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ある平和主義者との会話

知り合いにある女性がいて、その女性には従兄に自衛隊員がいるということでした。自衛隊の内情に関心があったので、ある喫茶店で話を聞いた時に、ふと、こんな話になりました。
珈琲カップ




女性「竹島とか、話し合いで解決すればいいのに」
私 「日本は話し合おうとしているけど、韓国は力ずくで来てるね」

これはちょうど、当時韓国大統領だった李明博氏が竹島へ不法上陸し、大きな話題となっていた時期の話です。
自衛隊の内情についての話も終わり、雑談から竹島の話になりました。
女性「そうなの?」
私 「国際司法裁判所で話し合って解決しよう言っているのは日本。でも韓国は話し合うのを拒んで軍隊を竹島に送ってる」
女性「私は、従兄が竹島に行ってかわいそうな韓国の人を銃で撃つのは嫌やわ」
私 「かわいそう? 竹島にいる韓国人は銃を持った軍人で、日本人を撃退することを想定した軍事訓練を行ってる。軍人だよ。銃を持ってる」

その女性は、知らなかったという顔をしました。
女性「それでも、韓国人は何も悪いことしてない」
私 「ん? ん~…」

私は、少しためらいました。相手の認識と、自分の認識に大きな隔たりを感じたからです。
私 「んーっとね…なんていうか…悪いことしてるよ。竹島の近くで漁民を4000人近く逮捕拘留したし、40人くらい殺された。銃で。日本人は漁民だから、丸腰だよね? そこに銃を向けて、引き金を引いた。韓国軍人がだよ」
女性「だって日本もヒドイことしてるじゃない」
ここで、私は少し驚きました。自衛隊員を身内に持つ女性なのにと、ふと思ったのです。
私 「日本も? どんな?」
女性「韓国を支配したし…」
私 「韓国を支配?」
女性「そう。とってもヒドイコト」
私 「ふむ…」

私は、少し間を取りました。自分の考えをどう伝えようか、迷いました。
私 「う~ん…でも、それとこれとどういう関係があるの? 昔、韓国を支配したことがあったら、今、漁民を殺していいの? え~っと…それがキミの言うところのかわいそうな韓国人っていうことなの?」
すると相手はこう答えました。
女性「私はただ、話し合いで解決するべきっていうことを言っているの」
相手は真っ直ぐこちらを見ていました。本気で言っているんだなと思いました。
私 「うん、そうだね。そうだよね。日本は話し合おうとしている。国際司法裁判所への提訴を準備したりね。でも逆に韓国は軍隊を竹島に送っている。あのさ、侵略だよ、韓国のやってることは。宣戦布告無しに軍を送ることを、このあいだの共産党の人はそう呼んでた」

たまたまその前の週、共産党の人に直接会って話を聞く機会があり、その時韓国の竹島不法占拠について、共産党の見解を確認できたのです。共産党は、宣戦布告無しに他国に進軍することを侵略と定義しており、その定義に従うと韓国は侵略行為を行っていると断言していました。(共産党の良い点の一つとして、フェアに評価しなければならないでしょう) その時の会話を思い出したのです。

ところが、相手はこのように言い始めました。
女性「ねぇ、本当は竹島は韓国のものなんじゃないの? だから─」
竹島が韓国のもの? 私は思わず相手を遮りました。
私 「ねぇ聞くんだけどさぁ、キミは日本と韓国が話し合うべきだって言ったよね?」
女性「そうよ。どんなことがあっても、武力に訴えるなんて許されることでは─」
私 「そうだね。その話でいくなら、百歩譲って仮に韓国の島だったとしても、韓国は武力に訴えずに日本と話し合うべきなんじゃないの? キミはそういうこと言ってるんじゃないの?」
女性「…」
私 「今韓国は何をしているの? 竹島にいるのは何処の軍隊なの?」
女性「…」
私 「なんていうのかな。キミはどっちかっていうと韓国の肩を持ってる? まあそれは構わないけど。でもキミは自分の言っていることを自分で否定している。そのこと自分でわかってる? 自分が言ってることの意味、ホントにわかってる?」
女性「…」

相手は驚いた顔をしていましたが、わかってはいない様子でした。
私 「いいよ。要約すると、キミは韓国が自国の主張を通すために武力に訴えることはOK。日本はダメだ。我慢しろ。これでいい?」
女性「日本が悪いことをしたから…」

