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反乱
反乱 4
  4

「昨日は大変だったって、秦さんから伺いましたけど――」

 群雨佳恵は、赤縁眼鏡の奥で、心配そうに眉根を寄せた。
 童司は困ったように頭を掻き、キャスターつきの椅子をちいさく揺らす。

「ほんと、いろんな意味で大変でした。まあ、それも昭代さんのおかげでなんとかなりましたけど」

 様々な器具が並ぶ研究室である。
 童司と佳恵は、向い合って座っていた。
 佳恵は白衣である。
 童司は楽なシャツとジーンズだった。
 研究室は、今日はふたり以外はだれも出勤しておらず、閑散としている。
 そこに、珈琲の香ばしい匂いが、湯気といっしょにゆったりと漂っていた。

「とくに大変だったのは昭代さんで、今日もおれは休みだけど、昭代さんは会談がありますから」
「本当に、忙しいひとですものね。昔からそうでした」
「そういえば、群雨さんと昭代さんは知り合いなんですよね」
「知り合いというほどじゃありませんけど――学校が、同じだったんです。学年はちがいましたけど、同じ委員会だったり、なんだったりで面識があって――それから秦さんは軍に入って、わたしは進学して研究者になって、再会したのは去年でした。学会に、軍の関係者として秦さんもきていて」
「なるほど――じゃあそのころから忙しかったんですね、昭代さんは。ほんと、たまには休んでほしいけど、休んでくれって言って聞くようなひとじゃないしなあ」

 ぼやくように言うのに、佳恵はくすくすと笑った。

「な、なんですか?」
「ごめんなさい――なんだかふたりとも、すごくいい関係だと思って」
「そう――ですかね。おれなんかじゃ、昭代さんには釣り合わないような気がしますけど」
「あら、世界唯一の男性以外に、秦さんと釣り合うひとなんているでしょうか」
「そりゃ、男ではあるけど、人間的には大したことないですから」
「そんなことありませんよ。園道さんも、素敵な方だと思います」

 にこにこと、佳恵は明るく笑うのである。
 ひとを安堵させるような、やさしい笑みだ。
 童司はそれ以上自分を貶めるのもおかしな気がして、苦笑いを漏らした。

「そういえば、今日はまた、検査があるって?」

 童司が聞く。
 そのために研究室へ呼ばれているのである。
 佳恵の顔が、ぴくりと引きつった。

「え、ええ、そうなんです――連続になってしまって申し訳ないんですが、重要なことですから、念には念をと秦さんからも」
「そうなんですか。じゃあ、さっそく検査しますか。せっかくの休みに、群雨さんを長時間拘束するのもあれだし。えっと、なんの検査ですか? 血液検査とか」
「それが、ですね、あの――」

 ぴたりと合わせた膝に両手を置いて、佳恵はもじもじと椅子を揺らした。

「じ、実は、せ、せ――精子の検査を、もう一度と」
「えっ、せ、精子の検査ですか? でも、それは昨日――」
「一応、昨日の検査でしっかりした結果は出たんですけど、最重要の検査だから、もう一度時間をかけて行なってほしいと、秦さんから連絡が……ですから、その、申し訳ないんですけど、もう一度精子のほうを採取しても……」

 佳恵は、単なる検査というわりには、顔を赤く上気させている。
 童司もどぎまぎして、

「そ、そうですか。じゃあ、あの、トイレかどこかで、取ってきますんで――」

 と立ち上がりかけたその腕を、佳恵が軽く引いた。

「あの、秦さんから話は聞いてますから、大丈夫です」

 ぐっとうつむいて、なにか覚悟を決めたような佳恵の顔である。

「な、なにが大丈夫なんですか?」
「男性のことは、詳しくはないんですけど、秦さんから聞きました――男性は、しゃ、射精するために、刺激が必要なんですよね?」
「ま、まあ、そりゃあ、刺激しないことには、どうしようもありませんけど……」
「だから、あの、じ、自慰をするためにも、視覚的な刺激が必要だって――それがないと、なかなか射精できないって、秦さんが」

 誤りではない。
 童司は、そのためにネットワークに接続された端末でも貸してくれるのかと思ったが、佳恵の台詞は想像の斜め上をいっている。

「ですから、あの――よかったら、わたしの身体を、見てください」
「……はい?」

 ですから、と佳恵は赤い顔で繰り返すのである。

「わたしの身体を見て、あの、じ、自慰を、してください」
「な、なにを――」
「男性を性的に興奮させるためにはそれがいちばんだって、秦さんが」
「あ、昭代さん……」

 電話の向こうでにやにやと楽しそうに笑っている昭代が容易に想像できる。
 椅子から立ち上がった童司は、つい佳恵の身体を、そうした目線で眺めた。
 小柄だが、肉づきがいい、女性的な身体である。
 身体のラインは白衣に隠れていてほとんど見えない。
 白衣の裾から伸びる足は、肌色のストッキングを履いていて、細すぎず太すぎず、絶妙だった。
 しとやかに座った姿にも、ぐっとくる。

