元暴力団幹部がNTTと争い始めた原点とは

  • 2012/02/20(月) 17:26:17

 筆者は、昨年からNTTグループの取材を続けているが、取材を始めるきっかけは、元暴力団幹部の鴻池宗一氏という人物がNTTグループと揉めていると知ったことだった。

  鴻池氏は、1955年にヤクザの総長の息子として生まれ、自身も都内の某組織の幹部にまでなるが、約20年前「ヤクザに愛想が尽きた」と組を抜け、その後、経営コンサルタントや裏社会の評論家などとして活動してきた。

  評論家としては、1992年にヤクザの問題を描いた映画「ミンボーの女」を製作した故伊丹十三監督が、山口組系後藤組の組員に襲撃されて重傷を負った事件の後には、テレビに元暴力団幹部として出演し、一般人にそんなことをするヤクザがいたら「そんなヤクザはゴミだ」などと痛烈に批判。その後、何者かに自身が銃撃される事件が起きた。

 オウム真理教事件の際も、暴力団とオウムの繋がりについて週刊誌でコメントするなど、これまで度々、メディアに登場していた。

  ちなみに、ネットで鴻池氏について検索すると、組織を「破門された」などと書かれていたりもするが、当人は「破門なんかされていない。ネットの情報はウソが多い」と苦笑している。

                                (鴻池宗一氏)

 そして今回、NTTとの揉め事について聞くと、その原点は、ビックカメラでテレビを購入した際、3万円の割引を受けたが、店員から「ひかりTV」の加入が条件という話は聞いたものの、後で「050あんしんナンバー」など説明をまったく受けていない各種サービスの契約まで結ばされていたことに気づいたことだったいう。

 最初、鴻池氏自身が調べたところ、店頭で鴻池氏に対応したのは、ビックカメラの創業者が大株主である人材派遣会社のスタッフであることが分かり、ビックカメラや、かねてから付き合いの深かったNTTグループの関係各社に「なんで、こんな不適切な営業をさせているのか」と抗議をしたという。

ところが、ビックカメラだけなく、NTTコミュニケーションズやNTT東日本など関係各社も、派遣会社側の「ちゃんと説明をした」という言い分を根拠に、まともな対応をしなかったという。

この時点では、鴻池氏にすれば、単純に謝罪と対応の是正を求めただけだったが、対応した各社の窓口は、元暴力団幹部という経歴に反応したのか、過剰に防御の姿勢を固めたとみられる部分もある。

  そこで筆者は最初、鴻池氏の主張が本当か確認の取材をした。すると、鴻池氏だけでなく、同様なトラブルに巻き込まれ、「騙された」などと訴える人は多数いて、国民生活センターなどにも多数の苦情や相談が寄せられていることが分かった。

  それで、最初に書いた記事は、「地デジ移行につけこむ NTTとビックカメラ」(http://www.kinyobi.co.jp/news/wp-content/uploads/2011/08/110902-003trim.pdf )だった。

  その後、鴻池氏がNTTグループに抗議を続けていたなかで、ドコモを恐喝したとして逮捕されたが、結局、無罪釈放されるという“事件”まで起こり、その過程で、鴻池氏とNTTグループとの暗部まで明らかとなってきたのだが、その闇の領域は、さらに広がろうとしている。

  というのも、確かに今の鴻池氏は、どこかの組織に所属する暴力団員ではないが、その活動のすべてを明らかにしているワケでもなく、別の見方をすると、鴻池氏の活動の多くは、白黒の境目があいまいなグレーゾーンで行われてきたようにも見えるからだ。

そして、鴻池氏の闇とNTTの闇は、第三者が想像する以上に重なり合っているとみられるのだ。

また、NTTグループについて取材を続けるなかでは、ドコモの山田隆持社長らNTTグループの幹部やOBが、賭けゴルフや賭け麻雀に耽っているという、鴻池氏とは関係のない問題も見えてきた。

このため、筆者は今後もNTTグループについて、取材を続けるつもりだ。

 

ところで、鴻池氏は芸能界や政界などにも顔が広く、様々な有名人との交流があるようで、以下の写真は、鴻池氏が妻(ロシア人)とともパーティーなどに出席した際に写したものだという。

 


 

 

それゆえ、鴻池氏の問題については、意外なところでも注目されて方々がいるようだ。

NTTドコモと元暴力団幹部の過去と現在

  • 2012/02/16(木) 16:52:17

 週刊金曜日の2月3日号に掲載された「NTTドコモと元暴力団幹部の過去と現在――元暴力団員、無罪釈放の不可解」という記事が、ネット上で公開されています。
 http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1614

 ご興味のある方は、読んでいただければ幸いです。

 2月3日号には、このほか、NTT幹部らが、賭けゴルフなどに大々的に興じていたという話も掲載されましたが、いずれの問題も引き続き、取材を続けています。

 NTTグループに関しては、取材をすればするほど、不可解な話が多く、いったい、どうなっているの? という思いが募ります。

 そのうち、こぼれ話など、こちらで書き込むことになるのかもしれません。 

 

NTTの裏の顔とは・・・。週刊金曜日で連載中!

