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政治
【主張】北方領土2等分 「妄言」には惑わされるな
プーチン露大統領が安倍晋三首相との首脳会談で、中国やノルウェーとの領土・境界画定問題にふれ、係争地の面積を2等分する方式で解決したことを強調した。
プーチン氏はこの決着方式に触れた際、北方領土問題に絡めることをしなかったとはいう。
強く訴えたい。プーチン発言の意図がどこにあれ、真剣に検討、忖度(そんたく)したりするだけで、日本の世論分断をはかるロシアの思うつぼになることだ。愚挙は絶対に避けなければならない。
「面積等分論」は、麻生太郎副総理が外相時代の2006年に言及した。現内閣官房参与の谷内正太郎元外務事務次官も09年、「個人的には3・5島返還でもいい」と発言したとされる。森喜朗元首相が「3島返還」の段階的解決案を示唆したのは今年1月だ。
歴史的経緯を無視した妄言が消えては現れる事態が続いていることは極めて遺憾だ。北方四島は日本固有の領土であり、第二次世界大戦終結時にソ連が日ソ中立条約を破棄して武力で不法占拠したことは動かしがたい事実だ。
領土は数合わせや折半する類いのものではなく、日本が譲歩すべき理由は何一つない。惑わされれば、尖閣諸島(沖縄県石垣市)や竹島(島根県隠岐の島町)をめぐる対立で、中韓両国に足元を見られかねない。
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