巨人−広島 2回裏2死満塁、プロ初安打となる右前適時打を放つ菅野=東京ドームで(北田美和子撮影)
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◆巨人6−2広島
巨人が4連勝で貯金を今季最多タイの13とした。2回に菅野の先制打や長野の5号満塁本塁打など7長短打を集めて6点を奪った。7回途中2失点の菅野が4勝目。7回2死満塁のピンチはマシソンが抑えた。広島は中崎が突如崩れた。
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満面の笑みとまではいかなかった。試合後、巨人の新人・菅野の表情は複雑だった。6イニング2/3を5安打2失点にまとめて4勝目。奪三振はリーグトップの41に伸ばした。2回にはプロ初安打・初打点の先制右前適時打を放った。しかし、心にはトゲのように残るものがあった。
「一番悔しかったのは7回を投げきれなかったこと。絶対に投げきりたかった」。本人が言う7イニング目は4四死球を与えて2点を献上。マウンドをマシソンに譲った。「ああいう場面をつくったのは課題」。リリーフ陣の助けを借りたことが気になって仕方なかった。
前回登板のヤクルト戦(4月27日・神宮)でプロ初黒星。変化球を狙ったバレンティンに逆転3ランを許したことから、この日は直球中心に投球を組み立てた。投球パターンを豊富に持つことが菅野の高い実力の表れ。この日は研究していたはずの広島を、変化球ではなく、力でねじ伏せようと試みた。
1回からエンジンはフル回転。6点リードがついたことから首脳陣、本人とも「この点差なら」と初完投を視野に入れていた。しかし、そこは新人。7回は疲れで球を制御できなくなった。川口投手総合コーチは「バテたね。マウンドでため息をついていたよ」。原監督も「もう少しランニング、腹筋・背筋でしょうね」と苦笑いだ。
5日のビッグイベントへ向け、好ムードを持続する勝利に導いた4勝目はリーグトップタイ。奪三振とあわせて投手2冠だ。菅野の眼はさらなる高みを向く。「きょうのことは良い試練だと思って、次に備えたい」。現状に満足せず、向上の道を進んでいく。 (川越亮太)
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