このブログでも募集したネット歌会の採点と感想がやっと終わりました。
呼びかけた以上は報告する義務があると思い、ここで結果発表します。上から順番に採点結果、感想、投稿作品、となっています。
五行歌の創始者・草壁焔太先生が言われる通り、歌会の採点は歌会を楽しむゲームの一種であり、点数が高いから優れている、低いから下手だ、というものではありません（今回は偶々非常に優れた歌が一席に選ばれています）。また、五行歌が面白いのは俳句や短歌のように「添削」をしないことです。「今が人生で一番若いとき」であるように、その歌はその時の詠み手の心の必然、という考え方なのでしょう。もちろん、歌会の後の相互批評や反省会が最大の楽しみですし、ベテランの方に「ここをどう変えたらいいでしょう？」と聞けば丁寧に指導してくれます。
私は若い頃から詩人になるのが夢でした。母校の大学院で最先端の詩学を研究しようと思ったら偶々当時は明治以前の文学しか扱ってなく、「演劇映像専修」の中で寺山修司の実験映画のような詩的映像が学べると聞きました。大学生の時に映画の授業は一つも受けていなかったため２年かけて集中的に名画を見ながら映画史と映画論を勉強して受験したら運よく合格し、研究・批評を通してやりたい事の８割方は文章に残しました。
そういう生活の中で、自分は何のために生まれてきたのかを模索した結果、「研究や文学よりも、より直接的な世直し」と考え方が変化し、禅を学びながら愛国者の先輩たちと交流を深めていきました。
そういう時に出会った一人が草壁焔太先生です。先生は６歳のときに詩人になる決心をされ、短歌や俳句の５７調７５調は漢詩の影響で、その前の大和歌は自由律だったという研究の末に五行歌運動に命を賭けてこられた方です。
私は５０代後半になり、歩行障害という状況の中で何が出来るかと言えば文章を書くことぐらいです。そういう訳で一見デタラメのようですが「微笑禅の会」「八王子五行歌会」そして教育改革、世直し運動は自分の中では一貫した目的で繋がっています。
いつもですが、話が長くなりそうなので結果報告に移ります。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
採点結果です。3席までは雅号と得点、4席以下は提出番号と点数を公開します。
なお、3人が採点欠席の他に3人は４〜５首のみに採点されたことを報告します。
五行歌本部のネット歌会の規則に従ったのですが「持ち点を決めたほうがいい」「気に入った歌だけ選ぶのはどうか」などの意見がありました。私も初の試みだったので規則どおりに、全員の採点が終わるまで、と粘りましたが、今後は作品募集締め切りから採点と感想発表までの間が長くても1週間以内で終わるガッシリした規則を作ろうと思います。
桜（はな）の
かけら
光になって
還るそら
霞む
GENTA様（一席）16点
東京に来てから
はや四年
古里の思い出
引きずりながら
今を大切に生きる
みつる様（二席）14点
剔出せよ
血にまみれ
晒し者になって
歌を
詠め
つだみつぐ様（ニ席）14点
春田の
いつもの道で
銀マムシ
清め塩を持つほど
怖くて、恐ろしくて、
小倉様（二席）14点
目を閉じ
遥かしのぶ
ふるさと
アカシアの花
雨 斜め打つ
かわせみ様（三席）13点
芝桜
庭一面に
咲き乱れ
春の日差しを
浴びて輝く
カンジ様（三席）13点
以下、番号と得点です。
��12点
�´ΝЛ�10点
��8点
_______________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
以下は感想を書いて頂いた方の文章を合わせたものです。私自身の感想は、一席の�イ亙�かり易くかつ巧み、得点の高い歌は「平易、自然、感情移入できる」という共通点がある中で��は異質で印象的でした。一読して分かりにくい歌、例えば�´↓Л�などは、普通の五行歌の型を破っていく可能性という点で貴重だと思います。
今日は深夜12時までにこれらの結果を1200字（空欄を含め）に纏める作業が待っています。皆さまの闊達な議論を期待しています。
�ー�己矛盾の悩みとも取れる。2句切れのリズムもいいですね。
