宮内庁職員らが語った天皇家の不安と雅子さま

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(更新 2011/12/27 17:14)

――12月23日に天皇陛下は78歳の誕生日を迎えます。まず、この1年の皇室の動きで印象深かったことを教えてください。

宮内庁職員A 何と言っても天皇陛下の東大病院への入院など、健康問題です。陛下は毎年秋の「全国豊かな海づくり大会」など、皇太子時代からの公務の多くをいまも続けているので、お忙しすぎるんです。

宮内庁職員B 宮内庁としても式典でのお言葉を原則として取りやめたり、宮中祭祀(さいし)の新嘗祭の時間を短縮したり、ご負担を軽減する方策をいくつか打ち出したが、残念ながらそれほど効果は出ていません。

元宮内庁職員C 陛下は軽減にかなりの抵抗感をお持ちだからね。公務に強い使命感をお持ちなので、無理に減らすほうがストレスになってしまう。一種の「ワーカホリック」なんです。

A 加えて、3月11日の東日本大震災後は、被災した東北3県を含め、7週連続で各地の避難所を慰問に回られました。

C 3月16日にはビデオメッセージも公表した。「平成の玉音放送」と呼ぶ人もいますが、皇室の存在感を大きく高めましたね。

A でも、一連のお見舞いがお体に相当のご負担をかけてしまったのは間違いありません。

B 今回、陛下はマイコプラズマ肺炎に感染して入院しました。最初は原因が特定できず、熱も下がらなかったので、医師もずいぶん慌ててました。

元宮内庁職員D それなのに陛下は、入院中も皇太子さまが名代として代読する式典のお言葉をパソコンで執筆なさっていた。本当に仕事熱心な方です。

B 皇居内にある宮内庁病院ではなく、東大病院に入院していただいたのは、仕事から引き離すという意味合いもあったんですけどね。

D 陛下も心配ですが、皇后さまの健康状態も心配です。19日間にわたる陛下の入院中、皇后さまは新嘗祭があった11月23日以外は、1日も欠かさず朝夕2度のお見舞いを続けておられた。お体にこたえていらっしゃるのではないでしょうか。

フリーの皇室ジャーナリストE 私もそう思います。皇后さまは11月29日に、退院された陛下と東京・虎ノ門で開かれた「東日本大震災消防殉職者等全国慰霊祭」に出席なさった。緩やかなスロープを歩いて戻るときに、少しよろけながら歩いていたため、退院したばかりの陛下が腕を取って支えていました。疲れがたまっていたのだと思います。

――そうしたなかでは、秋篠宮さまが誕生日に先立っての会見で言及した「天皇陛下の定年制」を検討する必要があるのでは。

C 秋篠宮殿下は通常、法改正が必要な事柄に言及することはなく、非常に驚きました。なぜあのように踏み込んだ発言をなさったのか、私はどうにも腑に落ちないんです。

B あれは秋篠宮殿下が「定年制」を肯定したわけじゃありません。「定年制を設けたらどうかという意見もある」という質問に引きずられ、殿下が定年制と口にしてしまった部分だけがセンセーショナルに取り上げられてしまったんです。

E 確かに、秋篠宮さまは「今おっしゃった定年制というのは、やはり必要になってくると思います」と発言なさった後に「というか」と打ち消され、「年齢で区切るのか、どうするのか議論しないといけない」と言い直していましたね。

B 殿下の発言は、他の皇族と公務を分担していくという趣旨で、年齢で区切って引退ということは考えていないと思いますよ。仮に陛下がご病気などで体が動かないということになれば、昭和天皇が皇太子時代、大正天皇の摂政を務めたように、定年制よりも摂政を置くほうが現実的な選択肢になるはずです。

C 陛下も定年制はお望みではないでしょう。

――秋篠宮家では、職員が次々に辞めてしまっているとも報じられています。

E 皇太子さまの東宮と秋篠宮家を指して、3K職場と呼ぶ口さがない職員もいるとか。

D 雅子さまが病気療養中である皇太子ご夫妻や、高齢の宮家は、十分に公務をこなせていない。そのため、筆頭宮家として秋篠宮家に負担がかかり、慢性的な人手不足にあるのは事実で、ご本人や職員は疲れ果ててしまうんです。