私はその続きの言葉を待ちました。ですが相手は何も言いません。
私 「悪いことしたから? その続きは?」
女性「…」

私は、相手が自分の言っていることを、理由もなくあいまいにする様子に大きな疑問を感じました。
日本が悪いことをしたからなんだというのでしょうか?
私は、この際徹底的に明確にしようと思い、こう言いました。
私 「日本が悪いことをしたから、韓国は漁民を撃ち殺しても構わないと? つまりこういうこと? 韓国軍が日本人を殺すのはしかたない、その理由は、日本が過去に韓国を支配したから?」
女性「そんなこと言ってない!」

私は、「来た!」と思いました。ここが大事なところだと思い、あえて声を落としてゆっくりと問いかけました。
私 「じゃあどんなことを言ってるの?」
女性「話し合いで解決するべきってことを言ってるの」
私 「韓国が軍を動かしていることは?」
女性「もちろん悪いことよ! でもそれに対して力で対抗してはダメじゃない」
私 「力で対抗せずにどうするの?」
女性「話し合うのよ!」

このあたりで私は、この女性には事実に目を向けさせる必要があると思いました。
私 「ねぇ、韓国は話合わないって言ってるんだけど。イヤイヤ、違う違う。私が言ってんじゃなくて、韓国自身が言っているんだけど」
女性「そんなはずない!」

私はホラ来た!と内心でニヤリとしました。事実について話をすれば、事実を相手に認識させることができます。
私 「ニュースで言ってるけど。ニュース見てる? ほら、そこのラックにおいてある新聞だよ」
実際、喫茶店に置いてある各紙には、そのような記事が並んでいました。日本が国際司法裁判所への提訴を準備していること。ところが韓国がそれを拒否すると表明しており、その場合は国際司法裁判所も、審理を開始することができないこと等を報じる記事です。
しかし相手はそれを手に取ろうともせずにこう言い放ちました。
女性「新聞にホントのことなんか書いてない!」
私は、息を大きく吸い込みました。
私 「…新聞にホントのことは書いてないィ? …じゃあ聞くけどね、キミはどうやってホントのことを知ったの?」
女性「そんなはずないから。私にはわかるの」

いやはや…なんというか、この女性には、何か神に近い不思議な力でも持っているのでしょうか?
なんだか面白くなってきちゃったなと思いました。
私 「…私にはわかる?!」
女性「韓国が憎い人にはわからないかもしれないけど、普通の人にはわかるの」
私 「普通の人ならわかるの?」
女性「大部分の日本人は、韓国人を憎んでなんかない。だから、韓国人が日本にひどいことするわけないって知ってる」
私 「44名殺されたんだけどね。それはひどいことに入らないの? 軍人じゃないよ。普通の漁民が殺されたんだよ」
女性「それは日本のせいよ!」

衝撃的な宣言でした。相手の言っている理屈はよくわかりませんが、とにかく衝撃的でした。
私 「それが日本のせい? それが日本のせい?!」
女性「そう。勝手に人の国とか人の海に入ったら、撃ち殺されてもしょうがないでしょ。こう言っちゃなんだけど、あなた少しおかしいよ。韓国が憎くて憎くてしょうがないんじゃない?」
私 「…」
女性「韓国が憎いんでしょ? そうでしょ? だから韓国を攻撃しているんでしょ?」
私 「…」
女性「韓国とは話し合わなければならないの。でもあなた、韓国が憎くてしょうがないんでしょ?」

この人は話を逸らそうとしている。しかも、そのことに自分では気が付いていない。そう判断しました。
そこで、私は話を戻すことにしました。
私 「…ねぇ、さっきから言っているのは、日本と話し合わないって言ってるのは韓国自身だっていうことなんだけど」
女性「そんなこと、勝手な思い込みじゃない」

私は手の中のiPhoneで検索して結果画面を相手に見せました。
私 「このHPに。これは韓国のchosunonlineていう新聞。ハングルで書かれているでしょ? 韓国人向けの記事だね。日本人向けなら日本語で書くから。これを翻訳すると…ほら、書かれているでしょ? 韓国人が韓国人に向けて言ってる。話し合わないって。他にも聯合ニュースとかロイターとかAFP通信とかワシントンポストとか色々あるけど、見る?」
女性「…」
私 「えっと…私の言動が韓国を憎んでいるように見えるんだったら、それはそれで構わないけど、事実は事実じゃない? 日本は話し合おうとしていて、韓国は話し合おうとしてない」
女性「…」
私 「違うのなら今そう言って」
女性「…」