��八重桜の重い感じの花から、このようなスケールの大きな想いが生まれたのかと思う。歌われているのが花の命ばかりではないような印象を受けるが、誰のどのような命なのかよくわからない。/短歌調ですね。主題が見えにくいと感じました。
�８杜い了廚そ个麓里討困鵬�に置いておいて今を大切に生きる作者の姿勢が前向きで共感できる。実は古里の思い出も作者にとって大切であることも窺える。/都会の暮らしにも慣れてはきたようですね。説明的歌になりました。
�ぅ▲�シアの房になった花を斜め打つ雨の様子が目に浮かぶ。それは雨の日の作者の、脱力し、敢えて逆境にもあらがわず、しなやかにやり過ごす心情を表しているかのようだ。/故郷への思いがにじむ歌ですね。
�ィ院腺換毀椶良措未蓮�美しく新鮮なとらえ方で、それでいて無理が無くすっと胸に落ち、感動した。５行目は写実的で簡潔だが、却って１〜４行目を引き立たせて良いと思う。/「春」という字が使われていないのに、春そのものが表れていて、美しい。
�Δ海譴録誉犬糧召个魏瓩�たころの熟年の方の作品だろう。今の季節、つまり熟年の時を謳歌しようと詠い、しかも５行目（歩み静かに）はまさに熟年の落ち着きであり、魅力がある。/文語的表現で硬いと思いました。五句が浮いている。
�Д�ードリーという名が、大野君に因んだものなのかなと思わされ、３〜５行目のはじめが韻を踏んでいるようでおもしろい。作者は大野君を思って眠れぬわけではないだろう。ただただおーちゃんがかわいいのだろう。/この歌は好みが分かれそうですね、４句五句で。
�┷郤圓硫箸猟蹐世蹐Δ�。それではあまりに自慢げな歌とも思う。このような光景を間近に観たいと思う。明るい歌だ。/ 花の美しさですが、ちょっとありきたりかな。芝桜じゃなく他の花でもよさそう。
��歌を詠む時、少なくとも心の片隅にはこのような覚悟を持つものだと思う。これを敢えて歌にしてしまう、作者の一途で真剣な作歌の姿勢が胸を打つ。/言葉がユニークですね。/ 身から絞り出すようにして歌を詠む作者は、どれほどの苦しみを抱えているのだろうか。
��マムシは命にかかわる危険な蛇だ。噛まれて、まわりに助けてくれる人がいなければ命を落とす。私も田舎町で暮らしていた時にマムシを近くで見たことがあり、恐ろしさに共感した。/好きですね、こんな歌 清め塩で蛇への恐怖心がいっぱい！/魔物とも思える恐ろしさが伝わってくる。「マムシ」の中にある、作者が清めたいほど恐れているものは何か。
��３〜５行目に何やら意味ありげで魅惑的でロマンチックなものが並ぶ。たしかに懐かしいような感じもする三つのもの。作者はロマンチストで空想家で、いわゆる詩人？/う〜ん・・・・意味不明な難解歌です。盛り付け過ぎと思いました。
��作者の寂しさとともに、愛犬家ぶり、一晩一晩を犬と眠って少しずつ癒されて行く様子が思い浮かぶ。愛犬家は、「犬と二人で」という表現を当然のごとく使うものらしいが、この歌の５行目では一段と味わい深く感じられる。/寄る辺は愛犬のみになってしまったのですね。読んでそのままの歌になっています。/「犬と二人」と、犬を人のように数えているところがとてもいい。作者に寄り添う犬もまた、愛する人を失い、悲しみを共有しているように感じる。
_________________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
��
装えば装うほど
纏うのはやさしさ
身の内の
勝気の虫は
難なく食い破る
��
八重桜
神代に捨てる
命かな
生死の別れ
命決の刻（とき）
��
東京に来てから
はや四年
古里の思い出
引きずりながら
今を大切に生きる
��
目を閉じ
遥かしのぶ
ふるさと
アカシアの花
雨 斜め打つ
��
桜（はな）の
かけら
光になって
還るそら
霞む
��
春過ぎて
青嵐吹きし時も過ぎ
霜には早き
千秋を謳歌せん
歩み静かに
��
眠れぬ夜は
隣で眠る
おーちゃんの寝息を数えてみる
大野君からもらった
オードリーという名のパグ
��
芝桜
庭一面に
咲き乱れ
春の日差しを
浴びて輝く
��
剔出せよ
血にまみれ
晒し者になって
歌を
詠め
��
春田の
いつもの道で
銀マムシ
清め塩を持つほど
怖くて、恐ろしくて、
��
見たこともないのに
懐かしいのは何故？
燃えながら降る雪
湖底に響くオルゴール
死んだ恋人と飲むワイン
��
今日もまた
寄り添い眠る
亡き妻の
