共に生きる・トブロサルダ:大阪コリアンの目/114 /大阪

毎日新聞 2013年05月03日 地方版

 改憲に反対ではない私でも、この論理は理解ができない。近代国家における憲法の役割は「国家も間違える」との前提に立ち、その暴走を抑制することにある。時の為政者が権力を操作しやすくするための改憲論など時代への逆行と言わざるを得ない。欧米の先進国においても改憲は行われている。それは改憲条件が緩いからではなく、国民の大多数が同意できる内容であったからだ。重要なのは国論を二分するような改正は危険だという事実だ。つまり賛成反対が拮抗するような改正論では、政権交代のたびに改憲が行われるという危険性があり、憲法の持つ国の最高法規としての権威が揺らいでしまう。安倍政権により憲法論が活気付くことはいいことだが、権力に都合のよい改憲は要注意だ。民主主義の根幹を揺るがしかねない。<文と写真 金光敏>

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 ■人物略歴

 1971年、大阪市生野区生まれ。在日コリアン3世。大阪市立中学校の民族学級講師などを経て、現在、特定非営利活動法人・コリアNGOセンター事務局長。教育コーディネーターとして外国人児童生徒の支援などに携わる。

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