2013年03月18日
テーマ:国内政治
TPPの考え方そして反対派の正体
安倍総理がTPPの交渉参加を表明しました。私のこれまでのブログやツイートへの反応は様々ですが、今回はTPPの内容に踏み込んで国民としてどのように捉えればよいのか考えてみたいと思います。そしてTPPにひたすら反対する人達の正体について考察してみます。ちなみに私の考えとしては、民主党政権下での交渉参加はとても頼りなく、情報力・交渉力も無く大反対でした。しかし政権は自民党になりとにかく交渉に参加して、その結果を見極めようと思っています。従って今は、反対でも賛成でもありません。
その前にTPPの交渉に参加なのか、TPPに参加なのかわかりませんが、とにかくTPPは絶対に反対という方も多くいます。そしてその話を聞いてみると、ほとんどがアメリカのNGO組織パブリックシチズンの情報、そしておそらくそのあたりからの情報により、2011年11月に参議院での自民党佐藤ゆかり議員の質疑が根拠になっているようです。私へのメンションからもそのように察せられるので、反対派の方に是非とも解説したいと思います。そしておそらくほとんどの方が知りえない、驚きの背景も説明します。私自身正直いって危険覚悟です。
まずTPPは名称からして絶対に「協定」であり「条約」ではありません。通商条約以上、とは参加国が多く大規模と言うことを説明しているだけで、佐藤議員も通商条約とは言っていません。そして日本国憲法第98条2項「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と規定しており、条約が憲法等法律に優先する規定は書かれておらず、優先など絶対に有り得ません。
アメリカ合衆国憲法6条第2項には「この憲法、これに準拠して制定される合衆国の法律、および合衆国の権限に基づいて締結されまた将来締結されるすべての条約は、国の最高法規である」と規定されています。メリカの憲法は大日本帝国憲法とも似ており、日本国憲法98条はアメリカ憲法を日本語訳したといわれています。日本もアメリカも、条約が優位に位置はするが、法律に優先して条約が解釈されることはないと規定されています。日本での学説もほとんどがそうなっています。ただし法律ではないので、その条約が憲法に違反しているかどうか81条の違憲審査権からは外れています。法律学科に学べば、一年生の必須科目の「憲法Ⅱ」で、大学生でさえ理解しているでしょう。
つまり内閣は国内法に違反するような条約は結べないと言うことになります。万が一結んでしまうと法律を変えなくてはいけませんが、条約は国会で議決されるのでその時点で議決されることはありません。パリ条約の解釈でも「優位であっても優先」とはなっていません。例えば、日本国民の主権に掛かる法律に条約が優先するはずありません。天皇陛下ではなく、総理大臣が国事行為を行う内容の条約は有り得ません。日本の主権が、条約によって侵されることなど、どこの国にとってもないのです。
従ってTPPによるISD条項が、ましてやTPPという条約でもない協定に過ぎない国家間の取り決めがそれぞれの国の国内法に優先して解釈され、国内法がゆがめられることなど絶対にありません。法律をきちんと学んだ人間にとっては、何を言ってんだというレベルです。そして万が一にも、もしそのような協定であれば既に11カ国も交渉に参加するわけありません。それを反対派が声を大にしていますが嘘です。
ISDのSはstateです。アメリカの一部の州、ペルー等で大麻は合法です。しかし日本国内は違法です。当然TPPにより輸入されることもなければ、輸入できないからといってISD条項により訴訟を提起されることなど有り得ません。理解できますよね、TPPは日本の国内法に優先しません。つまり参議院での質疑応答で、残念ながら佐藤議員は正しく解釈をしていなかったと思います。そして佐藤議員が午前の衆議院では枝野大臣がTPPは国内法で守ると答弁した、と発言してもその時は目の前にいた枝野大臣には質問していません。一応は弁護士、枝野大臣が正しいのです。国内法により守ることは出来ます。佐藤議員も審議で民主をただやりこめる場面が必要だったのかも知れません。先日のシンガポールでのTPP連絡会議、シンガポールの担当大臣は、日経新聞のインタビューに答えて「とにかく国内法での対応を考えて、聖域等考えず参加して欲しい」と発言しており、掲載されています。もっともこの佐藤議員の質疑は、今から一年半前のことです、自民も民主もそして官僚もTPPについてこの頃はまだまだ勉強不足だったのでしょう。改めてこの時の質疑を見ると双方がずれています。
TPP交渉参加国のアメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリアではポルノは解禁されており、一切の修正はありません。これらの国の業者が日本の業者と販売契約し日本に輸入される時、書籍と言うことで関税はTPPにより撤廃されても検閲はあります。日本の法律には違反しており検閲で差し押さえられ手に入らず支払いも出来ません。いつの時点で、どのような方法で支払うのか、いつの時点で荷物の到着なるのか、これもルール作りになります。ISD条項で相手先の業者は、日本政府を提訴してきますか? 提訴して勝訴すると思いますか?