身代わりとなりし
犬と二人で
呼びかけた以上は報告する義務があると思い、ここで結果発表します。上から順番に採点結果、感想、投稿作品、となっています。
五行歌の創始者・草壁焔太先生が言われる通り、歌会の採点は歌会を楽しむゲームの一種であり、点数が高いから優れている、低いから下手だ、というものではありません（今回は偶々非常に優れた歌が一席に選ばれています）。また、五行歌が面白いのは俳句や短歌のように「添削」をしないことです。「今が人生で一番若いとき」であるように、その歌はその時の詠み手の心の必然、という考え方なのでしょう。もちろん、歌会の後の相互批評や反省会が最大の楽しみですし、ベテランの方に「ここをどう変えたらいいでしょう？」と聞けば丁寧に指導してくれます。
私は若い頃から詩人になるのが夢でした。母校の大学院で最先端の詩学を研究しようと思ったら偶々当時は明治以前の文学しか扱ってなく、「演劇映像専修」の中で寺山修司の実験映画のような詩的映像が学べると聞きました。大学生の時に映画の授業は一つも受けていなかったため２年かけて集中的に名画を見ながら映画史と映画論を勉強して受験したら運よく合格し、研究・批評を通してやりたい事の８割方は文章に残しました。
そういう生活の中で、自分は何のために生まれてきたのかを模索した結果、「研究や文学よりも、より直接的な世直し」と考え方が変化し、禅を学びながら愛国者の先輩たちと交流を深めていきました。
そういう時に出会った一人が草壁焔太先生です。先生は６歳のときに詩人になる決心をされ、短歌や俳句の５７調７５調は漢詩の影響で、その前の大和歌は自由律だったという研究の末に五行歌運動に命を賭けてこられた方です。
私は５０代後半になり、歩行障害という状況の中で何が出来るかと言えば文章を書くことぐらいです。そういう訳で一見デタラメのようですが「微笑禅の会」「八王子五行歌会」そして教育改革、世直し運動は自分の中では一貫した目的で繋がっています。
いつもですが、話が長くなりそうなので結果報告に移ります。
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
採点結果です。3席までは雅号と得点、4席以下は提出番号と点数を公開します。
なお、3人が採点欠席の他に3人は４〜５首のみに採点されたことを報告します。
五行歌本部のネット歌会の規則に従ったのですが「持ち点を決めたほうがいい」「気に入った歌だけ選ぶのはどうか」などの意見がありました。私も初の試みだったので規則どおりに、全員の採点が終わるまで、と粘りましたが、今後は作品募集締め切りから採点と感想発表までの間が長くても1週間以内で終わるガッシリした規則を作ろうと思います。
桜（はな）の
かけら
光になって
還るそら
霞む
GENTA様（一席）16点
東京に来てから
はや四年
古里の思い出
引きずりながら
今を大切に生きる
みつる様（二席）14点
剔出せよ
血にまみれ
晒し者になって
歌を
詠め
つだみつぐ様（ニ席）14点
春田の
いつもの道で
銀マムシ
清め塩を持つほど
怖くて、恐ろしくて、
小倉様（二席）14点
目を閉じ
遥かしのぶ
ふるさと
アカシアの花
雨 斜め打つ
かわせみ様（三席）13点
芝桜
庭一面に
咲き乱れ
春の日差しを
浴びて輝く
カンジ様（三席）13点
以下、番号と得点です。
��12点
�´ΝЛ�10点
��8点
_______________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
以下は感想を書いて頂いた方の文章を合わせたものです。私自身の感想は、一席の�イ亙�かり易くかつ巧み、得点の高い歌は「平易、自然、感情移入できる」という共通点がある中で��は異質で印象的でした。一読して分かりにくい歌、例えば�´↓Л�などは、普通の五行歌の型を破っていく可能性という点で貴重だと思います。
今日は深夜12時までにこれらの結果を1200字（空欄を含め）に纏める作業が待っています。皆さまの闊達な議論を期待しています。
�ー�己矛盾の悩みとも取れる。2句切れのリズムもいいですね。
��八重桜の重い感じの花から、このようなスケールの大きな想いが生まれたのかと思う。歌われているのが花の命ばかりではないような印象を受けるが、誰のどのような命なのかよくわからない。/短歌調ですね。主題が見えにくいと感じました。
