 は常に「PathPlayer」が有効になるため、例えば以前にそのDVDをリッピングした際に「PathPlayer」を有効にする必要があったと分かっているような場合に選択するオプションです(PathPlayer なしでは失敗することになる無駄な処理をやらせない)。一方、「Disable PathPlayer」 は常に「PathPlayer」 が無効になるオプションで、リッピングの際にエラーが出た場合に限って手動で「PathPlayer」を有効にするようにしたい場合に選択すると良いと思います。(ちなみに普段私は「PathPlayer」を無効にして使っており、必要に応じて「Always enable PathPlayer」に切り換えるようにしています。)

日本国では「技術的保護手段の回避」が禁止されているため、日本国内で使用される場合は「Disable PathPlayer」を選択しておいてください。

Scan BOVs (Button Over Video) の設定
Scan BOVs (Button Over Video)」 の枠内の項目は、本編再生中に表示される特典映像などにジャンプするための「ボタン」を検出するために用意されています。

--「Scan cells lasting less than 'X' seconds」--
VOBファイル上からボタンを検出するために、計何秒分セル内をチェックするかを指定します。値を大きくするほど処理に時間がかかるようになります。(ちなみにDVDに収録されているVOBファイルは、1個あたり約0.4〜1.0秒のビデオが記録された「VOBU」というブロックを1つ以上まとめて1つのパッケージにした「セル」を単位に構成されています。「DVDFab HD Decrypter」 は、セル内のVOBUを次の「Scan one VOBU every 'X' VOBUs」なる項目で指定した個数おきに読み込んでいき、ボタンの有無をチェックしていくようです。こうして飛び飛びにチェックしていったVOBU内のビデオの秒数の合計をここで設定します。)

--「Scan one VOBU every 'X' VOBUs」--
各セルを構成する「VOBU」をいくつおきにチェックするかを指定できます。1つのVOBUがおよそ0.4〜1.0秒分のビデオに相当しますので、たとえばここの値を「30」に設定した場合、12〜30秒おきにボタンの有無をチェックすることになります。当然値を小さくした方が正確なチェックができますが、その分処理が遅くなります。ここはデフォルトの「30」にセットしておいて問題ないと思いますが、もしここの値を小さくしたならば、上の「Scan cells lasting less than 'X' seconds」の設定値を少し大きくした方がいいかもしれません。

--「Check for multiple set of BOVs in the same cell (like Easter Eggs)」--
あるセル内でボタンを1つ見つけた場合に、まだ別のボタンがある可能性を考えてさらに念入りにそのセルをチェックするためのオプションです。ここにチェックをいれると処理が遅くなりますが、それだけ結果の信頼性がUPすることになります。ただ、単一のセル内に複数のボタンが存在するケースは稀なため、ここのチェックは外しておいても構いません。

ハイブリッドディスク読み込みの設定
「DVDFab HD Decrypter」 は v8.1.1.2 よりハイブリッドディスクの読み込みにも対応しました。ハイブリッドディスクをリッピングする際は、「Enable hybrid disc support」 にチェックを入れ、どちらのディスクとして読み込むかを設定します。

例えば、Blu-ray と DVDのハイブリッドディスクからBlu-ray映像の方をリッピングしたい場合は、「Blu-ray」を選択してやることになります。

Ask before opening the disc」 を選択しておくとハイブリッドディスクをマウントした際にどちらのディスクとして読み込むかその都度選択できるようになります。


「DVDFab HD Decrypter」 には他にも、ネット接続にプロキシを使用する場合の 「Network」 設定や、予め不要な言語の音声や字幕を排除してしまう 「Streams」 設定などが用意されています。ただ、これらの設定は用途がかなり限定されてくると思われますのでここでは特に触れません。


以上で「DVDFab HD Decrypter」の初期設定は完了なので、「OK」をクリックして設定画面を閉じてください。上の図のように、変更した設定を反映させるために、ツールを再起動するよう言われますので、指示に従いましょう。。。


▼ 「技術的保護手段」 の有無の確認

ディスク情報の確認
日本国内で「DVDFab HD Decrypter」 を使う場合、事前にリッピング予定のDVD・Blu-rayが「技術的保護手段」によって保護されていないかどうか確認する必要があります。

» 日本国外に在住の方、著作権フリーのディスクをリッピングする場合は本項を読み飛ばしてください。

「DVDFab HD Decrypter」 を起動したら上のような画面右上のアイコンをクリックし、「Source Info」 から 「Information」ウィンドウを立ちあげてください。

技術的保護手段で保護されたDVDの例
リッピングしたいDVDの詳細がまとめられた次のような画面が表示されます。この内、

  • CSS (Content Scramble System) protection ...
  • APS (Analog Protection System) protection ...
  • Invalid PTTs protection ...
  • Invalid PGCIs protection ...
  • Invalid PGCs protection ...
  • Invalid TMAPs protection ...
  • Invalid CELLs protection ...
  • Invalid VOBUs protection ...
  • Fake vts protection ...
  • Bad sector protection ...
  • Structure protection (ARccOS, RipGuard, etc...) ...