動植物の生態系の維持は、世界的環境保護の観点からも最優先されています。世界遺産の島にその地域の法律より優先して、TPPといえども動植物は絶対に入れません。入れなかったことでISD条項により訴訟が提起されることも絶対にありません。幾つもの例を出し説明したのは、TPPが国内法に優先し、国内法をゆがめられるなどと言うことは、反対派の「嘘」だからです。
TPPは自由貿易、つまり関税の撤廃です。しかし各国の税制は様々です。日本では輸入すると、現在は5%の輸入消費税が掛かります。一応消費税を支払い、通関手続きとなります。次の業者に卸せば、そこが消費税を納め最初の業者は税関に還付請求し、支払った消費税は還付されます。繰り返して最終消費者が消費税を支払いますが、消費税は関税ではありません。しかも消費税は物により異なる税率でも国内法で決められます。消費税導入前には関税+物品税(いわば贅沢税で主に輸入品に課税)が30%という時代もありました。となると関税ではなく、保護したい品目の消費税を極端ですが100%に設定するとします。国内法ですから違反にはなりません。しかしこのようなことではTPPの意味がなくなるので、ルールを作り、違反すればISD条項により提訴されると言うことになります。
TPPに参加する前、それも慌ててではなく(どれくらいの期間となるかはこれからのルール次第ですし、ずっと継続している国内法なら当然優先です)、日本の消費税のように8%さらに10%と上げても、ISD条項には抵触しない、当然のことですが、これもルール作りになります。協定といっても紳士協定ではありません。ルールあるところに罰則が無ければ、それも隙間無く抜け道も防がなければ協定ではなくなります。ISD条項で保障されていなければ、万が一の時、不安になります。
話が少しそれますが、民主政権の頃から日本はTPP交渉参加の意向を示し、事務レベル協議は進めました。そして安倍政権になり、日米同盟の確認もあり1月末の訪米で調整しました。アメリカにとってTPPへの話が無ければオバマ大統領の立場がありません。しかし立ちふさがったのが、日本側の農業そしてアメリカ側の自動車産業です。日米双方とも何としても乗り越えなければなりません。アメリカの自動車は、戦後ははるかに優位に立っていたのに、昭和の終わり頃には完全に日本に逆転されています。アメリカの自動車業界はなんと言ってもずっと日本のことを恨んでいます。
しかし日本側は、追いつき追い越せ、大変な努力しています。アメリカの自動車業界、とくにフォードは、日本にとっての南朝鮮のようなものです。己の努力もせずにただの逆恨みです。フォードのマツダとの提携、そしてその経緯等良く思い出してください。フォードとしては、日本のTPPへの参加は脅威であり、大反対なのです。日本もそうですが、日米の産業は何と言っても自動車産業です。オバマ政権にとってもフォードのことを無視することは出来ません。日本もアメリカも自動車関連産業は、労働人口の一割くらいを占めます。売り上げも数兆円になります。日本の安価で燃費もよく、故障もしない車が、乗用車2.5% トラック25%の関税を撤廃など、フォードにとっては死活問題なのです。一方で日本は輸入車に関税はかけていません。
日本側はすぐにフォードに接触しました。ところが親日だったCEO、雇用されればフォードの人間です。相手にしてくれませんでした。そこですぐにクライスラー・GMと接触し、日本のTPP参加に向けて認めさせるべく交渉をしました。後に詳しく解説しますが、アメリカ国内で自動車業界、特にフォードはTPPへの参加については大反対で、今でもその姿勢です。
どうにかフォードも了解し、アメリカ側も日本の聖域と言うことで了解しました。とにかく日米で実のある会談にしなければなりません。しかしこれは絶対におかしいことです。まだ交渉参加の意思表明すらしていない日本と、11カ国が参加しているのにアメリカの独断などでの合意とはルール以前の問題です。つまりアメリカの関税を15年かけてゼロにする、日本に聖域を設ける、日米が勝手に共同声明にしただけで他の参加国は関与していません。現実としてこれがルールとはまだ決まっていないのです。日本は日本国内と農協を、アメリカはフォードを納得させるだけの目的の為、日米合意ということをマスコミも使い発表することで話しがつき、安倍総理の訪米となりました。
