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【格闘技】

洋太 進退揺れる胸中吐露

2013年5月5日 紙面から

 【バンコク竹下陽二】タイで行われたWBC世界スーパーフライ級タイトルマッチで3度目の防衛に失敗し、王座から陥落した前王者佐藤洋太(29)=協栄=が4日、滞在先のバンコクで一夜明け会見を開き、現役続行か否かで、揺れる胸中を吐露した。

 「辞めてもいいし、続けてもいい。どっちでも転がれる状態。負けたことは悔しいけど、それ以上に疲れました」

 プロ30戦目にして初のKO負け。2005年以来の連勝が21でストップ。日頃、「負けたら辞める」と口にしていた佐藤は「ボクは佐藤家の養子。(岩手在住の)佐藤のおじちゃんも89歳。いつも、“早く帰ってこい”と言われている。結婚する時にも、ヨメのお父さんに“負けたら辞める”と約束して、ボクシング続行を許してもらった。でも、岩手に帰るとなると、子供の転校も絡む。何より、応援してくれた人に“負けたから辞めます”なんて言えない」と複雑な思いを明かした。

 自分を世界王者に育て上げるために投資してくれた協栄ジムにも恩義を感じている。試合後の話し合いで、「恩返しができていない。ボクにはジムを背負っていく責任がある」と話した佐藤に対し、金平会長は「永遠に背負うことはできない。そこまで責任を感じることはない」と、佐藤の意思を尊重することを告げたという。

 「会長の言葉で楽になった。1年前、世界王者になって、人生で一番、華々しい1年でした。チヤホヤもされて、いろんな人に出会って勉強にもなった。でも、戦った相手もレベルが高く、毎回、怖かった。とりあえず、早く日本に帰って、家族に会って、生まれたばかりの赤ちゃんを抱きたい」。やるべきか、やらざるべきか。無期限休養中に沸き上がってくる心の声に従うしかない。

 

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