という項目を確認してください。

上のすべての項目が... protection is not found.(〜プロテクトは見つかりません) なら問題ないのですが、たとえ1項目でも「... protection is removed.(〜プロテクトは除去されます) と書かれている場合、そのDVDには「技術的保護手段」が施されています。その場合、日本国内でそのディスクのリッピングを行うと違法となってしまいます。。。

「技術的保護手段」が施されたDVDの場合、ほぼ確実に「CSS (Content Scramble System) protection is removed!」 と表示されますのでCSSの行を特に注意して確認するようにしてください。

技術的保護手段で保護されたBlu-rayの例
Blu-ray の場合は次の2項目について確認するようにしてください。

  • AACS (Advanced Access Content System) protection ...
  • BD+ protection ...

上の例では 「AACS」 がかけられており、「技術的保護手段」が施されたBDであると確認できます。


▼ DVD / Blu-ray Disc全体をリッピング&コピーする方法 (Full Disc モード)

Full Disc モード
通常DVDやBlu-ray Discをリッピングする際は、そのディスクに収録されているすべてのコンテンツを吸い出すことになりますので、「Main Movie」モードではなく、こちらの「Full Disc」モードの方を利用するのが基本となります。

DVDFab HD Decrypter」 はプロテクトに強いDVD / Blu-rayリッパーですが、当然、プロテクトのかけられていないディスクのリッピングにも対応しています。

DVDFab HD Decrypter」を起動したら、「Copy」 → 「Full Disc」 を選択してください。

Source」 からリッピングしたいDVDまたはBlu-ray Discを選択します。


「DVDFab HD Decrypter」 には、収録されている個々のDVDファイルを直接出力するモードと、吸い出したDVDファイルをひとまとめにしてイメージ形式で出力するモードの2種類があります。

基本的に、「DVD Shrink」 や 「CloneDVD」 などで編集したり、AVIファイルの作成iPodやPSP、携帯向けの動画の作成 をする場合は、ファイル形式でリッピングしてください。

一方、「DAEMON Tools」 と 「PowerDVD」 などのソフトウェアDVDプレイヤーを併用してパソコン上でDVDを鑑賞したり、リッピングしたデータを直接メディアに書き込みたいような場合は、イメージ形式でリッピングすることになります。

■ 「ファイル形式」でのリッピングの方法

Full Disc モード (DVDファイル形式)
上のような画面が現れたら、 「Source:」 の箇所で、リッピングするDVDがマウントされているドライブを指定し、つづいて 「Save to:」 の項目で吸い出したDVDファイルの保存先を指定します。

ただし 「Save to:」(出力先) の方については、先程の「General」の設定の際に「Create files in subfolders of output directory」のチェックを外している場合 は特に変更の必要はありません。
(上の例では、デフォルトの出力先である 「E:\DVDimgs」 の直下に、ソースとなるDVDのボリュームラベルと同じ 「300」 という名前の新しいフォルダが自動的に作られて、その中に吸い出されたデータが保存されます)

もしも、ドルビー5.1chサラウンド用の音声(高い音質の音声ファイル)が不要であれば、
Remove DTS」 にもチェックを入れておくと良いでしょう。

PathPlayer が有効の場合の設定
なお、「PathPlayer」 を用いたリッピングの必要がある場合は、左のような設定項目が有効になっていると思います。

上の「Change DVD playback order」にチェックを入れておくと、DVD挿入直後に表示される画面を設定することができます。

DVD挿入直後にメニュー画面を表示してほしい場合は「Jump to first menu when disc inserted」を選択し、いきなり本編を再生してほしい場合は「Jump to main title when disc inserted」を選択してください。

その下の「Remove annoying PGCs (like FBI warnings)」 は、チェックを入れておくことでDVD再生開始時などに表示される注意喚起画面をカットする機能です。注意喚起画面は、本編再生に至るまでの時間をいたずらに長くするだけですので、チェックを入れておいた方がよいでしょう。。。

