共に生きる・トブロサルダ:大阪コリアンの目/114 /大阪

毎日新聞 2013年05月03日 地方版

 ◆賛成反対が拮抗する改憲は危険

 ◇「国家も間違える」その前提が大事

 韓国には第一共和国から第六共和国と呼ばれる現代史における重要な時代区分がある。施行された憲法の順番を意味する。第一は大韓民国政府が樹立した最初の憲法の時代をさす。第二は1959年4月に李承晩(リスンマン)政権が民衆革命により崩壊、共和制から内閣制に改憲した時代を言う。第三は60年5月にクーデターで政権を奪取した朴正煕(パクチョンヒ)軍事政権の憲法下を言い、第四は朴政権が長期執権のために72年10月に発布した憲法の時代をさす。それを維新時代とも呼ぶ。

 79年に朴大統領が側近により暗殺されると、権力の空白期に全斗煥(チョンドゥファン)の率いる軍部内の私勢力がクーデターを起こし、80年5月のソウルの春や光州民衆抗争を武力鎮圧した。非常事態下で全斗煥が大統領に就任した。全政権の軍部独裁を正当化した憲法の時代を第五共和国と言う。

 87年6月、国民は全政権に民主化の強い要求を突きつけ、長期執権を容認する憲法を大統領直接選挙制へと改正させた。第六共和国とは政権を引き継いだ盧泰愚(ノテウ)政権期を呼ぶ。

 一時期を除き、韓国の憲法は常に為政者たちの権力乱用のために使われてきた。あるいはその憲法すらも形骸化され、権力の刃は常に自国民の首下に突きつけられていた。異論を挟ませない国家の横暴の怖さを韓国国民は脳裏に焼き付けている。その記憶のためか、今も権力者に対する韓国国民の視線は厳しい。民主化以降の歴代政権の支持率は就任後すぐに低くなる。支持した政治家であっても、権力を握った瞬間から監視の対象になるのだ。

 安倍政権の発足以降、憲法問題が政治争点化している。今夏の参議院選挙では「憲法改正」が争点になる見通しだ。私は日本国憲法を評価しているが、「改正」に否定的ではない。書き変えるべき内容もあるとの立場だ。ただ、昨今の改憲論には危惧している。安倍政権は憲法96条を改訂し、改憲に必要な賛成を衆参両院の3分の2から過半数に緩和したいとしている。

最新写真特集

毎日新聞社のご案内

TAP-i

毎日スポニチTAP-i
ニュースを、さわろう。

毎日新聞Androidアプリ

毎日新聞Androidアプリ

MOTTAINAI

MOTTAINAIキャンペーン

まいまいクラブ

まいまいクラブ

毎日RT

毎日RT

毎日ウィークリー

毎日ウィークリー

Tポイントサービス

Tポイントサービス

毎日jp×Firefox

毎日jp×Firefox

毎日新聞のソーシャルアカウント

毎日新聞の
ソーシャルアカウント

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞を海外で読む

毎日新聞社の本と雑誌

毎日新聞社の本と雑誌

サンデー毎日

サンデー毎日

毎日プレミアムモール(通販)

毎日プレミアムモール(通販)

毎日新聞のCM

毎日新聞のCM

環境の毎日

環境の毎日