日本は、昔から中国の優れた文化を取り入れて、日本国内で熟成させて日本独自の文化にした。漢字とそれから派生した片仮名や平仮名が最たるものであろう。それに対し、中国の愚かな文化については、日本人はちゃんとふるいにかけ、取り入れずにいた。宦官や纏足などは全く無視した昔の日本人は賢かった。
日本で精錬された漢字文化は、日本独自の優れた単語を数多く生み出した。見ただけで意味が分かるようなものが多く、日本で作られた単語が中国に"逆輸入"されたケースも多々ある。
例えば、「中華人民共和国」。中華は中国語であるが、人民や共和国は日本製漢語である。「共産主義」「共産党」「社会主義」も日本製。最近中国で騒がしい「軍国主義」や「領海」も日本製。現代中国語において、日本製漢語を使用しなければ、中国人らはまともな会話が出来なかったであろう。
反面教師という言葉は毛沢東が作り、朝日新聞らが好んで使う言葉である。その毛沢東が垂れた言葉を並べた毛沢東語録というものがある。これにもふんだんに日本製漢語が使用されている。中国人は認めたがらないだろうが、それが真実なのである。
日本語は素晴らしい。その日本語を誰よりも愛し、その日本語の堕落について憂いているのが産経新聞である。産経新聞は「国語断想」という不定期連載で、校正委員が日本語の乱れを指摘している。
本日5月5日(木)「こどもの日」の社説で、産経新聞は「こども」或いは「子ども」と書くことが望ましくないとしている。
こどもの日 表記は「子供」が望ましい (産経新聞)
朝日新聞が「子ども」と書くことに、以前このブログで書いたことと同じようなことが主張されており、とても共感できる社説である。→こちら
一方、読売、毎日、朝日が「こどもの日」に関する社説でどのように記述しているかを見てみよう。
こどもの日 次の世代に『大きな未来』を (読売新聞)
少子化 流れが変わるとすれば男が変わるときだ (毎日新聞)
こどもの日 人生は失敗の山を築くごとし (毎日新聞)
こどもの日 親の汗で遊びを教えよう (朝日新聞)
読売 … 子ども
毎日 … 子ども、子供
朝日 … こども
子供と書くことは、以前も書いたように差別でもなんでもない。また、大新聞社が醜い漢字仮名交じり語で書くのはみっともない。これまで、常用漢字でないことから「ら致」などと書いていた新聞社は、北朝鮮による日本人拉致が広く知られることで「拉致」と記述するようになった。これは大きな進歩だ。「子供」に関しては、産経以外の新聞社は退化しているとしか思えない。
何でもかんでも差別というのではなく、ちゃんと物事の真実を見極め、かつ伝統を大切にすることが新聞社には必要ではないだろうか。