◆04年にもあった雅子さま離婚説◆

C 頭の回転の速い紀子さまは、どうしても細かいところまで気を回してしまう。悠仁さまが生まれるとき秋篠宮邸を改修したが、改修や物品の調達についても、色や形についても細かく注文されたらしい。「正直、参っています」とこぼす職員もいました。

E 秋篠宮家では、若くて機転の利く職員が重宝されるんですよね。秋篠宮家で働くのは肉体的にきつく、東宮家は精神的にきついということでしょうか。

C それはどうでしょう。現役の職員からは、雅子さまのほうがまっすぐできまじめで普通、という声を耳にします。不思議なことに、あれほど公務を頑張り、皇室内での理不尽な状況に耐えている紀子さまの人気はそれほどでもないんですよ。

――皇太子ご夫妻については、最近になって離婚説も飛び交っています。

A 「女性自身」が「宮内庁幹部が皇太子ご夫妻の離婚を念頭に動いており、皇族や政治家との会談を重ねている」(12月20日号)と書いたところ、ほかの週刊誌も尻馬に乗るように書いてきましたね。

B 個人的に離婚を支持する宮内庁幹部はいるかもしれません。でも、離婚を画策して動き回っているというのはばかばかしい話です。

A 離婚説は2004年にも流れました。皇太子さまが「雅子の人格を否定するような動きがあった」と公表した「人格否定発言」のころですね。この発言は大きな騒ぎになったため、東宮職幹部が「もっときちんと国民に説明するように」という両陛下の意を皇太子ご夫妻に伝えたのですが、妃殿下は電話口で「それなら私、皇太子妃を辞めます」と叫んだそうです。

D そのイメージが今になって蒸し返されたのかな。

A 離婚はともかく、いまの東宮家にとっては、皇太子殿下が雅子さまに強くものをおっしゃることができないことのほうが深刻な問題です。

E 私もこんな話を聞いたことがあります。毎年1月に、天皇陛下や皇族方が和歌を披講される歌会始の儀がありますが、他の皇族方が世の情勢や平和など公的な内容を詠むなかで、雅子さまは00年から09年まで一貫して、皇太子さまや愛子さまなどご家族のことを詠み続けた。お側の人間が皇太子さまにやんわりとご注意申し上げたが、皇太子さまは雅子さまにお伝えにならなかったようです。

D 私はいまの両陛下の東宮時代も拝見していますが、皇太子であった陛下が新嘗祭の儀式を務めている時刻には、妃殿下であった美智子さまも他のことをなさらず、部屋でお祈りをなさっていた。常に陛下と同じ方向を向いておられるんです。いまの皇太子ご夫妻からは、同じお気持ちで何かに取り組んでいらっしゃるという雰囲気は伝わりにくい。

A 皇太子さまが雅子さまに遠慮なさっているように見えてしまうんですよね。

――皇太子さまが天皇に即位すると、雅子さまは皇后になります。公務や宮中祭祀という務めを果たせるのでしょうか。

C 皇太子妃と皇后では重みが違います。いまのまま公務ができなければ、批判は大きくなるでしょう。

――離婚もありますか。

C 皇太子妃のうちであれば、皇室典範にのっとって皇太子さまと離婚するとか、一家3人で皇籍離脱するという方法もなくはない。しかし、皇后の離婚に関する規定はないので、天皇と皇后になったら離婚は極めて難しくなります。

B 公務や宮中祭祀ができないから離婚とは、あまりに飛躍しすぎでは。陛下と二人三脚で公務や祭祀を大事になさっている皇后さまを絶対視するから、「公務ができなければ皇后は務まらない」と思われているだけです。昭和天皇の妻であった香淳皇后も、いまの皇后さまほど公務への同伴や祭祀を務めてはおられなかったはずですよ。


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