相手は私の示している画面から嫌そうに目を逸らし続けていました。
私 「わかる? キミは話合うべきだと言ってて、私もそれには反対してない。日本と韓国は話し合うべきだと思う。一定の段階まではね。だけど事実を分かって欲しい。話し合おうとしていないのは韓国。…思うんだけどさ、キミはね、韓国に言うべきなんじゃない?『話し合うべき』っていう言葉をさ。日本には言う必要ないよ」
私は口調が激しくなりそうなので、ゆっくり話すのに注意しました。それはとても難しいことで、正直あまりうまくできていなかったと思います。
私 「私は事実を言ってるだけで、韓国が憎いとかは言ってない。私は言ったことしか言ってない。韓国が憎いなんて、言ってないし今後も言わない。でも事実を言うと、それは韓国が憎いからだとキミが考えることは自由だと思う。でもここでハッキリさせたいけど、韓国は話し合おうとしてる?」
女性「日本の努力が足りないから」
私 「韓国が話し合おうとしているかどうかを聞いているんだけど」
女性「だから韓国が話し合おうとしないのは、日本の努力が足りないから」
私 「意見一致。韓国は話し合おうとしていない。ようやく意見が一致したね。韓国は話し合おうとしていない。ここまではいいけど、で、それは日本の努力が足りないから? つまり、だから韓国は話し合おうとしなくても良いって言うの?」
女性「日本が経済的に韓国を苦しめたりしているから」
私 「日本は経済的に韓国を援助している。そのソース見る? ねぇ、キミは韓国にお金を上げ足りないから、だから韓国は日本と話し合う必要ないっていうことを言っているの? それがキミのいうところの『日本の努力』?」

相手は顔をしかめた。
女性「ねぇ、私この話嫌になってきた」
私 「よし、じゃあこうしよう。キミはどう考えるの? 日本はどうするべきだと思うの? 特に韓国が話し合いたくないっていう時に、どうやって話し合うの?」
女性「国際世論に訴えるの」
私 「国際世論に何を訴えるの?」
女性「独島(ドクト)の問題を」
私 「竹島の問題だね。キミはあれだね、韓国人? もしそうならそう言って」
女性「私は日本人です!! そういう韓国人に対する差別が─」
私 「日本人に対して韓国人かどうか聞くことが、韓国人に対する差別になるの?」
女性「そうにきまってるじゃない!」
私 「まあ、アメリカじゃkoreanって言葉が差別用語として認定されてて、判例もあるしね。じゃあ今度からは、誰に対しても『あなたは韓国人ですか?』とは聞かないようにするわ。でもどうしたらいい? 相手の国籍を知りたい時。まあいいか。何とかして察するようにするわ。心の中で『ははーん、こいつはどうやら韓国人だな』と想像することは無害だしね。で、じゃあ国際世論に竹島の問題を訴えるんだね? どうやって?」

相手はジロリと私を見た。
女性「ちょっと待って、あなた私のこと韓国人だと思ってない?」
私 「まさか! 今キミは日本人だって言ったでしょ」
女性「韓国人だと思ってるでしょ!?」

私は頭がクラクラしてきた。
私 「いやいやいやいや、そんなこと言ってないでしょ?」
女性「韓国人かって聞いたじゃない? こんな公の、いろんな人がいるところで! 私は日本人なの! バカにしないで」
私 「キミは日本人だよ。そう言ったよ。日本人。キミは日本人」
女性「バカにしないで」
私 「…ねぇ、韓国人?って聞かれたり、韓国人だと思われると恥なの? いやわかったわかった。この話はやめよう。キミは日本人。間違いなく日本人。それでいいじゃない。で、話を戻すよ。竹島のことを国際世論に訴えるんだね? どうやって?」
女性「ニュースとか」
私 「ふむ。そうするとどうなるの?」
女性「国際的に、韓国と日本が島を取り合っているって国際世論ができる」
私 「ふむふむ。そうするとどうなる?」
女性「韓国は、竹島を日本にくれる。見返りに日本は韓国に経済援助とかをすると、両国の絆が深まる」
私 「く、くれる? 見返り? えー…見返り?」
女性「日韓友好のため」
私 「…」
女性「タダでもらう訳にいかないでしょ」

相手の頭の中にある前提は、『竹島は韓国のもの』なんだなと暗い気持ちで考えました。
私 「…もらう…ねぇ、その国際世論ってさ、必ず機能するの? 絶対に?」
女性「機能って?」
私 「国際世論は、必ず正しい結論にたどりつくの? そうしてそれは確実に実現するの?」
女性「実現しなかったら、それは国際世論から『あなたの方が間違ってますよ』と言われたってこと。つまり、間違ってることを国際世論に訴えても、実現しないってこと」
私 「ふむ…例えば、過去の日本による朝鮮支配は正しかったと国際世論に訴えても、耳を傾けてはもらえないっていう感じ?」
女性「そうそう」
私 「ということは、正しい訴えは必ず聞いてもらえる? 国際世論はそれを確実に絶対に実現する?」
女性「かならずって…」