「あの――でも、群雨さん、いやじゃないですか。いやだったら別にこんなことしなくても」
「いやじゃありません――でも」

 白衣の裾を恥じらいに掴んで、視線を流す。

「園道さんは、いやじゃありませんか――その、わたしなんて、もうおばさんだし、ただ気持ち悪いだけじゃ」
「お、おばさんなんて、とんでもない! そんなこと思ったこともありませんよ――その、すごく魅力的だと思います。だから、よかったら、見せてください」
「じゃ、じゃあ……」

 佳恵は立ち上がった。
 肩を揺らして、はだけさせた白衣を脱ぐ。
 下は、白いブラウスに、紺色のタイトスカートだった。
 白いブラウスの胸元が、大きく盛り上がっている。
 白衣に隠れて見えなかったが、いかにも豊満な身体だった。
 キャスターつきの椅子に戻って、佳恵は目尻に羞恥を浮かべ、童司を見上げる。

「あの、わたし、どうしたらいいかわからないから……どんなふうにすればいいのか、教えてください」

 すがるように、童司を見上げた。

「じゃあ、まず、ブラウスを脱いでください」
「は、はい――」

 ふるふると、かわいい指先が震えていた。
 白いボタンをゆっくり外していく。
 上から順番に、ひとつ、ふたつと外れたところで、その胸元から、雪を振りかけたような、まっ白な谷間が覗いた。
 日本人離れした白さである。
 佳恵には、コーカソイドの血がわずかに混ざっていた。
 ちら、ちら、と童司の様子を窺いながら、ボタンを外す。
 白いレースのブラジャーが現れた。
 乳房はやはり大きく、重々しくブラジャーに包まれている。
 ブラウスの裾を、さっと払った。

「ど、どうですか――」
「すごくきれいです――胸、大きいんですね」

 童司はズボンの上から股間を撫でた。
 佳恵の視線が一瞬泳いだ。
 ぴたりと合わせた膝の上に、両手を置く。
 佳恵の頬は薔薇色に染まっていた。

「スカートも、脱いでください」
「脱ぐんですか――わかりました」

 椅子から腰を浮かせる。
 腰の横についたファスナーを、じじと下ろした。
 尻を左右へ揺らすようにして、スカートの裾を引っ張り下ろす。
 するすると太ももを下りていく。
 膝をわずかに曲げて、足から抜き取った。
 肌色のストッキングが腰のところできゅっと締まっている。
 その奥に、やはり白く、前面にレースがあしらわれた下着があった。
 童司はズボンのファスナーを下ろし、半立ちになったペニスを引っ張り出した。
 片手で握り、しごく。
 佳恵は手で股間を隠しながら、もじもじと立っている。

「ストッキングも脱いでください。そしたら、この机の上に座って、足を開いて」
「は、はい――」

 佳恵はストッキングのウエストに手をやり、膝のあたりまでいっしょに下ろしてから、片足ずつ丸めるように抜き取った。
 それを、スカートといっしょに、椅子の上に置く。
 机の上に上がった。
 座って、足を開いた。
 童司は正面に回る。
 佳恵が手で隠そうとするのを退けて、白い下着の、クロッチ部分を眺めた。
 佳恵は、童司にじっと見られているその部分が、かっと熱くなるのを感じた。
 白い足が、ぷるぷると震えた。
 口元に手をやって、やわく指を噛む。

「すごいな――」

 童司はペニスをしごきながら、前のめりになって佳恵の股間に見入った。
 顔を、ぐいと近づける。
 鼻を鳴らした。
 ねっとりした女の匂いが、わずかに伝わってくる。
 佳恵は熱い息をついた。
 ペニスはきつく張り詰めていた。
 童司は、視線を上げ、佳恵の大きくふくらんだ胸を見た。

「ブラジャーの上からでいいですから、自分で触ってもらえますか」
「さ、触るんですか……こ、こんな感じで?」

 佳恵は、両手を乳房の下に当て、ゆっくりと持ち上げるように揺らした。
 ブラジャーから見えている上半分の乳肉が、たぷんと波打った。
 谷間が形を変える。

「そうやって、触っててください――」
「ん、わかりました――」

 円を描くように、下から揉み上げる。
 ブラジャーのなかで乳房が重々しく、やわらかに歪み、揺れた。
 童司は佳恵の股間と、その胸を見ながらペニスをしごいた。
 童司の目には、なにか特殊な効果があるように、佳恵はじっと見つめられたその箇所が熱を持ち、ぞくぞくとした快感を生むことに気づいた。
 股間は、じっとりと濡れていた。
 自分でゆっくりと揉んでいる胸は、ぴりぴりと電気を流されたような感覚だった。
 童司のペニスを眺める。
 亀頭は大きく膨らみ、つやつやと光沢を持っている。
 浅黒く、醜悪にも見えた。
 童司に快楽を具現化したような、忌まわしくも悩ましい肉に感じられた。
 佳恵は、快楽そのものに慣れていない。
 自慰すら一度もしたことがない佳恵だった。
 その身体がいま、経験したことのない興奮と快楽に、ぞくぞくと震えを発している。