日本が交渉に参加し、ルール作りとならなければ、まだアメリカ側の自動車の関税撤廃は決定しているわけではありません。日本の聖域も同様です。でも逆に見れば他の国々から、ルールは貿易経験豊富な日米主導で決めてもらっても構わない、と言うことにも受け取れます。
ここでさらにわき道それますが、私はTPP参加する以上、全ての国が全てにわたり関税を完全に撤廃しなければ意味がなくなると思っています。TPPの趣旨通り例外なき関税撤廃です。自由貿易に向けて思い切り、一部は守ろうなんて思わず、努力でカバーして中途半端は止めた方がいいと思います。
日本の自動車産業は極めて競争力に満ちています。技術革新も性能も、円高にもずっと実績を残しています。アメリカにも関税撤廃を求めること、それが本来のTPPの目的です。むしろその利益で農業の保障をした方が、聖域などと言って他国から「?」のつくようなことはしなくて済むと思います。日本の底力を信じて国民と乗り切るくらいの気概が必要だと思います。
まあ話を戻し、仮にアメリカの自動車も関税撤廃となると、法律で輸入車の登録には税金のようなものを課すことも出来てしまいます。国内法で守ろうと誰でもが思います。こうしたことを防ぐのがISD条項です。シンガポールは国土の狭さと環境から、車両ナンバーの末尾が奇数か偶数かで車に乗れる日を規制しています。金持ちは二台買うことになりますが、二台目の税金は車一台分です。シンガポールは真っ先にTPP加盟しています。TPPから関税と同様、国内保護だとISD 条項により訴訟になっていません。国内法がその国の政策により決められていれば、TPPは内政干渉となり立ち入れないのです。
日本はこれまでにも確かインド、シンガポール始め15の国とEPAを締結しています。そしてそれぞれにISD条項を設けています。これまでにお互いに訴訟沙汰になったことはありません。企業が成熟すればするほどお互いのルールは守り、トラブルにはなりません。反対派の人は北アメリカ三国のFTAでの訴訟を引っ張り出し、アメリカだけが勝訴している。莫大な損害賠償をとられている、ISD条項はリスクとして大きすぎるといいます。しかしこの三国の訴訟の内容見れば、カナダ・メキシコの会社に多くの瑕疵がみられます。企業として未熟過ぎたと言えるでしょう。カナダの水の会社のように、契約をしていて一方的に供給止めてしまえば当然の損害賠償です。
こうした内容知ってか知らずか、TPP反対派は訴訟王国アメリカにやられてしまうなどと、ISD条項がアメリカだけのために存在しているかのようにリスクだと反対に廻ります。本当に全てのことを理解した上で反対しているのでしょうか。本気でTPPを条約だと思い、国内法に優先すると思っているのでしょうか。ISD条項は、決してリスクではなく、貿易の担保にもなる安全保障です。ルールと言う決まりごとに違反しなければ訴訟を提起されることは絶対ありません。たとえ約束が守られなくても、ISD条項により心配は要らなくなります。
罰則の無い法律は、違反しても罪に問われません。売春防止法の1条には罰則ありません。「何人も売春の相手方になってはならない」ですが罰則ありません。罰があるのは、管理・勧誘・場所の提供です。TPPには罰則がある、違反すれば罰として損害賠償する、こうした当たり前のことがISD条項です。
ここで反対派の人達が挙げるもう一点の医療等の特許などについて解説しようと思いましたが、息抜きに話題を変えます。
TPPに反対する方、佐藤議員の質疑を聞いてもその情報源は、アメリカのNGO「パブリックシチズン」です。そしてそのNGOに参加しているとか言う福島みずほの盟友であり市民運動家の内田という女性の主張です。結論から言いますが、このNGOを信じる根拠は何ですか? マスコミではないので信じますか? でも反対派の方は、東京新聞のすっぱ抜き記事も、反対に都合いいと信じたのかその理由にしています。普段はマスコミ信じないはずなのに・・・
リークされたと言っていますが、リーク先はどこだと思いますか? 別に意外と簡単に手に入るものとは思わないのですか? そのリークは本物ですか? 単なる草案と言うことも理解していますか?