  • 2012/02/04(土) 18:48:15

 しばらく、こちらのブログが放置状態になってしまいすみません。それで今回は、最近、こんな仕事をしているということを、少しまとめてご報告させていただきます。

 昨年から、私はNTTグループに関する取材を続けており、その結果、現在発売中の「週刊金曜日」(2月3日号)に、その関連記事が2つ同時に掲載されております。

 ひとつは、NTTグループへの抗議活動を続けていた元暴力団幹部が、昨年末に恐喝未遂容疑で逮捕されたのに、結局、無罪釈放されたという“事件”の顛末です。
 もう一つは、NTTドコモの山田隆持社長らNTTグループの幹部やOBらが、賭けゴルフや賭け麻雀に耽っているという話です。

 ちなみに、NTTに関して、最初に記事が掲載されたのは昨年9月2日発売の週刊金曜日で、この記事「地デジ移行につけこむ NTTとビックカメラ」(リンク先は目次 http://www.kinyobi.co.jp/news/wp-content/uploads/2011/08/110902-003trim.pdf
)でした。

 その内容を要約すると、NTTコミュニケーションズなどNTTグループ各社が、ビックカメラなど家電量販店でテレビなど割引く代わりに、光フレッツなど様々なサービスに加入させるという営業を行っていますが、その方法に問題があるという話です。

 たとえば、テレビを3万円割引く条件として、基本となる光フレッツに加入するだけでなく、光テレビやひかり電話、050あんしんナンバーなど様々なオプションの契約もする必要があるですが、店頭で、その説明がなかったり、説明不足のまま、顧客が了解していない契約までさせられてしまうケースがあるのです。
 
 約20年前に組織を抜けた元暴力団幹部で、現在は経営コンサルタントをしているK氏という人物が、上記のトラブルに巻き込まれ、NTTグループに抗議をしていました。
 
 この問題について調べてみると、実は、K氏だけでなく、同様なトラブルが多数起きており、国民生活センターなどに苦情や相談が多数寄せられていたことが分かりました。

 そして、K氏が、上記の抗議を続けていたなかで、突如、NTTドコモを恐喝したとして、昨年12月5日に逮捕されてしまいました。

 ところが実は、K氏とNTTグループには、長年に渡って表と裏の両面で様々な交流があり、両者の関係は、簡単には説明できない深くて複雑なものだったのです。

 ちなみに、逮捕に関する最初の記事はコレ
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/?p=1539
ですが、冒頭に書いたように、K氏は、昨年12月26日に「拘留の必要はない」となんのお咎めもなく釈放されました。

 いったい、元暴力団幹部とNTTドコモの間で、何が起こっているのか。

 その詳細を書いたのが、冒頭に書いた今週の記事の一つなのですが、興味深いのは、取材をすればするほど、K氏とNTTグループとの過去の“不適切な関係”が明らかになってきていることです。 

 さらに、NTT関係者への取材を続けるなかで、K氏の話とは別に、ドコモの山田隆持社長らが、NTTグループ関係者の間で、賭けゴルフや賭け麻雀を堪能するため「MG会」という同好会を組織し、定期的に大会を開いているという話が、こちらの耳に飛び込んできました。

 最近、頻繁に通信障害など起こしているドコモですが、社長が違法な遊びの愛好家というのですから、会社の内部統制も、どこかおかしなことになっているのかもしれません。

 ということで、もし、こうした話に興味がある方は、週刊金曜日(2月3日号)http://www.kinyobi.co.jp/news/wp-content/uploads/2012/02/120203-003trim.pdfに目を通していただければ幸いです。
 
 また、NTTにまつわる取材は、今後も継続して行くつもりですので、ご意見、ご批判、ご感想など寄せてもらえればうれしいですし、情報提供や仕事の依頼なども、当然、ウエルカムなので、なにかお話のある方は、メールでもいただければ幸いです。