「あの、胸を見せてください」

 身を乗り出し、息がかかるほどの距離に顔を近づけながら、童司は言った。

「む、胸を――?」

 佳恵は、どこか虚ろな目つきである。
 すこしずれた眼鏡も気にしていなかった。
 背中に手を回し、指先で、ホックをかちりと外した。
 ブラジャーが浮き上がる。
 それを、上にぐいと引っ張りあげた。
 乳房の先がブラジャーに引っかかり、すこし上を向いて、それからぶるんと解放される。
 重力に従い、すこし垂れたような、まっ白の乳房である。
 乳房の下側には、ブラジャーの跡が赤く残っていた。
 乳輪は大きい。
 指で輪を作った程度である。
 色は薄茶色だった。
 乳首は反対にちいさく、丸く、つんと立っていた。
 重量感のある乳房だ。
 佳恵の手が、それを下がらしっとりと持ち上げ、ゆっくりと揉みしだく。
 指が乳房に沈み込む。
 乳首があらぬほうを向く。
 乳が寄せられたり、離れたりする。
 いかにも肉感的な、艶めかしい動きである。
 童司は息が詰まるような興奮を覚え、激しくペニスをしごき立てたが、がまんできなかった。

「む、群雨さんっ――」
「きゃっ――」

 乳房に掴みかかり、顔を押しつけた。
 童司の舌が荒々しく乳首を舐めとる。
 佳恵は身体をびくりとさせ、童司の肩を押し返した。

「だ、だめです、んっ、それは――ほ、ほかの人間と体液が混ざると、正確な調査が――あんっ――」
「調査のための精子なら、あとでちゃんと提供しますから――んん」
「あっ、ああ――」

 かぼそく鳴く声が、ふたりきりの研究所に響いた。
 大きな乳房を、べろべろと舐め回す。
 白い肌の表面を唾液まみれにしながら、手のなかで乱暴に押しつぶした。
 引き千切らんばかりに、強く握り潰すと、佳恵の熱い身体がぞくぞくと震えた。
 抵抗はすでになくなっている。
 佳恵の身体は、強く刺激すればするだけ大きく反応した。
 痛みと快楽が連結しているのだ。
 童司はそれに気づき、佳恵の丸くちいさな乳首を、かりかりと歯の先で噛んだ。

「ああっ――」

 頭を仰け反らせ、佳恵が鳴いた。
 唇の端から、唾液が、つつ、とあごを伝った。
 童司は指先で乳首を強く押し潰しながら、その唇を貪る。

「んっ、んんっ――」

 乱暴に唇を奪われるのが、佳恵にとってのファーストキスだった。
 いまや子を持つことと体験はイコールで結ばれていない。

「んぅ、んっ、んっ――」

 舌を口内にねじ込む。
 驚いて引っ込んだ佳恵の舌を、強引に探し当てた。
 そうしながら乳房を強く揉んでいる。
 大きく開いた足のあいだに、腰を入れた。
 汗ばんだ童司の指先が、乳房をぎこちなく這い、下腹部へ下りていった。
 びくりと佳恵が震える。
 童司の手が、下着のなかに滑り込んでいた。
 指に感じる硬い陰毛は、ごく少量だった。
 ヴァギナの割れ目を探し当てることに苦労はない。
 はじめからそこはじゅんと熱く濡れそぼっている。
 指が、ぬるりと膣のなかに沈んだ。
 膣のほうから指を飲み込んだようだった。
 口を塞がれた佳恵が、未知の快感に低くうめいた。
 声を出そうにも、唾液が流れ込んできて、それを飲み干すのに必死になっている。
 童司は愛液が無限に溢れ出す膣のなかで指を回転させ、指の腹で膣の内側を触診するように撫で回した。
 豊満な腰が、びくんびくんと跳ね上がる。
 童司は引き裂くように下着を脱がせた。
 佳恵を机から下ろし、立たせる。
 背を向けさせた。
 机に両手を突かせ、その後ろから、びんびんに勃起したペニスをこすりつけた。

「あっ、ああ――だ、だめですよ、園道さん――んっ――こ、こんなこと――」
「本当にだめですか?」

 やわらかく、肉づきのいい尻肉に、ペニスをぐいぐいと押しつける。

「ねえ、本当にだめですか? 本当にいやなら、おれもやめます。本当にいやなんですか?」
「ああ、そんなこと――聞かないで――だ、だれかに見られたりしたら」
「だれもいませんよ。ね、いいですよね?」
「あっ、ああっ――」

