NEWS & TOPICS  NO.9(2007年度)
ようこそ先輩!獣医学部の特別授業で植田啓一氏が講演

 獣医学部獣医学科は、6月27日、中央講義棟において、一年生を対象とした授業に同学科卒業生で沖縄美ら海水族館獣医師の植田啓一氏を招き、特別講演を開催しました。

 植田啓一氏は、1996年本学を卒業後、沖縄美ら海水族館で12年間獣医師として勤務、今回は、「水族館の社会的役割」について講演しました。

<講演>
 水族館は、野生動物を観たい人間のエゴのために存在すと言われることがありますが、いまだ生態がなぞだらけのイルカなどは、日々観察し、飼育してみないと分からないことが沢山あります。
 水族館は、病院ではありません。日々、動物の健康管理をしていく仕事です。
水族館の社会的役割は、以下のごとくであり、その役割は増大しています。
1. 教育 2. レクリェーション 3. 自然保護 4. 調査研究  
・ 野生動物を望ましい方法で捕獲すること ・ 安全に輸送すること・ 良好な状態で長期に生存させること。(餌が肝要)・ 飼育下で繁殖に成功すること・ 新生児を長期に飼育すること

 水族館の獣医師の役割は、ひと言で言うと「より良き飼育に資すること。」であり、研究者との共同研究が欠かせません。そういった努力が野生動物を救うために役立てられると考えています。
 茶髪、個性的なメガネがトレードマークの植田氏は、大阪府道頓堀出身で、繁華街に馴染んでいたため、在学中ネオン恋しさに札幌すすきのに住んでいたと学生時代のエピソードを話す。
講演後、植田氏を囲む水族館獣医師を目指す学生達

植田氏が中心となって、原因不明の病に侵され、尾びれを失ったバンドウイルカのフジを元気にするために人工尾びれ開発プロジェクトを立ち上げ、タイヤメーカー、造形家、研究者など様々な技術者の力により世界初の人口尾びれを開発することに成功したことが脚光を浴び、これを物語とした映画「ドルフィンブルー フジもう一度宙へ 」が7月7日に公開されます。

インタビュー記事は「酪農学園だよりvol.108」活躍する同窓生に掲載