東日本大震災:高校わきにがれきの山 生徒らに広がる不安−−宮城・石巻
毎日新聞 2011年05月15日 東京朝刊
東日本大震災のがれき仮置き場が隣接地にできた宮城県石巻市の県立石巻商業高校で、せきや目のかゆみなど不調を訴える生徒が出始めた。全校生徒にマスクを配布するなどの防衛策をとっているが、生徒たちに不安が広がっているという。
この仮置き場は市内5カ所あるうちの一つ。周辺住民や同校の苦情を受けて市環境課も、臭いを緩和するEM菌(有用微生物群)の散布や、囲いを高くするなど対策をしたが、効果は上がっていない。市内で発生したがれきは約540万トン。処理をするための2次置き場の場所が決まっていないため、仮置き場からがれきを動かせず、市も苦しい立場だ。
同校の上総通教頭(52)は「アスベストなどの心配もしている。市や県に早急に対策をお願いしたい」と話す。【写真・文 梅村直承】