 反り返るペニスを押さえ、濡れたヴァギナにずぶりと沈めた。
 そこから、膣の入り口を、亀頭の先でつんつんと突く。
 尻肉がきゅっと引き締まり、菊門と膣の入り口が緊張した。
 童司はそのまま、一気にペニスを突き刺した。

「ああっ!」

 シャツを羽織った佳恵の背中がびくんと跳ね上がる。
 ペニスは一気に奥深くまで佳恵の膣をえぐった。
 そこから、亀頭が見えるほどまで引っ張り出され、またずんと奥まで入れる。
 佳恵の身体が、前後に揺れ動いた。
 下を向いた乳房も重々しく前後左右に揺れ、垂れ下がった先端が、机の表面をするするとこすっていた。

「ああっ――ああっ――あんんっ――」
「どうですか、気持ちいいですか?」
「き、気持ちいい――あっ、ああっ――」

 佳恵の口から、よだれがだらりと垂れ落ちる。
 赤縁の眼鏡は大きくずれて、知的な気配を完全に殺していた。
 童司はゆっくり引き抜いては素早く突き入れ、また引き抜いては突き入れ、ということを繰り返し、佳恵を弄んだ。
 尻肉を、ぱんと叩く。
 波打つのに合わせ、佳恵が声を上げる。
 童司は、佳恵のなかからペニスを引き抜き、椅子にどかりと座った、

「群雨さん、上に乗ってください」
「の、乗るんですか――」
「自分で、位置を確かめて、入れてくださいね」

 佳恵は、恐る恐る、自分の愛液にまみれたペニスをつまんだ。
 椅子に座った童司に向かい合い、膝の上にゆっくりと乗る。
 ペニスが、ずぶずぶと膣のなかに沈んでいく。

「あ、ああ――」

 童司は目の前で揺れる乳房にしゃぶりついた。

「ほんと、大きいですね――何カップあるんですか?」
「G、です――んんっ――」
「はあ、すごいなあ――ほら、こうやって、腰を前後に揺らすんです」
「あっ、んっ――」

 佳恵の腰を持って、前後にかくかくと擦りつけるように振らせた。
 手をぱっと離す。
 佳恵の腰は、ぎこちなくだが、前後に動いている。
 自らの意志で腰を振っている。
 膣のなかにペニスが擦れ、クリトリスのあたりに、童司の陰毛がちらちらとこすれていた。
 童司は、世界的な遺伝子研究者のあられもない表情を見上げた。
 目は知性とはほど遠い欲情に濡れている。
 身体は快楽のためだけに揺れていた。
 ばたん、と音がした。
 ふたりが背を向けた扉のほうだった。
 はっと振り返ると、開いた扉の影に、紺色のセーラー服の少女が立っている。
 足元に鞄が落ちていた。
 その落下音らしかった。

「お、お母さん――と、園道さん――」
「エリ――」

 佳恵が、呆然と娘を見た。
 エリも身動きひとつできず、母親の見たことがない姿を眺めている。
 童司は心中慌てて、しかしそれを表情には出すまいと考えながら、

「あの、これは――その、検査なんだ」
「――け、検査?」

 親子が声を揃えた。
 童司は慌てて佳恵にアイコンタクトして、

「その、せ、精子の検査っていうのかな――つまり正常に、性行為ができるかどうかっていう検査で、どうしてもそれをしなきゃいけないらしいんだよ。だから、その、む、無理に頼んで、群雨さんと」

 あまりにも言い訳として苦しいか、と童司は後悔する。
 ここぞというときろくに回らない自分の頭を恨めしく思った。
 エリはゆっくりと母親を見て、

「そうなの、お母さん……?」
「え、ええ――そ、そうよ、検査なの」

 引きつった顔が、どうにも不審だった。
 しかし他人を疑うということを知らないエリは、ましては信頼する母親がそう言うのだから、間違いないだろうと信じきって、こくりとうなずき、うつむいた。

「あ、あの、手伝いにきたんだけど――」
「あ、ありがとう――でも」
「あの、け、検査なら、あたしも、見てていい?」
「へ?」
「だって、いつか、お母さんの手伝いをするときに、役に立つかもしれないし――だ、だめ?」

 うつむいて、ねだるように童司と佳恵を見た。
 ふたりは顔を見合わせる。
 困ったことになっていた。
 断れば、やましいことをしていたと認めてしまう気がする。
 かといって、娘が見ている前で、母親とセックスするのは異常である。
 どちらへ転んでも、悪化しかしない。
 それなら、と童司はうなずいた。

