選挙:参院山口補選 保守王国の面目 自民「相手にとって不足ありすぎた」/自壊止まらぬ民主
毎日新聞 2013年04月29日 西部朝刊
28日投開票された参院山口補選は、民主が全面支援した無所属の平岡秀夫氏(59)が、自民公認の江島潔氏(56)に大敗を喫した。自民に対抗する「野党共闘」や脱原発・護憲の「庶民的勢力」結集に期待した無所属での出馬。しかし結果は厳しく、山口県岩国市の事務所で平岡氏は口を真一文字に結び、力不足を支援者にわびた。【大山典男、吉川雄策、平川昌範】
平岡氏は昨年12月の衆院選(山口2区)で落選。民主への逆風が続く中、県連は平岡氏を次の衆院選候補とする予定だったが、安倍晋三首相の地元での参院補選を「不戦敗」としたくない党本部が擁立を決断した。平岡氏は離党はせず「無所属」で出馬し、他の野党や市民の支援を集めたいと主張。党勢回復のきっかけがほしい民主としては、今回補選での平岡氏の戦い方は夏の参院選に向けた一つのモデルになるはずだった。
しかし、出馬表明は告示前1カ月足らず。もともと民主は県内組織が弱く、選挙ではポスター張りから集会の動員までが「連合頼み」。その連合は、準備が整わない中での平岡氏の擁立に難色気味だった。
夏の参院選もあるため、最終的には支援を決めたが、全面支援の「推薦」ではなく、「支持」にとどまった。電力系労組を抱え、労働者の生活向上など労働問題を重視する連合にとって、平岡氏が主張した上関原発計画反対、TPP参加反対は、支援の盛り上がりにつながりにくい面もあったようだ。
昨夏の知事選で脱原発を掲げたNPO法人・環境エネルギー政策研究所長、飯田哲也氏の支援者の一部も勝手連で平岡氏を支援したが、動きは鈍かった。飯田氏が特別顧問を務める政治団体「みらい山口ネットワーク」の幹部は「実際は民主党なのに『市民派』と言われても。民主党を隠して、利用されることに違和感があった」と明かした。
出遅れ、支持組織と候補者との政策のずれ、広がりを欠いた草の根運動……。選挙戦術を変えても、民主が自壊していく流れは止まらない。
平岡氏は落選が決まると記者団に「(改憲など)安倍政権の参院選後の危険性を訴えたが、有権者には実感として伝わらなかった」と述べた。