パブリックシチズンは「ラルフ・ネーダー」率いる米国NPOグループの一つです。ネットのHPには誰が作成したのか、ラルフ・ネーダーを本当に知っているのか、まあそれなりの経歴が出ています。ラルフ・ネーダーのことは、日本だと一部上場会社のベテラン総務・広報・秘書あたりの社員ならばおそらくほとんどの方がその正体を知っていると思います。そして彼を取り締まり対象とした日米の警察官とその関係機関はさらに当然よく知っています。一言で言えば、日本で言うところの「アメリカの総会屋」です。昔来日した際も日本の最大総会屋集団の「論壇グループ」とどこだか忘れましたが、会社の株主総会に出席し質問を繰り返しました。アメリカでも同様です、アメリカの株主総会は日にちをまたいで数日間開催されます。ほとんどマイクを離さず会社の経営側を責めます。
ラルフ・ネーダーはアメリカでもやはり左翼ともいえるかも知れません。消費者運動家・市民活動家・環境問題活動家そして緑の党とかで大統領選にも出馬します。活動としては政府や議会、産業界を調査し監視します。まさしく総会屋の企業たかりです。上院の自動車安全問題分科会のアドバイザーも務めました。日本の総会屋が当然やくざ組織とも連携するように、ラルフ・ネーダーはマフィアとも連携しています。もうお分かりですね、総会屋は企業に巣食い、たかり、おこぼれをもらい、企業を助けたり協力します。そうです、パブリックシチズンはフォードから相当の資金提供受けて、フォードのためにTPP反対運動を繰り広げているのです。草案はフォードの息が掛かったアメリカ政府関係から手にいれ、フォードから流されたものです。
反対派の人は、アメリカの総会屋そして市民運動家・消費者活動家という左翼の活動の主張だと分かっていて支持しているのですか? そして、この組織に関係している日本の市民運動家のTPP反対活動も支持しているのですか?
このグループが日中韓三国FTAについては関係なく触れないので、受け売りの反対もできないから日中韓FTAについては無視ですか?
TPPに反対し、日中韓FTAに反対しないのは、中共という国家を支持しているからですか?
TPPを詳しく検証したわけでもなく、こうした左翼的グループの主張の受け売りで反対しているだけですか?
その前にTPPの交渉に参加なのか、TPPに参加なのかわかりませんが、とにかくTPPは絶対に反対という方も多くいます。そしてその話を聞いてみると、ほとんどがアメリカのNGO組織パブリックシチズンの情報、そしておそらくそのあたりからの情報により、2011年11月に参議院での自民党佐藤ゆかり議員の質疑が根拠になっているようです。私へのメンションからもそのように察せられるので、反対派の方に是非とも解説したいと思います。そしておそらくほとんどの方が知りえない、驚きの背景も説明します。私自身正直いって危険覚悟です。
まずTPPは名称からして絶対に「協定」であり「条約」ではありません。通商条約以上、とは参加国が多く大規模と言うことを説明しているだけで、佐藤議員も通商条約とは言っていません。そして日本国憲法第98条2項「日本国が締結した条約及び確立された国際法規は、これを誠実に遵守することを必要とする」と規定しており、条約が憲法等法律に優先する規定は書かれておらず、優先など絶対に有り得ません。
アメリカ合衆国憲法6条第2項には「この憲法、これに準拠して制定される合衆国の法律、および合衆国の権限に基づいて締結されまた将来締結されるすべての条約は、国の最高法規である」と規定されています。メリカの憲法は大日本帝国憲法とも似ており、日本国憲法98条はアメリカ憲法を日本語訳したといわれています。日本もアメリカも、条約が優位に位置はするが、法律に優先して条約が解釈されることはないと規定されています。日本での学説もほとんどがそうなっています。ただし法律ではないので、その条約が憲法に違反しているかどうか81条の違憲審査権からは外れています。法律学科に学べば、一年生の必須科目の「憲法Ⅱ」で、大学生でさえ理解しているでしょう。
つまり内閣は国内法に違反するような条約は結べないと言うことになります。万が一結んでしまうと法律を変えなくてはいけませんが、条約は国会で議決されるのでその時点で議決されることはありません。パリ条約の解釈でも「優位であっても優先」とはなっていません。例えば、日本国民の主権に掛かる法律に条約が優先するはずありません。天皇陛下ではなく、総理大臣が国事行為を行う内容の条約は有り得ません。日本の主権が、条約によって侵されることなど、どこの国にとってもないのです。