「じゃ、じゃあ、そのへんで見ていってもらえれば――」
「そ、園道さん――」
「だって、こうなっちゃったらしょうがないですよ」

 ひそひそと囁く。

「追い払うのもおかしいし、その、たったいま終わったところだっていうタイミングも逃しちゃったし」
「そ、そうですけど、でも娘の前で――んっ」

 膣のなかで、ペニスがびくんと脈打ったのである。

「す、すみません、節操のない下半身で……おれの意志じゃなかったんですけど、でも、その、き、気持ちよくて、動いちゃうんです――」

 ゆるやかに締めつけてくる膣に、ペニスが何度か脈打って反応した。
 エリは鞄を拾い上げ、さすがに恥ずかしそうに近づいた。
 なんともいえない、異様な状況である。
 そもそも現代では、恋人、あるいは夫婦の営みといえば、女同士のことを指す。
 それを目にするのは気まずいことだが、男女の営みを覗き見るのがどういうことなのか、倫理的に曖昧になっているのだ。
 エリは椅子を引っ張ってきて、つながったまま向かい合って座るふたりのそばにちょこんと腰掛けた。

「あの、邪魔してごめんなさい。続けてください」
「つ、続けるっていってもなあ……」

 佳恵は、ぷるぷると震えるように首を振った。
 見ていると加虐心がむくむくと湧いてくるような仕草である。
 童司は佳恵の腰に手をやり、下から弱く突き上げた。

「あっ――」

 驚いたような、しかし甘ったるく鼻にかかった嬌声が佳恵の口から漏れる。
 童司はそのまま、何度か佳恵の身体を突き上げた。
 大きな乳房が、身体の動きより一歩遅れて、ぶるんぶるんと揺れる。
 佳恵は唇を噛み、眉をひそめ、エリの前で必死に声を押し殺した。
 エリは羞恥にうつむき、スカートをぎゅっと握っている。
 そうしながら、上目遣いで、母親の媚態を眺めている。

「んっ、んっ――んぁ――」

 ぎし、
 ぎし、
 と、腰を動かすたびに椅子が軋んだ。
 耳からも腰使いが伝わってくるようだった。
 童司は佳恵の乳房をそっと持ち上げ、乳首に舌を這わせる。

「あっ――」

 と声を上げたのは、エリのほうだった。
 童司が流し目をくれると、エリは声を出してしまったことを恥じ、身体を縮めるようにして視線を逸らした。
 エリは、美しい少女である。
 母親に似て、色素が薄く、どことなく西洋風の顔立ちをしている。
 体型は母親とほとんど同じだ。
 それなら、と童司は考えた。
 佳恵の胸が大きいように、エリの胸も大きいのだろうか。
 童司は両手を佳恵の乳房に添え、わざとたぷたぷと波打たせて、目で楽しんだ。
 腰の動きは速くなっている。
 佳恵の口から、堪えきれない声が漏れている。

「んっ、あっ、あっ――んんっ――」

 背筋をぴんと伸ばした佳恵は、童司の上で身体を跳ねさせた。
 エリが見ているということに、童司は激しい興奮を覚えはじめていた。
 佳恵もまた、決して自身では認めなかったが、同種の興奮を感じ、身体の芯をじんと熱くしている。
 童司は佳恵の腰を掴んだ。
 椅子をすこし回して、角度を変える。
 佳恵の白い背を、エリに向ける。
 その状態で佳恵の腰を持ち上げると、エリの目の前に、佳恵の膣を出入りするペニスがはっきりと見えるようになる。

「んぅ、あっ、ああっ――」

 ずん、ずん、と童司が腰を突き上げる。
 エリは最初の数回は目を逸らしていたが、やがて視界の端で捉えるようになり、はっきりと見つめるようになった。
 エリのブラウンの瞳がうるうると濡れ、母親と童司の接合部を眺めている。
 童司はエリに見せつけるように、わざと佳恵の腰を高くまで掲げさせた。
 そこから一気にペニスを根本まで突き刺す。
 佳恵が激しくあえぐたび、エリはびくりと肩を震わせ、まるで自分が責められているかのように頬を赤らめた。
 薔薇色の唇が薄く開いて、大人びた吐息をついている。
 童司は佳恵の尻をぐにと鷲掴みにした。
 陰部が、よりはっきりと露出する。
 エリの視線がそこに釘付けになった。
 ペニスを、ゆっくりと佳恵の膣から引き抜く。
 愛液に濡れて光る浅黒い陰茎が、膣の入り口をめくり返しながら、その姿を現す。

「あ、あ――」

 エリの喉が、細かく震えた。
 欲情の震えである。
 カリ首が、膣の入り口に引っかかりながら、ようやくぬるりと出てきた。
 すっかり抜けてしまうと、童司はペニスを押さえて、再び膣のなかに時間をかけて沈める。
 今度は反対に、膣の入り口がぐっとなかに押し込まれて、文字通り肉のなかに沈み込むようだった。
 ちぢれた陰毛が覗く根本まで、ずぶりと入り込む。