自信が無さそうなので、少し表現を柔らかくして言い直しました。
私 「たまには聞いてもらえないこともある? 運が良ければ聞いてもらえる?」
女性「最終的には必ず聞いてもらえます!」
私 「もし、そうならなかったら訴える方が間違っているってこと?」
女性「そう。それか、訴える努力が足りなかったの」

だいたい、必要なことは全部聞いたと思いました。そこで、相手の考えの中の矛盾を示してみようと考えました。
私 「ふむ…ところで、キミは『どんなことがあっても、武力に訴えるのは間違っている』って言っていたよね?」
女性「武力に訴えるのは、許されないこと」
私 「それはどの国も例外なく? 韓国もそうだし、その他の国もそう?」
女性「韓国の場合は仕方な─」

話が逸れるのが嫌なので、単純に話を遮って、相手に答えやすい質問に言い換えました。
私 「えっとじゃあアメリカは?」
女性「アメリカが武力を使うのは許されないよ」
私 「じゃあそれが間違っていると思ったら、国際世論に訴えればいいんだ」
女性「そう」
私 「共産党とか、社民党とかがいつも言ってることだよね? 争いごとを言論で解決するんだ」
女性「それがあたりまえ」
私 「アメリカはイラクと戦ったけど、それは?」
女性「それはアメリカが間違っている」
私 「いや、そうじゃなくて。両国が争いを言論で解決せずに、軍同士で戦ったことは間違っている?」
女性「決して許されないこと」
私 「そうして共産党や社民党の人はそれに反対して、平和的な解決を主張した?」
女性「そう」
私 「国際世論に訴えた?」
女性「そう」

さて、相手の話の矛盾と言うか、私が言いたいことを言おうかなと思いました。
私 「なのに、戦争は起こった。それって、国際世論に限界があることを示していない?」
女性「アメリカが強引に進めたの」
私 「その通り! そのアメリカの強引な進軍を、国際世論は止められなかった?」
女性「アメリカが悪いの」
私 「いやいや、アメリカが悪いことは別にいいよ。否定してないし。アメリカが悪いんだよね? アメリカが悪い。で、その悪い国に対抗するのに、ニュースとかで訴える先が国際世論なんでしょ? そうして国際世論に訴えたことが実現しなかったら、それは訴えた内容が間違ってるってことなんだよね? それか、平和を訴えてる人達は、訴えるにあたって手を抜いてたの? 他国のことだから?」
女性「アメリカが止まらなかったからしょうがないじゃない」
私 「戦争反対が実現しなかったのは戦争反対が間違っているということにならない?」
女性「なりません」
私 「じゃあどうなるの?」
女性「アメリカが悪いってこと」
私 「国際世論では軍事行動を止められないこともあるんだ」
女性「止められるし、止まらなかったとしてもアメリカが悪い」
私 「国際世論は何の役に立つの? とことんまで行ったところで戦争を止めるのに。その、悪いアメリカが悪い戦争をすることを、国際世論はどうやって止めるの?」
女性「国際世論が高まらなかったことは残念だけど─」
私 「残念?! いやいや残念て…それってあんまり国際世論も当てになんないってこと? つまり竹島に対する韓国の軍事行動を国際世論で止められないこともありうるということ?」
女性「韓国はそんなことしません」
私 「韓国は軍を竹島周辺に展開しているよ」
女性「韓国とは話し合えば解決します。アメリカとは違います」
私 「ふむ…キミはなんか、アレだね。“こんな風になぁ~れ!”っていったら、世の中がそうなると思ってるタイプ?」
女性「そんなわけないでしょ! 韓国に悪い人なんかいないってことを言っているの」
私 「どこにだって悪い人はいるよ」
女性「それは日本が悪いことしたから」

なんだかもうどうでもよくなってきました。ループする話に飽きました。相手の根気と信念に脱帽です。
私 「うん。わかったよ。日本が悪いことしたからだね」
女性「そうでしょ。日本は悪いことしたんだから」
私 「そうだね。キミも私も悪いことしてないけど、日本は悪いことしたんだよね」
女性「なんかひっかかるなー。日本は悪いことしたでしょ?」
私 「ひっかかるもなにも。日本は悪いことしたんでしょ?」
女性「わかればいいけど」
私 「わかるよ。キミの考え方はとても良くわかる・・・・・・・・・・




スマートな議論とはとても言えない、ずいぶん大人げ無いやりとりになってしまったけど、やはり憲法前文に謳われている「平和を愛する諸国民の公正と信義」なんてものは信頼に値しないとわかった午後でした。



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