FILE142:「沖縄美ら海水族館スペシャル」驚異のバックヤード編
2011年4月21日放送
NHKオンデマンド:配信終了。<2012年4月20日まで>
内田詮三(沖縄美ら海水族館館長)
年間270万人の老若男女を魅了する「沖縄美ら海水族館」の秘密に迫る、2週連続企画の第2弾。後編は水族館のバックヤードに潜入、世界一・世界初が目白押しのユニークな展示を支える最先端技術の数々を体感する。
まずは全長8m超のジンベエザメや黒潮の回遊魚たちが群泳する美ら海名物の巨大水槽を、真上から見物。爆笑問題・田中が決死の覚悟で水槽に身を乗り出し、妊娠マンタのエコー撮影に挑む。マンタのおなかの赤ちゃんとの対面なるか?
いっぽう別室では、テーピングされたウミガメが健康診断の真っ最中。CT画像から判明した衝撃の事実とは?さらに人魚伝説のモデルともなった「海の美女」へのエサやりも体験。美女の意外な好物が明らかになる。病からの復活感動ストーリーが映画にもなった、イルカ・フジとも対面。人工尾びれによる見事なジャンプに驚嘆する。
「水族館の意義とはなにか?生物たちにとって善なのか悪なのか?」
深遠な議論の果てに内田詮三館長が見せたのは、爆笑問題もびっくりの「未来の水族館」だった・・・。
内田詮三(うちだせんぞう)
2002年、同館を新築した沖縄美ら海水族館・館長に就任。サメの飼育実績から著した論文で、64歳にして博士号を取得。自らを「サメ屋、エイ屋」と称する。
2009年海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣表彰)。
今回の対戦内容
内田詮三(うちだせんぞう)/爆笑問題
内田館長:私も水族館生活50年。水族館っていうのは動物に対して悪いことをしていると思ってますよ。イルカさんに「こっちに来るかい?よし行こうか」ってOKもらって来ているわけじゃない。有無も言わせず捕まえ、そして運んできているわけでしょ。それでやっている以上は、少なくともなるだけ苦痛を与えない、快適に過ごさせなきゃいかんっていうことでもあるし。
太田:どうなんだろうね。野生でいたらこんなに長生きはしない可能性だって…
館長:それは分からないですね。だから動物の幸せとはなんぞやって非常に難しい。
田中:「ペットはかわいそうだ」って最初から言う人いるけど、うちの猫なんてすげえ幸せじゃないかなってね。大事に大事に。
内田館長:例えばライオンが、動物園の狭いところでゴロゴロしていると「かわいそう。もっと広いところでバンバン跳んでいるといい」と思うけど、これはね、人間が、見る側がそういうのよりも生き生き走っているのを見る方が気持ちいいから、自分の気持ちを投影しているだけでね。ライオンはどっちが気持ちいいのかほんとうは分からないですよね。
先生の対戦感想
内田詮三(うちだせんぞう)
やっぱり太田さんは意外とすごい運動神経良さそうで、身が軽いなっていうのが非常に印象的だったね。
それとあとは田中さんは、全体を見て行動も発言もバランスが取れていると。
総じてなかなかバランスのいいコンビであるなと思ったところです。
マンタのエコー撮影を体験させてあげるなんていうのはね、特別サービスですよ。
まあ、ぶっつけ本番であれだけやれば上等ですよ。そう思ったね。
爆笑問題がプレゼンした新しい水族館の形(太田:潜水艦で海中探索、田中:川の生態系をまるごと展示)は、どっちも将来の水族館としてはあり得る姿でしょうね。
発想としても面白いと思いますよ。センスもありそうだし。
爆笑問題の対戦感想
田中:楽しかったですね。普通に今日はね、仕事っていう感じもあまりなく(笑)
もともと水族館とか、そんな僕興味ある方じゃなかったんですけど、美ら海水族館に行ったら絶対テンション上がるだろうなとは何となく思っていて。やっぱりジンベエザメのデカさとかはテンションが上がりますね。あんな近くであんな巨大な生物を見るってないですもんね。動物園のゾウとかキリンとかもデカいんだけど、それは何かやっぱり子どもの頃からすでに経験があるから。
あのやっぱり泳いでいる姿がね、ちょっとこう優雅なあの感覚っていうのが、やっぱり見ていて圧倒されるというか、非常に面白かったね。
マンタのエコー撮影とか楽しかったですよ。マナティーも可愛かったし。マナティーに餌やるとかは、それこそ経験出来ないからね。
太田:何かあの巨大水槽なんか見ていると、大きいサメとこんな小さい魚と、同じ場所に普通にこうね、共存しているっていうか。まあ海の中はもっといろんな種類の生物がいるんだろうけど。あれだけの魚が同じ領域っていうか、同じ場にいて、何か普通にぶつかりもせず泳いでいるっていうだけで、何かとても不思議な感覚で。何であんな尺度の違うものが同じ場所にいるのかなって。
海の生物っていうのは、ちょっと不思議だなと思って。何で人間だけこうなったのかっていつも思っちゃうんだよね。他の生物と比較して、何で人間だけここまで進化、進歩したのかなって。異常だなっていうか、奇跡ですよね。あれだけの種類を見ると。
ディレクター観戦後記
半年以上前、取材で初めて沖縄美ら海水族館を訪れた時、巨大水槽のあまりの迫力に圧倒されたのを覚えています。
「日本人にもこんなにダイナミックなものがつくれるんだ…」。
これが率直な感想でした。
映画に例えると、日本人が「スター・ウォーズ」のようなハリウッド大作映画をつくってしまった感じでしょうか。
「こんなすごい水族館を、どうやって番組にしようか…」
やる気と共に、規模が大きすぎてどこから手をつければいいのか、軽いパニック状態に…。
そんな時、アロハシャツをこよなく愛する内田館長をはじめ、水族館スタッフの皆さんにどれだけ助けられたことか…(涙)。
今回の企画では、水族館の皆さんに全面協力をして頂きました。
この業界に入って、あんなにたくさんの人で溢れるロケ現場を見たのは、未だかつてなかったのではないか…。
今回の沖縄ロケの想い出、それは、素晴らしい水族館で、素晴らしい方々とお仕事をご一緒させて頂けた事です。
次回訪れた時は、プライベートで存分に水族館を満喫したいナ〜♪
いつになるやら…(涙涙)。
KEYWORD
生命
生物
人間
自然
特別