「はあ――はあ――」

 童司のなかで、佳恵に対する加虐心がひどく高まっていた。
 エリの視線を浴びるだけ、佳恵のなかは熱く濡れ、ペニスを締めつけるのである。

「――エリちゃん、ちょっと手伝ってくれるかい」

 童司が言った。
 佳恵がはっとエリを振り返る。
 そのあごに指を当て、自分のほうを振り向かせて、童司は佳恵の唇を塞いだ。
 舌でねっとりと唇を舐め上げる。
 閉じた唇を貪り、無理やり開けさせて、口内へ舌を入れる。
 エリは呆然と、その乱暴な口づけを眺めていた。
 佳恵の身体からぐったりと力が抜ける。
 あらゆる抵抗を諦めたような、あるいは心を情欲のままに委ねたような佳恵の顔つきだった。
 佳恵が舌を差し出す。
 童司の唇を、ちろちろとぎこちなく舐める。
 もっと愛撫してくれと、相手に媚びるような動きである。
 エリは母の、女の横顔を見た。
 そしてエリもまた、よく似た横顔をしている。
 天井の照明が、じじ、とかすかに鳴った。
 童司はエリを呼ぶ。
 操り人形のようにエリが立ち上がった。

「大丈夫、ひどいことはしないし、怖かったらすぐやめるよ」

 まるで悪魔の囁きだな、と童司は自分で苦笑いした。
 エリをすぐ横に立たせる。

「唇を突き出して――」

 エリは、プリーツスカートの裾を強く握りしめた。
 緊張した指先が白く染まっている。
 小鳥のように、つんと唇を突き出して、エリは上半身をすこし屈めた。
 座っている童司が届くように、だ。

「ああ、エリ――」

 佳恵の、万感のこもった、震えた声である。
 童司の唇が、やさしくエリの薔薇色の唇と重なった。

「んっ――」

 ぴくりとエリの肩が揺れる。
 童司はすぐに唇を離した。
 にこりと、ひとがよさそうに笑う。

「ほら、痛くないだろ?」

 エリは耳たぶまで赤くしながら、こくりとうなずいた。
 もう一度、唇を突き出す。
 童司は、唇を重ねず、エリの可憐な蕾を、舌先でねぶった。
 エリはびくりと肩を震わせたが、先ほどの見よう見まねで、自分も舌を出した。
 鮮やかな桜色の、短く尖った舌だった。
 舌先がつんつんとぶつかる。
 その娘の横顔を、母親が見ている。
 母親の膣のなかで、童司のペニスがぴくぴくと震えた。
 童司は横目で佳恵を見た。

「今度は、群雨さんと――佳恵さんとキスしてみて」
「え、お、お母さんと?」
「いやかい?」

 母娘は、じっと顔を見合わせた。
 どちらの目にも情欲が燃え上がり、身体の芯を焦がしている。
 エリが目を閉じた。
 佳恵が顔を寄せていく。
 首をかしげ、唇がやわらかに重なった。
 童司は母娘の口づけを眺めながら、腰を軽く振る。

「んっ、んんっ――」

 あえぐ佳恵の唇が、エリの唇を味わう。
 エリの若い舌が、甘い匂いを放つ母親の唇をつついた。
 空中で、二本の舌がねっとりと重なった。
 不器用な性交しかできない動物のように、舌をこすり合わせる。
 熱い唾液が糸を引いた。
 ふたりのあいだで、どちらのものともつかない唾液が交換される。
 童司は佳恵の腰を掴み、こすりつけるように前後へ振りながら、そこに参加した。
 童司の舌を、母娘の舌が仲良く分け合う。
 どっと流し込まれた唾液さえ、ふたりで分け合って、口のなかで転がし、こくりと飲み干した。

「エリちゃん、佳恵さんのおっぱいを舐めてあげて」
「ん――お母さん、いい?」
「え、ええ――」

 エリの手が、佳恵の大きな乳房をそっと持ち上げた。
 薄茶色の乳首に、薔薇のつぼみのような可憐な唇を当てる。

「んっ――」

 薄く唇を開け、ほんのわずかに覗かせた舌で、ちいさな乳首をちろちろと舐めた。
 童司は佳恵の身体を下から突き上げる。
 佳恵はずれた眼鏡を直しながら、喉の奥で声を漏らした。
 エリは、そんな母親を横目で見上げている。
 童司は上半身を追っているエリの足に手を這わせた。
 つんと上がったスカートのなかに手を入れると、身体がぴくんと震える。
 紺色のスカートを腰の上までめくり上げると、まだ子どもっぽいような、白い綿の下着だった。
 その奥に、若々しい張りに満ちた大きめの尻が潜んでいる。
 下着をぐっと尻の谷間にぐっと食い込ませた。
 あらわになった丸い尻の形を、手のひらで撫で回す。