従ってTPPによるISD条項が、ましてやTPPという条約でもない協定に過ぎない国家間の取り決めがそれぞれの国の国内法に優先して解釈され、国内法がゆがめられることなど絶対にありません。法律をきちんと学んだ人間にとっては、何を言ってんだというレベルです。そして万が一にも、もしそのような協定であれば既に11カ国も交渉に参加するわけありません。それを反対派が声を大にしていますが嘘です。
ISDのSはstateです。アメリカの一部の州、ペルー等で大麻は合法です。しかし日本国内は違法です。当然TPPにより輸入されることもなければ、輸入できないからといってISD条項により訴訟を提起されることなど有り得ません。理解できますよね、TPPは日本の国内法に優先しません。つまり参議院での質疑応答で、残念ながら佐藤議員は正しく解釈をしていなかったと思います。そして佐藤議員が午前の衆議院では枝野大臣がTPPは国内法で守ると答弁した、と発言してもその時は目の前にいた枝野大臣には質問していません。一応は弁護士、枝野大臣が正しいのです。国内法により守ることは出来ます。佐藤議員も審議で民主をただやりこめる場面が必要だったのかも知れません。先日のシンガポールでのTPP連絡会議、シンガポールの担当大臣は、日経新聞のインタビューに答えて「とにかく国内法での対応を考えて、聖域等考えず参加して欲しい」と発言しており、掲載されています。もっともこの佐藤議員の質疑は、今から一年半前のことです、自民も民主もそして官僚もTPPについてこの頃はまだまだ勉強不足だったのでしょう。改めてこの時の質疑を見ると双方がずれています。
TPP交渉参加国のアメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリアではポルノは解禁されており、一切の修正はありません。これらの国の業者が日本の業者と販売契約し日本に輸入される時、書籍と言うことで関税はTPPにより撤廃されても検閲はあります。日本の法律には違反しており検閲で差し押さえられ手に入らず支払いも出来ません。いつの時点で、どのような方法で支払うのか、いつの時点で荷物の到着なるのか、これもルール作りになります。ISD条項で相手先の業者は、日本政府を提訴してきますか? 提訴して勝訴すると思いますか?
動植物の生態系の維持は、世界的環境保護の観点からも最優先されています。世界遺産の島にその地域の法律より優先して、TPPといえども動植物は絶対に入れません。入れなかったことでISD条項により訴訟が提起されることも絶対にありません。幾つもの例を出し説明したのは、TPPが国内法に優先し、国内法をゆがめられるなどと言うことは、反対派の「嘘」だからです。
TPPは自由貿易、つまり関税の撤廃です。しかし各国の税制は様々です。日本では輸入すると、現在は5%の輸入消費税が掛かります。一応消費税を支払い、通関手続きとなります。次の業者に卸せば、そこが消費税を納め最初の業者は税関に還付請求し、支払った消費税は還付されます。繰り返して最終消費者が消費税を支払いますが、消費税は関税ではありません。しかも消費税は物により異なる税率でも国内法で決められます。消費税導入前には関税+物品税(いわば贅沢税で主に輸入品に課税)が30%という時代もありました。となると関税ではなく、保護したい品目の消費税を極端ですが100%に設定するとします。国内法ですから違反にはなりません。しかしこのようなことではTPPの意味がなくなるので、ルールを作り、違反すればISD条項により提訴されると言うことになります。
TPPに参加する前、それも慌ててではなく(どれくらいの期間となるかはこれからのルール次第ですし、ずっと継続している国内法なら当然優先です)、日本の消費税のように8%さらに10%と上げても、ISD条項には抵触しない、当然のことですが、これもルール作りになります。協定といっても紳士協定ではありません。ルールあるところに罰則が無ければ、それも隙間無く抜け道も防がなければ協定ではなくなります。ISD条項で保障されていなければ、万が一の時、不安になります。
