2005年09月16日

教育正常化の動き やはり「子供」表記が正しい 文化庁・調査官「臆することなく使用を」

 文化庁主催の西日本地区国語問題研究協議会において国語施策の分科会で、子供表記についての質疑があり、文化庁文化部国語課の国語調査官は、次のように明確に回答をした。

 子供の「供」は、@おともの意味ではない、A公用文における漢字使用の目安である「常用漢字表」の文字である、と。

 これに従い、たとえば平成十六年の文化審議会答申など、文化庁から出す文書においては「子供」表記であるとのことだった。

 現状として、「子ども」表記が横行していることを認めつつ、正しいのはやはり「子供」なので、上記の二点を根拠として「臆することなく使用していただければ…」とのことだった。 
 本来、国語を守る先頭に立って良いはずの文科省もほとんどが「子ども」表記に変わってきている。

人権尊重の美名の下、着々と言い換えが進行していることこそ憂慮すべきである。

◇  ◇  ◇


「子ども」表記が広がった理由としては、およそ次の二点が言われている。

@子供の「供」は、お供の「供」だから、子供の差別にあたるということで、ある左翼主義の女性が主張し始め、「子ども」表記が広がった。

A子供の「供」は、供養の「供」と同じで、「供養=死」というのではかわいそうということで、主に、解放同盟や高教組などを中心にして学校現場で言われはじめ、差別語だとの誤解や批判を教師側が避けるという自主規制≠ナ「子ども」表記が広がった。

◇  ◇  ◇


 子供の主体性を認めるべきとする立場の人たちが、「子ども」表記に統一し、川崎市が「子どもの権利に関する条例」を制定するなど流行のようになっているが、その根拠となると上記でも分かるように極めて怪しいものだ。

「こども」という大和言葉に「子供」の漢字をあてたと考えれば、「子」「供」に分けて差別語とする発想こそ無知に基づいている。

 漢字と仮名の「交ぜ書き」も美しい国語を乱す元凶である。

 行政が使う言葉は、社会の規範的な効果を持つだけに、「子ども」表記に安易に流されないことを望みたいものである。

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日本時事評論 第1592号(H17.9.16)より転載しました。
引用転載については編集部にお問い合わせ下さい。

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posted by 草莽塾有志 at 14:25| 山口 晴れ| Comment(0) | TrackBack(0) | 2005記事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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