�８杜い了廚そ个麓里討困鵬�に置いておいて今を大切に生きる作者の姿勢が前向きで共感できる。実は古里の思い出も作者にとって大切であることも窺える。/都会の暮らしにも慣れてはきたようですね。説明的歌になりました。
�ぅ▲�シアの房になった花を斜め打つ雨の様子が目に浮かぶ。それは雨の日の作者の、脱力し、敢えて逆境にもあらがわず、しなやかにやり過ごす心情を表しているかのようだ。/故郷への思いがにじむ歌ですね。
�ィ院腺換毀椶良措未蓮�美しく新鮮なとらえ方で、それでいて無理が無くすっと胸に落ち、感動した。５行目は写実的で簡潔だが、却って１〜４行目を引き立たせて良いと思う。/「春」という字が使われていないのに、春そのものが表れていて、美しい。
�Δ海譴録誉犬糧召个魏瓩�たころの熟年の方の作品だろう。今の季節、つまり熟年の時を謳歌しようと詠い、しかも５行目（歩み静かに）はまさに熟年の落ち着きであり、魅力がある。/文語的表現で硬いと思いました。五句が浮いている。
�Д�ードリーという名が、大野君に因んだものなのかなと思わされ、３〜５行目のはじめが韻を踏んでいるようでおもしろい。作者は大野君を思って眠れぬわけではないだろう。ただただおーちゃんがかわいいのだろう。/この歌は好みが分かれそうですね、４句五句で。
�┷郤圓硫箸猟蹐世蹐Δ�。それではあまりに自慢げな歌とも思う。このような光景を間近に観たいと思う。明るい歌だ。/ 花の美しさですが、ちょっとありきたりかな。芝桜じゃなく他の花でもよさそう。
��歌を詠む時、少なくとも心の片隅にはこのような覚悟を持つものだと思う。これを敢えて歌にしてしまう、作者の一途で真剣な作歌の姿勢が胸を打つ。/言葉がユニークですね。/ 身から絞り出すようにして歌を詠む作者は、どれほどの苦しみを抱えているのだろうか。
��マムシは命にかかわる危険な蛇だ。噛まれて、まわりに助けてくれる人がいなければ命を落とす。私も田舎町で暮らしていた時にマムシを近くで見たことがあり、恐ろしさに共感した。/好きですね、こんな歌 清め塩で蛇への恐怖心がいっぱい！/魔物とも思える恐ろしさが伝わってくる。「マムシ」の中にある、作者が清めたいほど恐れているものは何か。
��３〜５行目に何やら意味ありげで魅惑的でロマンチックなものが並ぶ。たしかに懐かしいような感じもする三つのもの。作者はロマンチストで空想家で、いわゆる詩人？/う〜ん・・・・意味不明な難解歌です。盛り付け過ぎと思いました。
��作者の寂しさとともに、愛犬家ぶり、一晩一晩を犬と眠って少しずつ癒されて行く様子が思い浮かぶ。愛犬家は、「犬と二人で」という表現を当然のごとく使うものらしいが、この歌の５行目では一段と味わい深く感じられる。/寄る辺は愛犬のみになってしまったのですね。読んでそのままの歌になっています。/「犬と二人」と、犬を人のように数えているところがとてもいい。作者に寄り添う犬もまた、愛する人を失い、悲しみを共有しているように感じる。
_________________＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
��
装えば装うほど
纏うのはやさしさ
身の内の
勝気の虫は
難なく食い破る
��
八重桜
神代に捨てる
命かな
生死の別れ
命決の刻（とき）
��
東京に来てから
はや四年
古里の思い出
引きずりながら
今を大切に生きる
��
目を閉じ
遥かしのぶ
ふるさと
アカシアの花
雨 斜め打つ
��
桜（はな）の
かけら
光になって
還るそら
霞む
��
春過ぎて
青嵐吹きし時も過ぎ
霜には早き
千秋を謳歌せん
歩み静かに
��
眠れぬ夜は
隣で眠る
おーちゃんの寝息を数えてみる
大野君からもらった
オードリーという名のパグ
��
芝桜
庭一面に
咲き乱れ
春の日差しを
浴びて輝く
��
剔出せよ
血にまみれ
晒し者になって
歌を
詠め
��
春田の
いつもの道で
銀マムシ
清め塩を持つほど
怖くて、恐ろしくて、
��
見たこともないのに
懐かしいのは何故？
燃えながら降る雪
湖底に響くオルゴール
死んだ恋人と飲むワイン
��
今日もまた
寄り添い眠る
亡き妻の
身代わりとなりし
犬と二人で