「んっ、んぅ――」

 エリはもぞもぞと腰を揺らした。
 そうしながら、母親の乳房を、ちゅうちゅうと吸っている。
 佳恵は娘に乳房を吸われながら、童司に突き立てられ、休むひまもなく喘いでいる。
 童司の指が、尻の表面からわずかにふくらんだ股間のクロッチ部分へと滑っていく。

「あっ――」

 クロッチ部分を、人差し指で上下にこすった。
 そこに一本の線ができあがる。
 それはエリのヴァギナの裂け目と対応していた。

「あっ、んっ、ああっ――」

 指先を、膣のあたりにぐいぐいと押しつけた。
 ドリルのように指先を回す。
 エリの腰がぴくぴくと跳ね上がる。
 身体の反応は、すっかり女になっている。

「エリちゃん、服を脱いで」
「脱ぐんですか――」

 呆けたようなエリである。
 拒絶など、思いもつかないようだった。
 セーラー服のリボンを解く。
 脇の下にファスナーがあった。
 じ、
 じ、
 と下ろしていく。
 腕を抜き、一気に脱ぎ去った。
 セーラー服の下には、白いキャミソールを着ている。
 それも脱ぐように指示すると、エリはすぐに従った。
 ブラジャーは、年端もいかない子どもがするような、ワイヤーやパットのない、白いスポーツブラのようなタイプだった。
 明らかにエリの発育具合とは合っていない。
 白いブラジャーの表面から、茶色い突起がふたつ、見事に浮き出している。

「それも、脱いで」
「はい――」

 腕を先に抜いて、ぐっと頭の上に押し上げる。
 尖った乳首が引っかかっていた。
 解放されると、青い乳房が震えてこぼれだす。
 大きかった。
 佳恵ほどではないが、明らかに平均以上はある。
 腰もくびれて、身体はすっかり大人の女になっていた。
 乳房はまっ白で、まったく形も崩れず、きれいなおわん型だった。
 その先端に、大きめの乳首がつんと勃起している。
 乳輪も大きかった。
 雪の表面に、淡い桜を散らしたような色だった。
 エリは恥じらって、腕で隠したが、やわらかそうな質感が伝わってくるばかりで、とても細い腕では隠しきれていない。
 童司はエリを抱き寄せた。
 右の乳房にしゃぶりつく。

「あっ、んっ――」
「佳恵さんは、もう片方を舐めて」
「は、はい――ごめんね、エリ――」

 佳恵は、左の乳房にやさしく舌を合わせた。
 童司は乳首を唇で挟み、尖ったその先端を、舌先で好き放題に弾いた。
 佳恵は汚れを舐めとるように、丁寧に乳輪のまわりを舐めて、乳首に到達した。
 ちらと、母が娘を見上げる。
 娘の赤らんだ顔が母親を見下ろしていた。
 舌で、乳首を舐め上げる。
 エリの身体がぞくぞくと震えた。
 童司は、エリのまだわずかに硬い乳房をほぐすように揉みしだいた。
 そうしながら、腰だけで佳恵を突く。
 佳恵は膣のなかを蹂躙されながら、娘の乳首を舐める。
 異様な状況である。
 童司は佳恵を抱えたまま、立ち上がった。
 佳恵は童司の首に腕を回し、しっかりと抱きつく。
 その身体を机に寝かせる。
 エリを、となりに寝かせ、同じ体勢を取らせた。
 赤ん坊がおむつを替えてもらうときのように、足を開かせ、仰向けにさせた。
 紺のプリーツスカートをめくり上げ、飾り気のない白い下着を引っ張り下ろした。

「んっ――は、恥ずかしいです――」

 泣き声のように、エリが囁いた。
 童司は、母娘の陰部をじっくりと見比べる。
 エリの股間に、陰毛はなかった。
 恥丘もつるりとしている。
 ヴァギナはピンク色で、大陰唇と小陰唇が縁取りし、その上部に白っぽいクリトリスがつんと尖っていた。
 佳恵のほうは、薄いが陰毛も生え、ヴァギナもわずかに色づいている。
 しかし形はよく似ていた。
 童司のペニスは佳恵のヴァギナに突き刺さっていた。
 それを引き抜き、母親の愛液を滴らせたまま、エリのヴァギナにあてがう。
 張りのある肉の表面は、愛液でしっかりと覆われていた。

「い、入れるんですか――」

 佳恵が呟く。
 エリの手を、きゅっと握った。
 エリも握り返し、そのまま、佳恵の唇を吸った。
 美しい母娘が口づけするのを眺めながら、童司はゆっくりとエリのなかにペニスを沈める。

「あっ、ああ――」
「リラックスして――力を抜くんだ」
「んっ、あっ――」

 ずぶずぶと、ペニスが若い膣のなかに沈んでいく。
 よく濡れていた。
 しかし締めつけがきつく、なかなか奥まで入らない。
 エリは目の端に涙を貯めていた。
 童司は、仰向けになってもすこし流れていかないエリの乳房を吸い、丁寧に愛撫して身体をほぐしてやる。
 ぬるり、と、ペニスが奥まで入った。