話が少しそれますが、民主政権の頃から日本はTPP交渉参加の意向を示し、事務レベル協議は進めました。そして安倍政権になり、日米同盟の確認もあり1月末の訪米で調整しました。アメリカにとってTPPへの話が無ければオバマ大統領の立場がありません。しかし立ちふさがったのが、日本側の農業そしてアメリカ側の自動車産業です。日米双方とも何としても乗り越えなければなりません。アメリカの自動車は、戦後ははるかに優位に立っていたのに、昭和の終わり頃には完全に日本に逆転されています。アメリカの自動車業界はなんと言ってもずっと日本のことを恨んでいます。
しかし日本側は、追いつき追い越せ、大変な努力しています。アメリカの自動車業界、とくにフォードは、日本にとっての南朝鮮のようなものです。己の努力もせずにただの逆恨みです。フォードのマツダとの提携、そしてその経緯等良く思い出してください。フォードとしては、日本のTPPへの参加は脅威であり、大反対なのです。日本もそうですが、日米の産業は何と言っても自動車産業です。オバマ政権にとってもフォードのことを無視することは出来ません。日本もアメリカも自動車関連産業は、労働人口の一割くらいを占めます。売り上げも数兆円になります。日本の安価で燃費もよく、故障もしない車が、乗用車2.5% トラック25%の関税を撤廃など、フォードにとっては死活問題なのです。一方で日本は輸入車に関税はかけていません。
日本側はすぐにフォードに接触しました。ところが親日だったCEO、雇用されればフォードの人間です。相手にしてくれませんでした。そこですぐにクライスラー・GMと接触し、日本のTPP参加に向けて認めさせるべく交渉をしました。後に詳しく解説しますが、アメリカ国内で自動車業界、特にフォードはTPPへの参加については大反対で、今でもその姿勢です。
どうにかフォードも了解し、アメリカ側も日本の聖域と言うことで了解しました。とにかく日米で実のある会談にしなければなりません。しかしこれは絶対におかしいことです。まだ交渉参加の意思表明すらしていない日本と、11カ国が参加しているのにアメリカの独断などでの合意とはルール以前の問題です。つまりアメリカの関税を15年かけてゼロにする、日本に聖域を設ける、日米が勝手に共同声明にしただけで他の参加国は関与していません。現実としてこれがルールとはまだ決まっていないのです。日本は日本国内と農協を、アメリカはフォードを納得させるだけの目的の為、日米合意ということをマスコミも使い発表することで話しがつき、安倍総理の訪米となりました。
日本が交渉に参加し、ルール作りとならなければ、まだアメリカ側の自動車の関税撤廃は決定しているわけではありません。日本の聖域も同様です。でも逆に見れば他の国々から、ルールは貿易経験豊富な日米主導で決めてもらっても構わない、と言うことにも受け取れます。
ここでさらにわき道それますが、私はTPP参加する以上、全ての国が全てにわたり関税を完全に撤廃しなければ意味がなくなると思っています。TPPの趣旨通り例外なき関税撤廃です。自由貿易に向けて思い切り、一部は守ろうなんて思わず、努力でカバーして中途半端は止めた方がいいと思います。
日本の自動車産業は極めて競争力に満ちています。技術革新も性能も、円高にもずっと実績を残しています。アメリカにも関税撤廃を求めること、それが本来のTPPの目的です。むしろその利益で農業の保障をした方が、聖域などと言って他国から「?」のつくようなことはしなくて済むと思います。日本の底力を信じて国民と乗り切るくらいの気概が必要だと思います。
まあ話を戻し、仮にアメリカの自動車も関税撤廃となると、法律で輸入車の登録には税金のようなものを課すことも出来てしまいます。国内法で守ろうと誰でもが思います。こうしたことを防ぐのがISD条項です。シンガポールは国土の狭さと環境から、車両ナンバーの末尾が奇数か偶数かで車に乗れる日を規制しています。金持ちは二台買うことになりますが、二台目の税金は車一台分です。シンガポールは真っ先にTPP加盟しています。TPPから関税と同様、国内保護だとISD 条項により訴訟になっていません。国内法がその国の政策により決められていれば、TPPは内政干渉となり立ち入れないのです。
