15番、ラフからセカンドショットを放つ松山英樹=名古屋GC和合で
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◇中日クラウンズ<第3日>
4日、愛知県東郷町・名古屋ゴルフ倶楽部和合コース(6545ヤード、パー70)▽晴れ、気温19.9度、西南西の風2.6メートル▽賞金(総額1億2000万円、優勝2400万円)▽出場選手66人▽観客9595人▽共催 中日新聞社
ハーフを終えて首位を独走していた松山英樹(21)=東北福祉大=に7打差をつけられていた片山晋呉(40)が、後半に入って4バーディー、1ボギーと猛チャージ。後半5ボギー、1ダブルボギーの松山を一気に抜いて、1アンダーの首位に立った。松山は3打差の3位タイに後退。2位にはこの日1アンダーで回った松村道央(29)=吉野電化工業=が2打差でつけた。片山と松村は、3位タイのS・コンラン(オーストラリア)とともに最終日を最終組で回る。
プロ3戦目の怪物に和合の魔物が牙をむいた。1アンダーでスタートし、前半で4つスコアを伸ばした松山が後半だけで5ボギー、1ダブルボギーと大失速。3位タイに後退した21歳は厳しさをかみしめていた。
「どうしちゃったんでしょう。分からないです。分かってたら止まってますよ。ズルズルいってしまったのがこのコースの難しさ。簡単には終わらせてもらえない」
1番でバーディーを奪うと、5番パー4ではバックスピンをかけた第2打がそのままカップイン。「完璧に打ったショットが入った」。9番もバーディーで独走状態。波に乗ったはずだった。
ところが後半は一変する。14番パー4ではティーショットが痛恨のOB。続く一打も隣のコースに打ち込んだ。林越え、バンカーからのリカバリー、最後は6メートルのパットを沈めたものの、ダブルボギー。15番からも4連続ボギーと崩れた。
「ショットは悪くはないです。いいショットを打ってもグリーンに乗らなかったり、パターも思い通り打っても入らなかったり。流れが合わなくなった」。感覚と結果のズレだった。ただ、これも経験。周りの期待があせることはない。
首位に立った3日の夜、名古屋市内の中華料理店で青木功夫妻と食事をともにした。技術論に始まり、7月に出場する全英オープンのアドバイス、さらにはインタビューの答え方まで多くのアドバイスを受けた。
青木しかり、初日に「ジェリー」の愛称を提案した尾崎将司しかり。誰もがゴルフ界を背負う逸材だと認めている。「これで明日(5日)どういうゴルフをするか楽しみ」。東北福祉大ゴルフ部の阿部靖彦監督の言葉は身内だからではない。
「3打差に踏みとどまれたのは良かった。明日は(片山)晋呉さんを追い詰めるようなゴルフがしたい」。松山本人もあきらめるつもりはない。史上初となるルーキーでの2週連続優勝へ。和合との最終対決に臨む。 (高橋雅人)
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