「は、入りましたか――んっ――あっ、なかで、びくびくしてるのがわかります――」
「痛くないか? 血は――出てないみたいだけど」
「ん――だ、大丈夫です、あの、あたし、はじめてじゃないから――」
「えっ、そ、そうなの?」
「だって、あの、いま、人工授精の申請書を出してて――あの、お母さんみたいに、早く子どもを産みたいと思って。処女だと、申請書が書けないから、その、友だちに頼んで――」
「そういうこともあるのか――」
「わたしのときも、同じでした」

 佳恵は、娘の頬を伝った涙をゆっくり舐め取った。

「でも申請書を出していたなんて知らなかったわ――」
「抽選だし、受かるかどうかわからないから、お母さんには黙ってたの――」

 そのあたりのことは女にしかわからないことだと童司は思いながら、ゆっくりエリのなかからペニスを引き抜いた。
 エリの身体が再び緊張する。
 膣の締まりがぎゅっときつくなると、ペニスが傷むほどである。
 しかしよく濡れている分、出し入れさせると、恐ろしいほどの快感を生む。
 童司は亀頭が見えるまで引き抜いて、再びエリの様子を見ながら差し入れた。

「んっ、んぅ――へ、変な感じですね、なんだか――」

 エリはそっと自分の下腹部を押さえた。
 童司はゆっくり腰を振りながら、佳恵のヴァギナを指でまさぐる。

「あっ、んんっ――」

 こちらの膣はいくらか緩く、指もぬるりと飲み込む。
 そのまま、わざと音が立つように手のひらを立て、かき回した。

「あっ、ああっ、んんっ――はあっ、あっ――」
「んっ、んっ――あっ、あんっ――」

 母娘はぎゅっと手を握り合い、いっしょになって喘いだ。
 左手で佳恵の熱い肉壷をかき回しながら、ペニスでエリの膣の締めつけを楽しむ。
 しかし童司も、すでに余裕がないほど興奮を高めていた。
 ペニスはいつ爆発してもおかしくないほど硬くなり、亀頭も膨れ上がって、愛液にまみれてわからないが、先走り液もどっと溢れ出している。

「エリちゃん――そろそろ、出そうなんだけど――どうしたらいいかな」
「ど、どうしたらって――んっ――」
「よかったら、エリのなかに出してあげてください」

 佳恵が、じっと童司を見上げた。

「わたしは、もう年だから――でも、もし健康な精子を受精できたら、エリが男の子を埋める可能性も出てきます――ぜひ、そのままエリのなかに」
「お母さん――んっ、んっ――」

 ず、ず、とエリの身体が上下する。
 張りのある乳房がゆさゆさと揺れた。
 童司はエリを見下ろす。

「エリちゃん、それでいいかな――いやなら、もちろんそんなことはしないよ」
「い、いやじゃありません――でも、園道さんが――んっ、あっ――」
「おれは――このまま、出すよっ――んんっ――」
「あっ、ああっ――」

 腰の動きがぐっと早まった。
 エリは形のいい眉を潜め、胸の前で佳恵の手を強く握りしめた。
 童司はエリの腰を掴んで、激しくペニスを出し入れさせる。
 限界に近いこともあって、時間はそう長くなった。
 一分か二分の、窒息しそうな興奮である。
 エリは全身がかっと熱くなるのを感じた。
 それが絶頂だと、そのときはまだ理解していなかった。
 童司はエリの狭い膣のいちばん奥に、さんざん溜め込んだ精液をどっと吐き出した。

「あっ――」

 どくどくと精液が注ぎ込まれる。
 最後の一滴まで搾り取るように、狭い膣がぎゅうぎゅうと締まっている。
 注ぎ込んでいるのか、搾り取られているのかは童司にも定かではなかった。
 長い射精だった。
 ペニスが激しく打ち震えて、ようやく引き抜く。
 ぷっくりと盛り上がった肉の裂け目は、赤く充血し、ぴたりと閉じた膣の入り口がひくひくと動いていた。
 エリと佳恵は手を握り合ったまま、荒く息をついている。
 いまさらのように、童司は母娘ふたりを犯したのだと理解して、罪悪感とほの暗い興奮に震えた。

「――あとで、申請の取り消しをしてもらわなくちゃ」

 ぽつりと、エリが呟き、自分の下腹部に手をやって、乱れた髪の下で笑った。
 それが年齢どおりの無邪気な仕草にも見え、成熟した女の仕草にも見えて、童司はエリの存在を掴みかねた。
 どちらにしても――エリが女の顔をするようになったなら、そう仕向けたのはほかならぬ童司なのである。


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