日本はこれまでにも確かインド、シンガポール始め15の国とEPAを締結しています。そしてそれぞれにISD条項を設けています。これまでにお互いに訴訟沙汰になったことはありません。企業が成熟すればするほどお互いのルールは守り、トラブルにはなりません。反対派の人は北アメリカ三国のFTAでの訴訟を引っ張り出し、アメリカだけが勝訴している。莫大な損害賠償をとられている、ISD条項はリスクとして大きすぎるといいます。しかしこの三国の訴訟の内容見れば、カナダ・メキシコの会社に多くの瑕疵がみられます。企業として未熟過ぎたと言えるでしょう。カナダの水の会社のように、契約をしていて一方的に供給止めてしまえば当然の損害賠償です。
こうした内容知ってか知らずか、TPP反対派は訴訟王国アメリカにやられてしまうなどと、ISD条項がアメリカだけのために存在しているかのようにリスクだと反対に廻ります。本当に全てのことを理解した上で反対しているのでしょうか。本気でTPPを条約だと思い、国内法に優先すると思っているのでしょうか。ISD条項は、決してリスクではなく、貿易の担保にもなる安全保障です。ルールと言う決まりごとに違反しなければ訴訟を提起されることは絶対ありません。たとえ約束が守られなくても、ISD条項により心配は要らなくなります。
罰則の無い法律は、違反しても罪に問われません。売春防止法の1条には罰則ありません。「何人も売春の相手方になってはならない」ですが罰則ありません。罰があるのは、管理・勧誘・場所の提供です。TPPには罰則がある、違反すれば罰として損害賠償する、こうした当たり前のことがISD条項です。
ここで反対派の人達が挙げるもう一点の医療等の特許などについて解説しようと思いましたが、息抜きに話題を変えます。
TPPに反対する方、佐藤議員の質疑を聞いてもその情報源は、アメリカのNGO「パブリックシチズン」です。そしてそのNGOに参加しているとか言う福島みずほの盟友であり市民運動家の内田という女性の主張です。結論から言いますが、このNGOを信じる根拠は何ですか? マスコミではないので信じますか? でも反対派の方は、東京新聞のすっぱ抜き記事も、反対に都合いいと信じたのかその理由にしています。普段はマスコミ信じないはずなのに・・・
リークされたと言っていますが、リーク先はどこだと思いますか? 別に意外と簡単に手に入るものとは思わないのですか? そのリークは本物ですか? 単なる草案と言うことも理解していますか?
パブリックシチズンは「ラルフ・ネーダー」率いる米国NPOグループの一つです。ネットのHPには誰が作成したのか、ラルフ・ネーダーを本当に知っているのか、まあそれなりの経歴が出ています。ラルフ・ネーダーのことは、日本だと一部上場会社のベテラン総務・広報・秘書あたりの社員ならばおそらくほとんどの方がその正体を知っていると思います。そして彼を取り締まり対象とした日米の警察官とその関係機関はさらに当然よく知っています。一言で言えば、日本で言うところの「アメリカの総会屋」です。昔来日した際も日本の最大総会屋集団の「論壇グループ」とどこだか忘れましたが、会社の株主総会に出席し質問を繰り返しました。アメリカでも同様です、アメリカの株主総会は日にちをまたいで数日間開催されます。ほとんどマイクを離さず会社の経営側を責めます。
ラルフ・ネーダーはアメリカでもやはり左翼ともいえるかも知れません。消費者運動家・市民活動家・環境問題活動家そして緑の党とかで大統領選にも出馬します。活動としては政府や議会、産業界を調査し監視します。まさしく総会屋の企業たかりです。上院の自動車安全問題分科会のアドバイザーも務めました。日本の総会屋が当然やくざ組織とも連携するように、ラルフ・ネーダーはマフィアとも連携しています。もうお分かりですね、総会屋は企業に巣食い、たかり、おこぼれをもらい、企業を助けたり協力します。そうです、パブリックシチズンはフォードから相当の資金提供受けて、フォードのためにTPP反対運動を繰り広げているのです。草案はフォードの息が掛かったアメリカ政府関係から手にいれ、フォードから流されたものです。
反対派の人は、アメリカの総会屋そして市民運動家・消費者活動家という左翼の活動の主張だと分かっていて支持しているのですか? そして、この組織に関係している日本の市民運動家のTPP反対活動も支持しているのですか?
このグループが日中韓三国FTAについては関係なく触れないので、受け売りの反対もできないから日中韓FTAについては無視ですか?
TPPに反対し、日中韓FTAに反対しないのは、中共という国家を支持しているからですか?
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