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'13/5/2

五日市岸壁改修へ 広島県




 広島県は本年度、超大型のクルーズ客船が停泊できるよう、広島港五日市岸壁(広島市佐伯区)を改修する。二つの世界遺産や瀬戸内海の多島美が楽しめる広島観光に注目する海外の複数の運航会社から寄港の打診が来ており、ニーズがあると判断した。広島港宇品外貿地区(南区)岸壁は長さや強度が不足し改修費がかさむため、五日市岸壁を超大型船の寄港地として整備する。

 五日市岸壁の改修の中心は南側の係留設備を強化。実際に寄港の打診があった11万トンクラスの客船が寄港できるよう、船が接岸する際にクッションとなるゴム製の防舷材を22基から40基に、ロープを結び付ける鋳鉄製の係船柱を20基から28基にそれぞれ増やす。事業費は2億5千万円。本年度中に完成させる。

 広島湾に来るクルーズ客船は従来、宇品外貿地区岸壁に停泊するが、岸壁の長さ(280メートル)や強度から7万7千トンまでしか接岸できない。超大型船に対応した改修には、老朽化した岸壁の更新などで約40億円が必要と見込まれる。2011年度に耐震化を終え、改修費が16分の1で済む五日市岸壁を選んだ。

 五日市岸壁は、世界遺産の原爆ドーム(中区)と厳島神社(廿日市市宮島)の間に位置し、県は「上陸した乗客が観光するにも便利がいい」と分析する。一方で自動車や産業機械の出荷拠点のため、クルーズ客船の寄港は超大型船に限定。7万7千トンまでの船は、従来通り宇品外貿地区に接岸させる。

 県によると、11万トンの客船の定員は3千人程度。宇品外貿地区では、4月29日に寄港したサン・プリンセス(7万7441トン)が過去最大の客船で、定員は2千人だった。

 昨年度、広島港に入港したクルーズ客船は延べ21隻。リーマン・ショックの影響が出る前の08年度の43隻から半減した。県港湾振興課は「超大型船の寄港は経済効果も期待できる。海外の運航会社への売り込みにも取り組み、ぜひ誘致したい」としている。

【写真説明】広島県が超大型客船の寄港地に想定する広島港五日市岸壁。手前の南側岸壁を改修する(広島市佐伯区)




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