DVDのボリュームラベルを変更したい場合は、「Volume Label」 欄内に半角英数字の大文字で適当な文字列を入力するようにします。


トランスコーディング機能の試用について
なお、下側の 「DVD9」 を 「DVD5」 に変更すると、片面1層のメディアに収まるサイズになるよう、必要に応じて映像を圧縮してくれるようになります。

つまり、リッピングと 「DVD Shrink」 や 「CloneDVD」 などによる圧縮作業が同時に実行されることになるため、「DVDFab HD Decrypter」 でリッピングを行うと、いきなり片面1層のメディアに書き込むことができるようになります!
(上の例では、7.3GBのソースのDVDが、4.3GBのサイズにまで圧縮されているため、片面1層のメディア(4.7GB)に収まることになります。)

» ただし、こちらのページ にあるように、この圧縮機能はフリーの 「DVDFab HD Decrypter」 には含まれない機能ですので、30日間のお試しという扱いになります。。。


タスクキューの確認
リッピングを開始する前に、ウィンドウ右上にある「Task Queue」というボタンをクリックしてください。

不要なタスクの削除
上のようなウィンドウが開いたら、画面内に不要なタスクが並んでいないか確認し、不要なものがあれば削除してください。


準備が整ったら、スタート をクリックして、リッピングを開始してください。

リッピングしたファイルをひき続き、DVD Shrink を使って編集する方法はこちら
(DVD Shrink を起動し、「ファイルを開く」から、
先程リッピングしたファイルを保存してあるフォルダを開けばOKです)

リッピングしたファイルを直接メディアに書き込む際は、VOBファイル形式のファイル群を直接書き込むことのできる、ImgBurn の「Build」モードが大変便利です!

ImgBurn はフリーのライティングツールで、完成度も非常に高いですので、Nero などの市販のツールをお持ちでない場合は、非常に重宝すると思います。

■ 「イメージ形式」で出力する方法

Full Disc モード (イメージ形式)
「DVDFab HD Decrypter」 から直接、DVDのISOイメージを作成したい場合は、
上の赤く印をつけたボタンをクリックします。

ISOイメージの保存先の設定
上のように、ISOイメージファイルの保存先を指定して 「Save」 ボタンをクリックしてください。

ボリュームラベルの設定
最後に、コピーするDVDのボリュームラベルを半角英数字で入力してください。
(「ボリュームラベル」とは、そのDVDのタイトルなどを表す文字列のことで、DVDドライブにDVDをマウントした際にエクスプローラなどの画面上で確認することができます。)

準備ができたら スタート をクリックして、リッピングを開始してください。

完成したイメージファイルは、ImgBurn の 「Write」 モードでかんたんにメディアに書き込むことができますし、DAEMON Tools と 「VLC media player」 などのDVDプレイヤーツールを併用すれば、かんたんに仕上がりをチェックすることができます!


▼ DVD / Blu-ray Discを部分的にリッピングする方法 (Main Movie モード)

DVDFab HD Decrypter」 には、ソースのDVD / Blu-rayから特定のコンテンツだけを抜き出した、特殊なDVD / Blu-rayを作成できる、「Main Movie」というモードが用意されています。

複数のDVDからメインムービーだけをリッピングし、DVD Shrink などを使って、これらをひとまとめにしたオリジナルのDVDを作りたいような場合に便利なモードだと思います。ただし、メニュー画面が同時に犠牲になってしまうので、チャプター数の多い映画などのDVDには不向きです。

なお、リッピング可能なのはメインムービーに限らないため、たとえば特典映像だけをDVDから取り出すこともできます!

Main Movie モード
DVDFab HD Decrypter」 を起動し、画面上部の項目から 「Main Movie」 を選択したら、編集後のファイルの保存先を指定します。

DVDファイル形式で出力する場合は左側のアイコンをクリックしてください。一方、ISOイメージ形式で出力したい場合は右側のアイコンをクリックします。

必要なタイトルの選択
続いて、右側のプレビュー画面を見ながら必要なタイトルを選択してやります。

もしここで、チャプター単位でさらにムービーを細かく切り出したいような場合は、チャプター総数をクリックしてください。

必要なチャプターの範囲を指定
チャプター単位で切り出す場合は、起点となるチャプターと終点となるチャプターを上のように指定してやります。(この場合、チャプター5〜チャプター10の範囲のムービーが切り出されます。)

必要な音声ファイルを指定
必要な字幕言語を指定
編集するタイトルを指定したら上のように、必要な音声ファイルおよび字幕ファイルを選択して、「Next」ボタンをクリックします。

» 必要な言語の字幕ファイルが複数ある場合は、すべて選択するようにしてください。

最後にボリュームラベルを適当に変更してスタート をクリックしてください。

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